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KSC製トカレフ(Xコンプ) かっこいいがこれなら通常版で良い

記事公開日:2020.3.31
最終更新日:2023.3.25

 

「ソ連のハンドガンと言えばこれが鉄板」

ずいぶん前に、拳銃であるトカレフのエアガンを手に入れた我輩。

そう、ペルソナ5の主人公が持つとされる特別モデルのやつ。

 

見た目が普通のものよりだいぶ違うので、元となったものも気になっちゃって。

通常版に近いもの(カスタムモデル)を手に入れたよ。

今回はKSC製トカレフのXコンプバージョンをご紹介。

完成度自体は素晴らしいが、あんまり通常版と大きな違いが無かったな…。

ちょっと割高感が否めなかったかも?

 

KSCのトカレフはバリエーションが多い

トカレフという名前を聞いたことがある人は多いと思う。

冒頭で話した通り、ソ連で使われていた拳銃の一種だ。

日本だと、ヤクザの人たちが使う武器のイメージが強い。

つまり悪役に好んで使われる、という印象なんだよね。

クタちゃん
ハジキ、ハジキ、ハジキクテャな…。

 

なんでそんな風になったかというと、ざっくり言えばこう。

トカレフを中国がコピーして、日本へ大量に横流ししていたからだ。

日本国内で安く手に入ったため、ヤクザが好んで使っていたという寸法ね。

1900年代後半で、特に流行っていたとかなんとか。

 

こういう経緯もあり、エアガン業界でもモデルアップは少ない。

今ならKSCくらいしか製品化していないので、ある意味貴重枠ともいえる。

ありがたいことに、通常・限定版を含めると割とバリエーションもあってさ。

 

本記事で紹介するのは、一応限定版であるXコンプ。

ただ通常版のトカレフに少しカスタムが加わった程度で、大きな差は少ない。

なので通常版が気になるよって人にも、この先の情報は割と参考になると思うよ。

だからこそ、個人的には差があまりないから限定版のうまみが薄かったわけだが。

モノ自体はKSCだし、完成度は十分高いんだけどなぁ…。

 

レビュー開始 カスタムされても見た目はシンプル

いつものように外箱。

暗緑色に縦線のしましまが入る、スッキリした見た目。

そうそう、トカレフは完全な正式名称じゃないんだよ。

本来だと”トカレフ TT33″と呼ばれるのが正しい。

ちなみに33の部分は製造年を表し、1933年に量産されたそうな。

(ただし最初の型番は、1930年製のものである)

 

ふたを開けると、黒の発泡スチロールにモノが収められている。

本体のカラーも相まって、とにかく金属撃ちっぱなしに見えるかも。

付属品はいつもの通り、マガジンとBB弾が少々ついてくる。

余談だが、トカレフシリーズのパッケは基本使いまわし。

ペルソナ5コラボを除けば。

 

 

箱から取り出し、全体像がこれら。

微妙に色の違いはあれど、ほとんどのパーツが真っ黒。

ロゴとかも含めてすべて黒く染められたボディだ。

おかげで写真が暗く見えがちなので、かなり明るさ補正をかけたよ。

 

あとで説明するけど、通常版と大きく違うところは2か所。

銃口の先と、トリガーの形状だね。

それ以外は大体ほぼ同じ、と考えてもらって大丈夫。

 

 

残弾を撃ち尽くすと、スライドがこの位置で停止する。

ホールドオープンした時の姿がコレ。

少し銃口の先が伸びたとはいえ、トカレフ自体は割とほっそりしてる。

そのため、イメージしているものに比べればスマートかもしれない。

 

銃口内部にあるアウターバレルも、外見に合わせて真っ黒。

まぁトカレフは着飾るタイプの銃じゃないので、当然っちゃあ当然か。

 

接写したら少しボケてしまって申し訳ない。

本体に彫られた刻印なのだが、これも必要最低限クラス。

後ろ側にシリアルナンバーが薄く彫られた程度。

 

実銃のコンセプト自体、とにかく単純で故障しないつくりを目指しているため…。

性能には全く関係ない、そんな刻印類もほとんど彫られなかったんだよね。

意味ないからさ。

まぁある意味本物に近づけてるかな(笑)

 

 

