記事公開日:2021年5月27日
最終更新日:2025年4月18日
「”外の世界”に強いあこがれを持つ、とあるお嬢様がおりました。」令嬢という立場も色々苦労が絶えないみたいだ。
ここではArcaeaのサイドストーリーの一つである、Absolute Reasonの前半を短くまとめるよ。
”サヤ”の秘密に迫ろう。
Arcaeaストーリー Absolute Reason①
本作にはメインストーリーの他に、オリキャラに焦点を当てた別のお話がいくつも展開中。
本記事で解説し始めるのは、エメラルドの長髪をなびかせた優雅な佇まいのお姉さんである、”サヤ”を中心とした物語。
有料楽曲パックの「Absolute Reason」で読める、彼女にスポットするストーリーを読もう。
https://arcaea.lowiro.com/ja
凛としたツリ目を持つ彼女だが、なぜか右目には花が咲いているという、なんともキレイで怪しい要素を持つキャラクター。
ちなみにサイドストーリー持ちとしては、アプリリリースから初めて実装された古参勢。
彼女の目には何が映る?
黄昏時のパーティで
https://arcaea.lowiro.com/ja
ストーリーマップでは、第一部第一章の左上に位置する。パック内の物語は、すべて一本道。
サヤ自体、比較的ステータスが高いノーリスクキャラなので、使い勝手は上々なほうかな。
3-1
夕暮れ時、琥珀色の光が降り注ぐ豪華な邸宅で開かれたパーティに参加する少女ラヴィニアは、特権階級の一員だ。
いわゆる王侯貴族として品格ある振る舞いを身に着けた女の子。彼女は薄暗い場所に腰掛け、静かに思索にふける。
すると婚約者のドノヴァンが現れ、飲み物の好みを尋ねてきた。

ラヴィニアは「李(すもも)」と答え、ドノヴァンは共感しながらクランベリーは苦いと言う。
その後、彼は共通の幼馴染がいる暖炉の方へ去っていった。
会場は程よい暗さで、白いテーブルクロスの上にはたくさんの料理と飲み物があり、硝子製の壁からは外の自然が鈍く見える。
ラヴィニアはグラスの李ジュースを飲むが、味がわからない。彼女はグラスを戻し、自分のもう片方の眼に咲く花弁を指でなぞった。
近くから、ドノヴァンとナターリアの会話が聞こえる。どうやら”人の手に作られた、まるごとひとつの世界”について語っているようだ。
さっそく聞き慣れない少女の名前が出てきたね。光ちゃんと対立ちゃんがいるところとは、全く別の世界での出来事。
ラヴィニアちゃんは、由緒正しい生まれのようで、世界観は王政が敷かれた中世ヨーロッパみたいな感じかな。
と思ったら、どうも彼女には片目になぜか花が咲いている模様。つまり”サヤ”の別名、あるいは本名なのか?

3-2
彼女は李のジュースを一口飲んだことで、なぜそれを避けていたかを思い出す。
未来の夫ドノヴァンを探しながら、彼らの会話に耳を傾けるが、「人工の世界」の話題は、深く語られることがない。
ラヴィニアは席を立ち、館内を探索する。
この領館には科学的なものがあるものの、古風な気品に縛られた古臭さも持ち合わせる。
鈍く光る照明や人工の自然風景に興味はあるもの、彼女が最も惹かれたのは庭園にある光子変換装置と呼ばれる機械だ。
まだ触ったことがなく、強い好奇心を産む。

ただの会合よりも、生き物や未知の人工物のほうが彼女にとって魅力的だ。しかし、外へ通じる扉の前で直感的に悟る。
そこを超えても何も得られず、自分の居場所は未来の夫の傍らにあるべきだと。「外」はただの幻想で、自分には関係がない。
その事実は心を蝕み、手は扉から滑り落ちる。次第に彼女の内には、ある不満の炎が静かに灯り始めていたのだ。
いわゆる、籠の中の鳥状態と言えるラヴィニアちゃん。こういうの、血筋が良いと不自由になる面も多く描写されるよね。
異世界ファンタジーで、貴族系キャラの女の子が出てくると、身分や家柄の風習で自由にできない苦しさみたいな。
人間というのは、今までの人生で触れたことのない外部因子に、強く興味をそそられるから、ある意味可愛そうである。

3-3
硝子の壁の向こうで舞い散る花びらに、パーティの参加者たちは魅了された。ただラヴィニアには、「豪奢な茶番」にしか見えない。
彼女は数時間かけて館内の脱出口を探すが、窓は閉め切られ、中庭へのドアには閂がかけられ、通気口はネジ止めされている。
彼女は、”自分が意図的に閉じ込められているのか”という、一つの疑問を抱き始めた。
諦めた彼女はパーティの客たちと雑談に興じるが、有益な情報はなにもない。
しかし立ち聞きした会話から「今は泥の球にすぎないが、そのうちテラフォーミングも始める」という言葉を耳にした。
内容を聞いてもはぐらかされたが。

ラヴィニアは婚約者のドノヴァンと再会し、彼女は思い切って「人造の世界」について質問をした。しかし帰ってきた答えは…。
「彼らが作った世界でこのような催しが行われ、今は不毛な模型にすぎないが将来は賑わうだろうと」と語った。
その瞬間彼女決意を固め、テーブルからブレッドナイフを取り、ドノヴァンの喉を切り裂く。そこから出るものを見るために。
ラヴィニアちゃんも今自分がいる世界に疑問を覚え、ここにいても自分の望む未来が得られないと悟ったみたいだ。
館を抜け出そうとしたり、他人から外の情報を得ようとするけど、今のままでは何にもならないのは、彼女に突きつけられた事実。
殺害した婚約者の言葉は、結局誰かの監視下でしか世界を紡げない絶望を感じてイラついたからだと思う。バイレオンスやな。

不自由な緑の鳥
現時点では100%の確証こそ無いものの、ラヴィニア=サヤと見ても良さそうなところ。これはいったい、子供時代の話なのか…。
まぁ、そのへんは後半を見ればはっきりすると思うので、また次回に回そうかな。
今こそ自由への扉を開くとき。
今回はここまで。そしたら、次は同パックのストーリー後半に行くよ。一瞬の決断をした彼女は、今後何をするのか。