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XP-PENの液タブ(Innovator 16)をMac miniで使ってみた感触やレビュー

記事公開日:2021年3月22日
最終更新日:2025年11月14日

 

「ずっと気になっていた液タブというデバイスの使い心地…」。以前からデジタルお絵描きに興味があって、買うか迷っていたアイテム。

パソコンに繋いで使う、書き物作業に最適な液晶の薄いタブレット。これがまたマウス+キーボードとは全然違う使用感で驚き。

 

今回は購入当時XP-PENからプッシュされていた、”Innovator16″という液晶タブレットの使用感をレビューするよ。液タブってすげえな。

過去の製品なので現在は売られていないが、似たようなスペックの別製品があるのである程度参考情報になると思う。

 

XP-PEN製液タブをMacで

購入当初は吾輩もデジタルでイラストを描けるようになりたいなと思って、散々悩んだ挙句に購入を決めたのがXP-PENの液タブ製品。

国内液タブ大手のWacomに比べると、かなり安い値段に対してスペックが中々良好。初めての液タブにはちょうどいいものが多い。

これを自作PCのWindowsマシンに接続して、イラストソフトのCLIP STUDIOを使うという王道すぎるやり方でしばらく使っていたよ。

 

一時期の挫折を経て、非常にもったいないことにこの後出す液タブは当面の間You Tube再生用画面にしかなっていなかった。なんで買ったんだよって話。

なんというか、デジタルイラスト挫折者のあるある過ぎる話であり、もしかしたら同じ道を辿った人もドキッとした人が多いんじゃないだろうか。

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がしかし、更に数年後にMac miniを購入しパソコンを2台体制に。今度はそっちに液タブをつなげクリスタをインストールしなおし、無事に本来の目的へ復活したのだ。

現在やっていることは、AI生成したイラストの清書程度だがいずれは最初の目標通り、自力でゼロからイラストを生み出せるほどの技術を持てること。頑張ろう…。

スティッチ
はよLINEスタンプ作れぇ!

 

さてそれはさておき、今使っている液タブは”Innovator16″というもの。ここではそれのレビューをメインに、Macで使った使用感にも軽く触れていこうと思うよ。

デジタルイラスト初心者には十分すぎるほどのスペックを備えたもので、これで困ることは本当に少なかったほど。全てが完ぺきではないけど、愛用できる一品。

パソコンの書き物にどうぞ。

 

15周年記念セットを使う

XP-PENはもともと2005年に、日本で生まれたタブレットメーカー。現在は中国のUGEEという同業メーカーの傘下にある。そのため、いわゆる”中華液タブ”に分類されるのね。

ちなみに日本では、国内メーカー最大手のWacomの次にシェアを取ってるよ。現在でもまだまだWacomが強いが、XP-PENも徐々に勢力を拡大しているみたいだ。

 

さてさてXP-PENは様々なモデルがあるものの、その中でも通常仕様や時期によっては特別仕様に早変わりすることがよくある。

2021年当時に手に入れたこの”Innovator16″も、創業15周年記念モデルが別で用意されていた上に値段が通常版と全く同じという

専用パッケージと、各種アメニティがおまけでもらえるのでとってもお得なんだよね。なんだこの珍しい商法は…。

 

ほんじゃあさっそく、パッケージの外観から見るよ。15周年記念セットは水色をベースに、華やかな装いをしているね。この節目に、大きく今後を飛躍する意思が感じられる箱ですわ。

箱のサイズは予想より一回り大きい。そのため、箱を保管したい場合は十分なスペースを確保しないとちょっと大変カモ…。

 

裏面には製品の詳細スペックが。ざっくりしたタブレットの性能は以下の通り。

・解像度は1920×1080でフルHD
・画面は15.6インチ(液タブとしては真ん中くらいの大きさ)
・色域はsRGB125% AdobeRGB92% NTSC88%で比較的広め
・最大表示色は1,670万色でフルカラー相当
・筆圧感知レベルは8,192段階で十分
・バッテリーフリータイプのペンで60°までの傾きを検知

 

当時はこれがハイクラスに相当するスペックだった。現在基準で考えても、ミドルスペック帯には居られるほどの機能を備えているため、初心者には必要十分すぎる。

ちなみに今売られている製品に近いものだと、Artist 15.6 PRO V2が見た目的にもそっくり。もしかしたら筐体の形だけは流用したのかもしれないね。

 

箱を開けると一番上のトレイには、ビニールに包まれたタブレット本体。使う前の注意書きが書いてあるので、見落とさないようにね。もうこの時点でかっこよすぎて、ビクンビクンと失神しそうだわ。

 

タブレットが乗っかるトレイをどけると、各種付属品が収まってるよ。次の項で細かく見る。箱の中に入っているのはここまでだ。

 