通常版から大きく変わったところの一か所め。

さっきからずっと映ってたけど、銃口側の追加パーツだね。

継ぎ足しみたいな感じで、ほんの少し銃身が長くなる。

これはいわゆる”コンペンセイター”と呼ばれるものだ。

 

ぶっちゃけエアガンだと、ほとんど性能に影響がない部分だ。

つまり単なる飾りになるよ。

まぁちょっとした特別感とか、かっこよさを演出する要素的なね。

 

実銃ならばあるメリットができる。

弾は火薬の力で飛んでいくわけだが、爆発エネルギーがとても強い。

これが銃口の跳ねあがりや、まぶしい閃光が発生しちゃうのよ。

コンペンセイターは、それらを軽減する役割を持ってくれる。

ダッフィー
発砲音は小さくしてくれないから注意な。

 

パーツの上側を見ると、穴が数か所空いてるのがわかるよね?

火薬が爆発すると、銃の内部から弾や燃焼ガスが出てくる。

そのままだと穴の出口が一か所なので、力の分散ができないんだよ。

ただしコンペンセイターに穴を設けていると、出口が単純に増える。

ここから燃焼ガス・火薬爆発時の閃光の逃げ道がいっぱいできるので…。

一つに集中せず、衝撃などを散り散りにしやすいのだ。

 

コンペンセイターは、通常版のトカレフにはくっつかない。

あっちはこれがない代わりに、若干銃身が短くなってるよ。

つっても1cmくらいの差しかないけどね。

 

 

スライド後ろにあるハンマー部分。

穴あきじゃない、丸っこいギザギザの表面を持つハンマー。

飛び出るタイプではあるが、多くの銃に比べるとサイズが小さい。

服とかには引っかけにくいと思うよ。

 

 

このトカレフで狙いを定めると、こんな風に見える。

手前・奥のサイトともに真っ黒で、決して狙いやすいものじゃない。

そもそもこの銃自体、狙って撃つ銃じゃないからしょうがないけど。

今から見ると、一昔前の銃なのでこんなもんかな。

ここも刻印と同じように、必要最低限あるよってだけ。

 

 

通常版から大きく変わったところの二か所め。

トリガーの形状だね。

このXコンプだと、側面から見れば2枚のプレート。

正面から見ると、3枚のプレートで構成されてるように見える。

そして真ん中の2枚目のプレートだけ、両側と違って少し飛び出てるかな。

 

見た目の違いはもちろんだけど、ここは安全装置の役割が追加された。

真ん中のプレートをしっかり指で引かないと、弾が発射されなくなったよ。

端のプレートに指をかけても、トリガーは下がってくれないのだ。

一応不意の誤射を防ぐ可能性ができるわけだ。

 

これ、通常版や実銃にはこういった機能は一切ない。

というか実銃においては、そもそも安全装置自体が存在しないという。

かなりトチ狂った思い切ったつくりの銃なのだ。

おかげで当時のソ連では、誤射による事故が多発していたらしいよ。

そんな銃なんて、後にも先にもこいつだけやろ。

ヴィーゼ
設計がクレイジーすぎるよ…。

 

それ以外の部分(マグキャッチボタンなど)は、特に変わりはなし。

ボディの色やボタンの配置なんかは、通常版と同じだ。

トリガーガードは広めなので、手袋を付けたままでも指は十分入る。

 

ちなみに、吾輩が持ってるエアガンで似たようなトリガーを持つ別のものがある。

マルイのグロック34なのだが、これもトリガーに安全装置が組み込まれてるよ。

 

 

さてトカレフに戻って、確認したい部分がある。

銃の裏側にできやすい、線の処理がどうなっているかだ。

パーティングラインって呼ばれる奴を見よう。

 

やはりここはKSC製というべきか。

成型時にできる線はしっかり処理され、ツギハギ感が全く無い。

すばらしい。

普段見ない部分だけど、こういう隠れたところの処理は気になるよね。

 

 

お次はグリップ。

光沢がある部分は黒のプラスチック製。

それ以外の灰色じみた黒い部分は、HW樹脂特有の色合いだ。

 

グリップの中央には★がサークルで囲まれてるよね。

この★はソ連の国旗に使われていたもので、トレードマーク的な感じ。

これを中国がコピーした製品になると、黒星(ヘイシン)と呼ばれるよ。

 

