1記事公開日:2018.2.5
最終更新日:2022.10.25
「え?、こんな光輝くワルサーP38があるのか!」
とある年の元旦に初売りへ行ったとき、これが一際存在感を放っていた。
そう、マルゼンがガスガン化したドイツの傑作拳銃である。
こんな機会がなかなか無いと思い、なかば一目ぼれでレジに向かった我輩。
今回は深く考えもせず購入した、マルゼン製ワルサーP38をレビューするよ。
ワルサーシリーズを得意とするだけあって、随所のこだわりが尋常じゃない。
P38が欲しい人は、必ずマルゼンのものをチェックすれば間違いないよ。
ワルサーP38はやはりマルゼンが一番
日本のエアガンメーカーでは中規模にあたるのが、マルゼンという会社。
ここはむしろ競技専用のモデルがメインで、他のエアソフトガンは多くない。
そんな中でも、最も得意とするのがワルサーシリーズのエアガンだ。
本記事で紹介するのは、戦時中である第二次世界大戦ごろに作られたモデル。
ワルサーP38のシルバーバージョンをご紹介しよう。
値段・性能・外観がバランスよく高レベルでまとまるため、有用性がかなり高い。
サバゲーにも自宅での鑑賞用でも、どちらをとっても満足できるだろう!
もっとも外観がかなりキレイなため、吾輩としては観賞用がおすすめだな~。
ただしその代わり、入手性に難があるモデルの一つともいえる。
再販のスパンが長く、欲しいと思ったときに手に入りづらいのがちょっとね…。
まぁマルゼン製エアガン全般がそうなんだけどさ。
レビュースタート 高次元の優等生っぷりが素晴らしい
まずは商品パッケージから。
木目のプリントが施された箱で、右上に銃の名前が入るシンプルさ。
印刷とはいえ、木の質感が上品に出ており高級感が漂うね。
余計な装飾で語らない。
ふたを開けると、型抜き段ボールに本体がセットされてる。
傷つけないようにビニール袋で保護されており、丁寧さをうかがわせるよ。
付属品は六角レンチと多少のBB弾。
マガジンはすでに本体へ装着済みだ。
本体の全体像はこのとおり。
手で握るグリップ以外は、すべてシルバーで統一。
銀と黒のツートンカラーが、非常にはっきりした対比と言えるかな。
後で細かく見るけど、銀メッキの塗装がとにかく美しいのがポイントなのよ…。
銀色好きな人にはかなり心に刺さるはずだ。
弾を撃ち尽くすと、写真のような状態でスライドが止まる。
きちんとスライドの裏側も銀メッキ処理がされており、手抜きは一切ない。
もちろん内部パーツもね!
あとワルサーP38の特徴と言えば、銃身から飛び出たバレルだよ。
にょきっと細い棒が生えているように見えるが、多分開発当時のトレンドなのかな?
どうしてこういう形状になったのか、吾輩は調べてもいまいちよくわからなかった。
それと子供のころは、この見た目が嫌いだったけど今はかっこいいと感じるねぇ。
ちなみにサプレッサーに見えるかもだが、消音機能はいっさいございません。
銃に彫られた刻印を見てみよう。
左側面には”P38 ac40″と書いてあり、右側面にはシリアルナンバーが入る。
ac40の意味は「製造年が1940年」という意味だね。
実銃にも同じ位置に、製造ロットごとでac〇〇とバリエーションがあるらしい。
そう、これこそマルゼン製ワルサーP38の最大セールスポイント。
ここに入る刻印が、実銃のものと全く同じルールで打刻されているのだ。
なぜかというと、マルゼンとワルサー社は正式ライセンス契約を結んでいるから。
それにより、実銃の設計図を参考にしつつエアガン化することができるんだね。
おもちゃでありながら、見た目は限りなく本物に似せる…。
マニアには最高にたまらん仕様でしょうな!
