「ファイドウで言われるサイドキックとかが上手くいかない!」
足を使って仮想の敵を蹴り飛ばすキックだが、キレよく動くにはコツがいる。
片足立ちになるから、バランスを取りながらだとちょっぴり大変だ。
今回はそんな参加者さんと同じく、吾輩も慣れるまでは苦労したキックについて。
数年かけてじっくりノウハウをため込んだので、そのコツを紹介するよ。
脚がメインなので、高い位置に届かせるにはいかに動かすか…。
に注目しがちだが、手や上半身の動き方こそ実は意外と大事なもの。
ここをしっかり押さえておくと、片足立ちでのキックもきれいに決まりやすいよ。
ファイドウのキック パンチと対をなす存在
みなさんご存じのとおり、ファイドウはフィットネスプログラムの一種。
スタジオ内でBGMに合わせながら、みんなで動くレッスンだ。
内容は一言で表すと、ボクシング系エクササイズと言える。
パンチやアッパーを織り交ぜつつ、キックでの攻撃も一緒にセット。
これらをいくつものパターンで組み合わせながら、思い切り汗を掻ける。
脚での攻撃は、腕よりも力が込めやすいぶん勢いがかなりつく。
振り抜きのスピード、蹴り飛ばす位置が思いのほか高く行けたり。
ただし無理をすると、股関節や膝・足首などを痛める可能性もあるんだよね。
だからむやみやたらに、勢いだけでごまかそうとすると却って危ない。
危険性も少なく、キレイにキックを決めるコツが色々あるのね。
前回は主に腕や上半身を見てきたが、ここでは下半身の動きをきっちり見よう。
よく出てくるサイドキックや回し蹴りなど、似ているようで全然違うから。
キックは特に、片足を振り上げる分もう片足に全体重がかかる。
短時間とはいえ、足一本で体のバランスを取らないといけない。
これ、もちろん体幹のブレが少なければ少ないほどいいんだけど…。
意外と足のみで体を支えるのが難しいので、上半身も上手く使ってあげるべし。
決してキックだからと言って、腕や胴体の動きが適当と言うわけにはいかないのよ。
逆にそこまで意識できてれば、非常に美しいキックを繰り出せるようになるぜ。
美しいキックは体のシルエット全体がバチっと決まる
パンチを繰り出すときをイメージしてみてほしい。
勢いをつけて、前にしっかり伸びる腕は上半身を少しねじる必要がある。
しかし下半身は、せいぜい後ろ側の脚のかかとをちょっと上げるくらい。
まぁここもめちゃくちゃ大事だが、動きを外から見ていると非常に小さい。
なので、体全体としてみるとどうしてもおまけ感が否めないのだ。
対してキックは足が最重要だが、それを構成するのは体がしっかりついてくる必要がある。
思い切り蹴り上げる時は、足が行く方向とは逆に上半身を下げて高度を出したりな。
ああいうイメージで、蹴りって結構胴体や腕にも気配りをする必要があるんだよ。
言葉だけだと伝わりづらいかもだが、実際に上段蹴りをしようとするとよくわかるはず。
さらに腕もだらんとしていると、キックの勢いを逆に殺してしまう。
つまり腕の反動も一緒に利用しないと、威力が出ないしキレイに前へ出せないんだよ。
大体のキックに共通する、けっこうでっかいコツなのよね。
動きに慣れて、インストラクターの話を聞いていれば段々理解できると思う。
最初のうちは気にしなくていいけどね。
キックする前に念のため確認したいこと
さてさて、大まかな話が済んだのでここからはどんどん細かい部分へ言及しよう。
得に慣れてない人は、一応動く前に先に確認しておいてほしいことがある。
冒頭と重複する部分もあるけど、今一度何に気を付けるべきか見といてね。
そもそも振り自体がわからないと、コツもへったくれもあったもんじゃない。
まずはよくあるパターンの動きを真似して、体にしみこませることから始めよう
土台を作らないとこれ以降の話が全て無駄になっちゃうので。
必ずその日の自分の体調に合わせて、足を上げる高さを決めておこう。
特に調子が悪い日に足を無理に上げると、体勢のバランスをかなり崩しやすくなる。
その上、下手すると股関節やひざにダメージを負わせかねない。
高度は慣れるまで問わないので、確実に上げられる高さから挑戦しよう
ファイドウのキックは前後左右4方向に足が出る。
スタジオレッスンと言うこともあり、周りにほかの参加者がいるはずだ。
蹴りを当てちゃうととんでもない事故につながるので、目視は絶対に忘れないこと。
特に後ろ蹴りをするときが一番危ないよ。
最も基本なフロントキック 足裏で押す
一番オーソドックスと言えるフロントキックから行こうか。