またグリップはだいぶ薄く、握った感触はけっこう細い。

あと縦の全長がわりと短いので、男性だと小指がギリギリになりやすい。

女性だとちょうどいいかもしれないが、吾輩には少々小さいかな…。

加えてグリップが薄い分、マガジンの装弾数が少なく冷えに弱いのも弱点。

 

 

最後はマガジン。

こちらも本体と同じく、黒一辺倒の配色だ。

一般的な拳銃に比べると、小さく薄めの作りがポイント。

ここにも刻印類は一切入っていないのも同様。

 

 

総評 手堅い作りだけど追加要素が物足りない

さてまとめに入ろう。

まずこの銃のイマイチな点を振り返る。

・狙いをつけるような拳銃じゃない
・見た目はある程度好みが分かれそう(無骨好きか派手好きか)
・グリップが男性から見るとちょっと小さすぎるかも
・全体的に通常版と変わり映えがあまりない

 

次は良いところかな。

・HW樹脂の金属な質感はさすが
・パーティングラインはしっかり処理
・軽量なので移動の負担になりにくい
・安全装置が一応ついた

 

基本的に悪い部分については、実銃譲りのところがメイン。

グリップの細さとかは再現した結果、ああなっただけだから。

KSC側の仕事としては、何か落ち度があるわけじゃない。

細かい部分の仕上げはきっちりしており、さすがのクオリティである。

人によっては地味に見えるかもだが、ちゃんと観賞用にも耐えうる作りだ。

 

そしてこのモデルは、KSCが現代仕様に近づけたカスタムという位置づけ。

このため、通常版に比べて大きく2か所変更があったのは説明済み。

ただ個人的には、変わったところが正直少なすぎるなぁと思う。

しかも限定版として出しているので、余計その思いが足を引っ張る感じがする。

なので特別感がある、というようには全然見えなく価格が見合ってないんだよな。

アナゴン
限定版ならそれを感じさせる要素がもっと欲しかったのが本音…だって。

 

そこが個人的に思った、このモデル特有の一番の欠点だ。

製品の質はいつも通り丁寧だが、限定版としてのインパクトが足らなすぎる。

だったら通常版でよくね?って思っちゃうよ。

残念だったのはそのへんですかな。

 

 

おまけの余談+α

ここからは追加で伝えたい情報だよ。

せっかくなので、トカレフ同士で大きさの違いを確認してみよう。

今回紹介したXコンプと、通常版代わりのペルソナ5モデルを並べるぜ。

グレーカラーのペルソナ5モデルから、Xコンプのカラーリングになったもの。

それを一番普通のトカレフだと考えてもらえばおk。

 

コンペンセイターの分だけ、銃口が伸びるが差は上の写真通り。

確かに少し長くなったが、大した差じゃないよ。

あとトリガーガードも、2つを並べると違うのがよくわかるはず。

こう考えると、通常版とXコンプが大きく変わらないのは想像できるよね。

 

 

あと最後に、現状のKSC製トカレフは限定版を含めて5種類ある。

以下の通りだ。

・通常版(間隔は長いけど定期的に再版される)
・ジョーカーモデル(上の写真にあったペルソナ5コラボ製品 ボディカラー・刻印類が変更)
・タイプ54(中国のコピー製品モデル ボディーカラー・グリップ・刻印類が変更)
・Xコンプ(本記事で紹介したモデル ボディカラー・グリップは変更なしで追加パーツ装備)
・タイプ54 Xコンプ(名前通りのハイブリッド ボディーカラーなどが全て変更かつ追加パーツ装備)

 

通常版以外は全部限定品で、今から手に入れるのは難しい。

まぁトカレフについては、定期的に再版があるので待ってりゃ買えるよ。

ただKSC製なのでそれなりに間隔は長くなるけどね。

欲しくなったら、公式HPをちょいちょいチェックしてみてくれな。

 

 

今回はここまで。

もし通常版のバリエーションとして、いつも販売されてるなら良い製品。

限定品としてのくくりで見ると、とにかく物足りなさが目立つ感じだった。

これだったら、追加パーツだけ売ってくれりゃ通常版と掛け合わせて作る…。

という方法でもいいような気がするなコレ。

(エアガンレビューまとめページはこちら)