必需品とおまけの付属品

まずタブレット本体以外から見るよ。これが無いと液タブの意味が無い、映像と電力を供給する3in1ケーブル。片方は液タブにつなげる端子で、もう片方は3本に分かれている。

分かれているほうはPCにつなぐ用で、HDMI・USB@2を装備。USBについては、赤色のほうが電源供給用で場合によってはコンセントいらずで映像が映せるという感じ。

これはありがたいと思っていたのだが、後述するパターンでは残念ながら供給量が足りなかった…。想定外とはこのこと。

 

こっちはコンセントにつなげるアダプタとケーブル。アダプタは日本用と海外用で分かれており、使う場所を選びにくい。豊富に用意してくれてる。

 

次も絶対に必要なスタイラスペンとペンホルダー。ホルダーは真っ黒の円筒で、頭がキャップ。外せば中からペンと、キャップ裏側には替え芯が8本。

ペンはメーカーロゴ入りで、ブラックのバッテリーフリータイプ。触った感じはとにかく恐ろしく軽く明らかに素の状態の、Apple Pencilより断然軽いし持ちやすい。

 

ペン本体。さすがに今の製品に比べると世代がちょい古い…とはいえ、問題なく使えることには変わりないので大丈夫。握りやすい。

 

ちなみに初代Apple Pencil(様々な装備付き)と比べるとこんなもん。若干アップルのほうが全長は大きめ。後は握るところにボタンがあるかどうかの違いも。

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付属のタブレットスタンドは、真っ黒でザラザラした質感のプラ製。これも液タブ本体と同じく、かなり軽くて薄いかな。

ただスタンドとしての性能はあまり良くなく、立てるか寝かせるかしかできない。そして強度もほんのちょっと不安が残る?。試しにiPadを乗せるとこんな風に横から見える。

 

なので元々iPad用に購入していた、がっちりのアルミスタンドがあったのでそれを液タブと併用しているよ。こっちのほうがやっぱりしっくりくる感じ。

Windows→Macに移った後も、変わらずにこのスタンドと液タブというセットにしており、圧倒的に安定感は抜群。無きゃ付属品を使えばいい程度かな。

 

そして中央の小さな箱には、各種おまけの付属品たちが。中身は2本指グローブや、特製ポストカードなど。最初に出した3in1USBケーブルも入ってたけど、個人的にうれしいのはXP-PENのボールペンだな。パッケージと同じく、さわやかな水色のおしゃれなペン。

ぱっと見パステルカラーの万年筆みたいで、美しいフォルム。もったいなくて使えない(笑)

 

本命の液晶タブレット

さてさて、本題のタブレットに移ろう。さっそく箱から取り出し、ビニールを剥がす。生まれたての姿がコレ。

 

表面は左のエクスプレスキーエリアがシルバーで、キーカラーはブラックというツートンカラー。そして右側の液晶画面は真っ黒。

 

そして裏側は一面ざらついた質感のシルバーでシンプルに中央下部だけ小さくメーカーのロゴ入り。さっき紹介した別のスタンドがあるので、本体にはスタンド機能が無い。

液タブは基本ブラック一色なんだけど、こいつは非常にスマートな印象。そしておしゃれでかっこよく、やぼったさが全然ないのが素晴らしい外見をお持ち。

 

画面表面にはあらかじめ、保護フィルムが最初から貼られているよ。追加でフィルムを買い足す必要は基本的に無いかな。さらにフルラミネーションディスプレイ付き。

ペン先と画面の視差が生じにくく、内部の描画位置と実際の描画位置に差が出にくい。

クタちゃん
フィルム付きは助かるクテャ。

 

外周は縦25.6cmの横が44.3cm。液晶画面の範囲はこれより1周り狭くなるで重さは1.6kgほど。そしてタブレットの厚みはたったの9mm。かなり薄めの筐体だね。

手に持った感触はペンと同じく、サイズに反してめっさ軽い。いや他の液タブ持ったことないから比較できんが、超絶軽い。見た目の大きさとは裏腹に、想像以上に軽い。

 

本体側面には左側のみ、端子と電源ボタンが。さっきの3in1ケーブルと接続しよう。L字型になってるので、ケーブルは奥か手前に伸びる形かな。

ただ注意なんだけど、手前にケーブルが伸びるように刺しちゃうと電源ボタンの邪魔になる。なので実質奥に伸ばすほうしかケーブルが機能しないぜ…。理想は差込口と電源ボタンの距離をもっと取ってほしかったかも。

ダッフィー
L字型だけでもありがたい。

 

本体表面の左列には、ご覧の通りエクスプレスキーが8つにホイール1つ。キーは場所によって、大きさが若干違うよ。ホイールは周りの銀部分がくるくるできる。

さらに中の黒い部分も、触りつつ円をなぞるようにすると同じ操作になるぜ。

 