次はスライドの後ろ側を見るよ。
写真中央にあるのが安全装置のレバー。
この状態だと射撃可能で、レバーを下げてFを隠すと撃てなくなる。
すぐ右側には、スライドにギザギザの溝があり滑り止めの役割を果たす。
指でスライドを引くときにここを持つと、滑る可能性を下げられるってもの。
ハンマーの形はこんな見た目。
よくある形状で、何か大きな特徴は無いけどちゃんと銀メッキ処理済み。
ワルサーP38で狙おうとすると、こういう風にのぞく感じかな。
フロント・リアサイトともに銀色だが、白点があるわけでもなんでもない。
特別狙いやすい…ということは無いかな。
まぁ実銃が1930年後半に開発されたから、その辺はあまり考慮されていないのね。
にしても、銀メッキがキレイだから吾輩の映り込みがすげえなオイ。
銃の下側に目を移そう。
今度は引き金(トリガー)周辺だね。
形状はオーソドックスな三日月型で、可動範囲はそこそこ大きめ。
ただ割と軽い力で引き切れるから、女性でも力はそんなに要らないだろう。
感触もどこで射撃したかちゃんとわかるレベル。
しかし、イマドキの拳銃ならあるはずのモノが映っていない。
そう、マガジンを外すマグキャッチボタンだ。
後述するが、マガジンの脱着が戸惑いやすいのだ…。
刻印と同じく、マルゼンさんが外観にこだわるポイント。
銃の裏側に出やすいパーティングラインだ。
コストを考えるとそのままにすることが多いけど、しっかり処理済み。
光を当てたらわずかに左右で輝き方が違う…なんて心配もない。
完璧にパーティングラインを消しているため、美しさはハネ上がりだね♪
手で実際に握るグリップ部分。
横に走るでこぼこの線をたくさんちりばめた、プラスチック製のグリップだ。
手触りはつるつるしているが、最低限の滑り止め機能はある…かな?
左側面には、ベルトで吊るせるスイベルもついてるよ!
厚みはあまりなくほっそりしており、日本人の手の大きさにはなじみやすい。
女性ならば丁度よく、男性でも多くの人にはしっかりフィットするであろう。
我輩も手に持ったときは、なかなかピッタリな感じを受けたぜ。
お次はマガジン本体だ。
これは黒いボディだが、一番下のプレートのみ銀色になっている。
銃に装着すると、外から見えるのは銀のプレートのみだからね。
ちゃんと銃本体カラーに合わせた徹底ぶりがステキ。
しかしマガジンが薄めに作られているため、連続しての射撃が苦手。
装弾数が12発で、一般的なガスハンドガンよりだいぶ少ない。
加えて冷えやすく、注入できるガスの量もあまりないのがちょっと厳しいかも?
マガジンの装着方法にクセあり
さてグリップを説明している時に、マガジンの装着が難しいと話したけど…。
これは実銃が昔のモデルにありがちで、イマドキの銃とは明らかに違うんだよね。
やり方は以下の通りだ。
まずマガジンが刺さった状態だけど、右のほうにギザギザの爪が見えるよね?
これがマグキャッチボタンの役割を果たしてるよ。
このギザギザの爪を右にずらしたまま、マガジンのプレートを指で挟んで引っ張る。
すると写真の通りに、マガジンがするっと出てくるよ。
ちなみに刺しなおす場合は、普通にぶっ刺すように入れればOK。
爪はいじらなくて大丈夫。
これが厄介ですばやい脱着が正直難しい。
いつもならボタンを押してロックを解除すると、そのままマガジンが取れるけど…。
わざわざロック用の爪を右にずらさないといけないので、やりづらいことこの上ない。
実銃も同じやり方なので、リアルだが不便なのよな~…。
総評 見た目と扱いやすさは一級品
んじゃあまとめに入るか。
まずは本モデルのデメリットから。
・マガジンのすばやい脱着が難しい
・バレルのみ大きく伸びるのでぶつけたら歪みそうで怖い
・現在はシルバーカラーが公式HPから削除されてる
次にメリットはごらんのとおり。
・刻印が実銃さながらの彫り方がされている
・グリップが細いので男女問わず握りやすい
・ある程度軽く感じるが安っぽさは感じない
・これだけ力が入っていて値段は約1.4万円ほどだった
欠点から言及すると、これは実銃の仕様がそのままエアガンでも出てる具合だ。
今から90年近く前に開発されたから、決してマルゼンが悪いわけじゃないのよ。
何より一番響くマイナスポイントは、生産終了しちゃってるのがね…。
対して良い点は、とにもかくにも外観へのこだわりがやはり半端じゃない。
加えて扱いやすさ…というより、握った感触がしっくりくるのもいいところ。
それなりに実用面と美しさを両立させて、吾輩が買ったときは約1.4万円くらいだった。
当時は現金セール品だったが、通常時でも1.5万円くらいで買えたんだよね。
かなり良心的な値段だったと思うよ。
それだけに、現在だと新品入手がほぼ絶望的なのが悲しい…。
というわけで、古い設計ゆえの厄介さは多少あるけど。
つくりは精巧かつ輝く銀色が眩しい、芸術品のようなワルサーP38だったね。
いや、あの正月セールで衝動買いしておいて本当に良かったよ…。
あの機会を逃していたら、吾輩も手に入らずじまいだったと思う。
余談 ブラックモデルなら今も流通してるが…