フロント=前方を蹴る動作だね。
動きを覚えてきたら、多分このキックが一番簡単だからここから意識してみよう。
以下のポイントが頭に入ってきたら、上中下と高さを変えてみるのもおすすめだ。
・つま先で蹴るというより足裏でドアを蹴とばすイメージ
・蹴った直後は膝を動かさずに足を折りたたみ、たたみ切ったら両足で着地
・反対の足は片足立ちになるので、少し膝を曲げるとバランスがとりやすい
・上半身は少しだけ背中を丸めつつ、両腕でしっかりガード
・キック中は体の重心を若干後ろにするとベスト
サイドキック 腕を伸ばしつつ上半身をある程度きっちり倒す
基本その2の蹴りであるサイドキック。
自分の左右にいる敵へ、体の向きは正面にしたまま蹴ってみよう。
ここも慣れてきたら、上中下段と高さを変えるとよりかっこいい。
・蹴る側の脚は自分の胴体まで膝を上げる
・そのまま膝を伸ばしつつ、側面方向に足裏で押すように蹴る
・蹴っている最中は最初に作った両腕の姿勢を絶対に崩さない
・足を伸ばしたと同時に、上半身は斜め反対側へ倒す
・蹴った直後はまたさっきの膝位置まで足を折りたたむ
・折りたたみつつ、小ジャンプを入れて肩幅より若干広めの立ち姿勢に戻す
後ろ蹴り これは中段くらいの高さまでで大丈夫
次は後ろに蹴りを繰り出す後ろ蹴り。
さっきも言ったが、最も周りの人を蹴りやすいので目視は絶対に忘れるな。
最も脚を高く上げにくいので、これはできても中段くらいまでの高さが妥当。
無理に上げようとすると、一番バランスを崩しやすいので気を付けてね。
・上半身を前に倒しながら、足裏で相手を蹴り押すイメージ。
・膝と脚の動きは、方向が違う以外はサイドキックとほぼ同じ
・両腕は前に倒した上半身をガードする
回し蹴り 横から鎌を刺すように脚が流れる
次は回し蹴りについてだ。
別名”ラウンドハウス”とも呼ばれる。
というより、大体カタカナのほうで聞くパターンが圧倒的に多い。
サイドキックと上半身だけは共通している箇所がある。
ただ、足の動かし方や部位の当て方が全然違うのでよく確認してくれな。
・脚は一度両方ともピッタリくっつける。
・胴体は側面を向かせるが顔の向きは正面のまま
・そこから膝を胴体前まで上げて、円の外周をなぞるように蹴りを繰り出す
・この時相手を狙っている箇所に、足の甲を当てるイメージ
・蹴り終わったらすぐ膝までたたみ、一歩後ろにステップを踏むようにタタンっと着地。
・回し蹴りは最も股関節に衝撃を与えやすいため、無理して高い位置を狙いすぎないように
タイキック 相手のすねをつま先で突き刺す
最後の蹴りはタイキックだ。
年末のガキ使でよくメンバーが食らうあのタイキックだね。
あれと似てはいるが、ファイドウのタイキックは狙う位置がお尻ではなく脛だ。
自分のつま先を使い、脛に穴をあけるかの如く鋭いキックをくらわせてやれ!
・蹴る側の脚を腰くらいまで振り上げて、斜め下に向かってつま先を突きさす
・この際、反対の脚で膝のクッションを少し使って反動を作ってあげるとよろし
・腕は自然と体に振られるようにすれば大丈夫。姿勢を作る必要はない。
・蹴った直後は再度、反対脚のクッションを使って反動を使いつつ両足で着地
他にも形式の違うキックはあるが、大体ファイドウで頻出なのは以上の通り。
前方にジャンプしながらのキックとかは、曲の締めで使ったりするけどね。
基本の型をマスターしてから色々試してみるのが一番無難だ。
これであなたも立派なキックボクサー
パンチに比べて動きのバリエーションが少ないため、振り付けは覚えやすいはず。
しかしその分、手と足同時に意識する必要が多くなるのでキック一つでも奥深いのだ。
一度に意識する箇所がパンチに比べてたくさんある分、きれいに動くのがより難しい。
しかし、ここが上手くできると非常に足がすらっとしたキックボクサーに見えるよ。
めちゃくちゃかっこよく動けるようになるので、頑張ってコツをつかんでほしい!
すらっと伸びた足から放たれる、美しく正確なキックはまさに見るものを魅了する…。
そんな強き格闘家の気分を、ぜひとも味わってみれくれな。
今回はここまで。
できればイラストとか使えると、より分かりやすくなるんだけどね…。
中々そうもいかないので、文章だけで伝わるかどうかが少し心配。
ちなみにファイドウに関しての記事だったけど、別のボクシングエクササイズでも通用する。
なので、似たようなプログラムに参加している方はぜひじっくりご一読を!
己の足で相手の顔面を砕いてみろ!