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Macへのセット

この項は今までWindows基準のセッティングを書いてたけど、Macでのセットに書き直した。まずは普通に液タブとMacを接続…と言いたいところだけどちょっと工夫が必要。

今M4 Mac miniを使ってるんだが、本体にUSB-Type A端子が一切無いため、何らかの方法で増設する必要がある。HDMI端子は一つあるので大丈夫なんだけど…。

というわけで、黒のA端子はSSDエンクロージャーへ。赤い給電用のA端子はMac miniの給電能力が足りないため仕方なくコンセントプラグへ接続。こうしないと映らなかった。

ヴィーゼ
Macの省電力が仇となるね…。

 

これでひとまず液タブに映像が映せた後は、クリスタのインストールにすすむ。

 

吾輩はパッケージ版を買ったので、別途外付けの光学ドライブが必要。それをまたSSDエンクロージャーに接続しインストール。ただ調べてわかったんだけど、Macは本体内蔵のSSDにしかソフトをインストールさせてくれないんだね。その辺、Windowsより確実に不便。

吾輩のMacは内臓ストレージが256GBモデルなので、あんまり本体に入れたくないんだけどな…。どうもクリスタに限らないらしいが。

 

愚痴ってもしょうがないので、インストールを普通に済ませる。ただ、モニター間のウィンドウ移動がどうもうまくいかず、設定に四苦八苦した。こんな風に並べてる。

 

まず設定を見直したところ、液タブ側をメインディスプレイにしないとクリスタのウィンドウが何故か動かせなかったんだよ。なのでこの通りにいじってしまう。

 

そして次に有料アプリのMagnetを使うんだけど、こいつはモニター同士のウインドウ移動をやりやすくしてくれるもの。アプリを起動後、メニューの該当箇所をクリック。

画像だとグレーアウトしてるけど、動かしたいウィンドウをクリックして活動状態にしてると赤丸のところが選べるようになるよ。英語だけど簡単なので誰でもわかる。

一応、クリスタのウィンドウをPrevious Displayに指定してあげて。

 

すると最終的には写真の通り、何とかクリスタが液タブのほうへ移動してくれた…。ううむ、正直Windowsより初期設定の調整が少々面倒だった感じが強いな。

 

実際の書き味

描いた感触としては、初心者としての視点だけどある程度摩擦がある硬い板にペンを走らせている感じ。紙に書いてるとは言えないけど、それっぽく感じられるのはマジ。

というかタブレットの画面で絵を描ける、この驚きっぷりはまず一回体験してみないとわからないよね。ペンの音はサラサラサラという、擦れた気持ちいい音が耳に運ばれる。

 

まぁ貼ってあるフィルムに大きく影響されると思うんだが、ガラスフィルムを貼ったiPadに比べると断然こちらの方が書きやすい。そしてフィルム自体が傷つきやすいかな。

傷に関しては直接ペンで描いてる以上、避けられない問題ではある。とはいえ、本体のガラス面が傷つくわけじゃないので心配する必要は全く無し。してもしょうがない。

 

筆圧レベルに関しても、8192段階というすでに細かいレベルが搭載されているため、アマチュアクリエイターくらいまでなら全然通用すると思う。スペック高し。

ガチプロでも古い機材を使っている人だったら、これと同じくらいのものを使っている可能性が高いため、やっぱり何ら問題はない。最新だとこの2倍だけど。

吾輩程度であればそんなに必要も無いので、機能としてはあまりにも十分。

クロミちゃん
凄まじいわネ。

 

その反面、気になったのはベゼルの太さとエクスプレスキーの必要性。まずベゼルについてはさっきの写真どおり、かなり太め。思ったよりも液晶の範囲がそう広く感じないのがネックなんだよね。

まだまだ液タブ界隈については、いろんな事情があるのかもしれないけどベゼルレスっていう概念が薄いのかもね。手で覆っちゃうからか?。どうなのかわかんないけど。

 

あと個人的に、何か左手デバイスを併用するのであれば液タブ本体のエクスプレスキーは正直必要ないかも…。吾輩は小さいキーボードをそれ代わりに使うので、まさに必要性の有無が顕著に見える。

最初こそエクスプレスキーは使ってたけど、キーボード併用後は全く触らなくなっちゃった。この分の筐体スペースが無駄になってるので、何とも言えないところだ。

タート
あっちが立てばこちらは立たんね。

 

今回はここまで。最後のデメリットについては人によっては気にならないかもしれない。普通にお絵描きするのであれば、全然無視できる話なので気にしなくていいでしょう。

XP-PENは液タブ界隈の中でも高コスパ。まぁ液タブという商品自体がまずまず高いので、普通のPCモニターとかとスペックを比べるのは中々難しいかもね(笑)

 

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