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マルゼンのワルサーP99こそ世の固定ガスガン使いが虜になる

記事公開日:2018年2月6日
最終更新日:2025年2月12日

 

「射撃しやすい固定ガスガンの、決定版モデルといえば?」。そこにはトリガーの引き心地が最も大きく関わる、決して無視できない要素。

スライドが固定されているガスガンは、引き金に難を抱えるモデルが結構多いのだが…。

 

今回はマルゼンが製品化した、ワルサーP99 FSを紹介しよう。こいつは凄いぞ。

驚くほど引き金が軽い。

吾輩が抱いていた、固定スライドガスガンのイメージを良い意味でぶっ壊してくれた。

 

マルゼンのワルサーP99

ドイツの銃器メーカーであるワルサーは、第二次世界大戦の手前で傑作と名高い、ワルサーP38をリリースした。

大戦中では何百万丁も使用され、後の世にもその名を轟かせるモデルとして非常に有名だ。

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さてそのP38の後釜として、色々試作されたがどれも失敗続き。1996年にようやく、満足のいく後継モデルの開発に成功したんだ。

それが今回紹介する、ワルサーP99。日本ではガスガンとして、マルゼンが製品化・販売を手掛けているよ。

本記事では当モデルの固定スライドタイプで、フロンガス使用の本体のみ仕様を紹介していこう。こいつはマジで優等生。

固定ガスガンってこれほど軽いのか…。

 

レビュー開始

まずはパッケージだけど、ワインレッドカラーの段ボールが目立つ色合い。表面のロゴは、高級感を感じさせる作りだ。サイズは小さめ。

 

フタを空けた中は非常に簡素な作りで、薄い壁の仕切りが1つあるだけ。本体はビニール袋で保護され、付属品が少々ついてるものだけ。

 

重本体は、真っ黒とそれに近い灰色で構成された、非常に渋い見た目。ほとんど装飾らしい装飾がない。シンプルな外観。

素材は樹脂(ABS)のみ。ただこのワルサーP99は、仕様がまるまる違うバリエーション展開がいくつかあるよ。

吾輩が所持しているのは、オプション無しのフロンガス&スライド固定のもの。現在は流通していないのが残念なところ。

代わりにオプションもりもり、フロンガスorCO2ガス、固定スライドorブローバックと、公式サイトには色々ある。再販されづらいが。

 

重本体の刻印は、銃先端にワルサー社のロゴが入るが彫りがちょい薄く見える。その下には、専用規格のマウントレール。

これはマルゼン公式にもオプション品として、後付の20mmピカティニーレールに換装できるアタッチメントがあるよ。

 

反対側の刻印は、ちょっとした英文が彫られている。これはワルサー社とマルゼンが、正式に提携を結んでいることを意味している。

 

他の箇所の刻印はこの通り。

 

狙いをつけるために、リアサイトから覗くとこんなものが見える。手前には2つの白点、奥はボケているけど、1つ白点入り。

点が大きめなので、割と狙いやすいタイプのサイトを採用してるね。

加えてリアサイトより少し手前にあるはずのハンマーは、この中だと内部に仕込まれている。ハンマーレスの仕様だ。

 

服が引っかからないような対策で、グロックシリーズとかでも似た隠し方をしてるね。

そのままだと何も無いが、引き金を引くと連動してハンマーのパーツが、一部だけ外に飛び出してくる。赤い点があるやつがまさにソレ。

射撃すると、この赤点がそのまま銃内部に戻る仕組み。これで撃ったかどうかの判断ができる。

 

次はこのモデルのウリであるトリガー。引き金自体は見た目だけ見ると、本当に普通としか言えない三日月型の形。可動範囲は広め。

ただコイツは固定スライドガスガンであり、多くの場合はトリガーがやたらと硬い。そんな中、感触を確かめてみると…。

当然ガスブロに比べれば硬いけど、固定ガスガンという括りで見れば、非常に軽い。驚くほど軽く引けるので、連射もそこまで苦じゃない!

アナゴン
びっくりしたこの軽さ。

 

マガジンを固定する、マグキャッチボタンは若干特殊。トリガーガードの付け根を見ると、なんかレバーっぽいものがあるよね。

この先端を指で下に押し込むと、ロックが解除されてマガジンの脱着ができるというもの。ボタン式じゃないんだよ。

前モデルのワルサーP38ほどじゃないにしろ、慣れないと少々やりづらいかな。とはいえ、両側から操作もできるしそこまで辛くない。

 

グリップは黒の樹脂で作られてるけど、触った感じはそこまでツルツルしてない。むしろ冷たい金属感を感じるほど、よくできたものだよ。

各種チェッカリングや、フィンガーチャネル(指を収めるくぼみ)もある上に、あまり分厚くないので日本人でも握りやすいサイズ。

ここにもしっかりワルサー社のロゴが入るなど、外観も感触も抜かり無く作られているので非常に信頼が置けるね。

 

マガジンは本体と同じく真っ黒。色と同化しちゃってるんだけど、しっかり刻印も彫られてる。

側面、底部にもしっかりワルサー社のかっこいいロゴ入り。

 

総評 軽めのトリガーが全て

それじゃあ最後は、本モデルの総評をまとめていこう。悪いところと良いところ、それぞれの特徴は以下の通り。

・オプション品がそのままだ装備不可
・マグキャッチボタンが少し独特
・入手性に難アリすぎ(他のも含めて)
・刻印がリアル
・見た目の高級感は中々のもの
・寒さに強いガスガン
・ガスの消費量が少ない
・固定ガスガンの常識を破るトリガー
・重量と握りやすさがバランス良い
・狙いが比較的つけやすい
・価格がかなり安かった(後述)

 

悪い点については、この銃というより周りの環境による部分が大きいほど、モデル本来は非常に安定した強みを持つのが強いかな。

特筆したデメリットが無い。

タート
本体の完成度が半端じゃないよ。

 

刻印は説明不要だが、まず表面の質感がシックで素晴らしい。本当に樹脂か?と思うほど、ブラックのかっこよさが存分に引き出されてる。

サラサラとした触感が指を喜ばしてくれる、刻印同様に気合の入った見た目が素晴らしい。

 

持ったバランス感も良好で、本体サイズ・重さ・グリップの厚みともに高次元の領域。非常に構えやすく、程よい重量感が満足感を高める。

固定ガスゆえに射撃時の衝撃は無いけど、ガス消費が少なく寒さにも強いので、冬のサバゲーでもそこまで苦労することはないはず。

弾もそれなりに入るしね。

コール
良い感じじゃない〜?

 

何より一番驚いたのは、記事冒頭でも少し触れた通り、固定ガスガンなのにトリガーがかなり軽いこと。衝撃的だったよ。

今までいくつか固定ガスガンを触ってきたけど、そのままの状態で引き金を引きやすかったのは、正直このワルサーP99だけ。

ショップカスタムで軽くする方法もあるけど、デフォルトでこれなのでそんな必要は無い。

 

もちろんガスブローバックと比べれば、こっちのほうが重いのは事実。それでも軽さに食らいつけるのは、このモデルの特権だろう。

どうしてここまで軽くできるのかは、吾輩にはわからないが企業努力の賜物だと思う。

コレに関しては、他の固定ガスガン製造メーカーもきっちり見習うべきお手本だよ。

ダッフィー
マジで異次元だろ。

 

値段についてだけど、いつかの赤羽フロンティア初売りの現金特価で購入したんだよ。その時は確か5,000円という破格の値段だったかな。

当時の通常ショップ価格でも、7,000円ほどだった記憶がある。国内のしっかりした固定ガスガンと考えても、かなり安めの良心設計。

残念なことに、単品での仕様モデルが公式サイトから消えているので、新品の入手は非常に難しい。やっぱりこのオチ。

なので欲しければ、ソレ以外のバリエーションを選んで買うしか無いかな。今ならオプションが付いてくる、スペシャルフォースが一番良い。

 

今回はここまで。値段・見た目・使いやすさに対して、高いパフォーマンスを誇るマルゼンのワルサーP99。これが優等生の姿である。