「絶体絶命都市シリーズ、1~4まで出てるけどやってみたい」
災害を題材にしたアクションゲームという、中々珍しいカテゴリの本シリーズ。
俺も大体プレイしておりシリアスと共にバカゲーとして愛される。
そこで今回、このシリーズについて全体を紹介するよ。
このうえでどれが一番やるのにお勧めできるかお教えしよう。
プレイすると製作会社の悪ノリがいっぱい見られるぞ!
迫りくる災害から脱出せよ 絶体絶命都市
1~3まではアイレムソフトウェアエンジニアリング開発。
4のみグランゼーラが開発。
この絶体絶命都市シリーズ、全ての作品において現実の災害をテーマにしている。
それをアクションゲーム兼災害シミュレーターとして落とし込んだ作品。
作品中に起きる災害は、地震・津波・崩落とリアル世界でも起きることばかり。
大体地震がキーとなって、色んな災害が連鎖するんだけどね。
全作品共通で、主人公は特別な能力も経験も持たないただの一般人。
恐らくアイレム製の有名ゲーム「スぺランカー」をセルフオマージュしているのだろう。
建物の崩落や火災に巻き込まれれば一発で死んでしまう。
よくよく考えれば超人じみたところもあり、ツッコみたくなるけどゲームなのでご愛敬。
災害から逃げる設定なので、精神を蝕まれた人間の醜い一面が垣間見れる。
そうなった人間は余裕が無くなるリアリティで、ちょっとシリアスな雰囲気が流れやすい。
ただそのシーンとした雰囲気をぶち壊すようなふざけたセリフが有名で、バカゲーとの評価が。
そこがプレイヤーのツボにはまり、意外な面白さを発揮してくれる。
この絶体絶命都市シリーズを未プレイの人におすすめしたい。
もしやるならどの作品をやったほうがいいか、ざっと全体を解説するよ。
色んな理由で最新作以外のパッケージ版は入手が難しい。
しかし現代には便利なDL版があるので、プレイ自体は難しくないからぜひやって欲しい。
作品ごとの簡単な概要
各作品のあらすじ+ちょっとした感想を順次説明するよ。
それを踏まえて、どの順番でお勧めしたいかを書いていくぞ。
シリーズ物で全ての作品は同じ世界線だけど…。
話自体は作品ごとに独立しており、過去作の要素はおまけ程度なので気にするな。
知ってたらにやにや出来る程度のモノよ。
絶体絶命都市(初代)
2002年4月にPS2用ソフトとして発売。
シリーズの伝統を作った記念すべき一作目。
あらすじはざっくりいうと、海に浮かぶ人工の島があった。
そこに政府の機能を集約させようとしたプロジェクトにより、「首都島」と呼ばれるようになる。
主人公の男性は新聞記者で、この島へ転勤となったため海上の電車で島へ向かっていった。
乗っている途中で相当大きな自信に巻き込まれ、意識を失ってしまう。
傾いた電車、崩れた鉄橋は完全に来た方向から寸断されてしまった。
そのため脱出すべく、徒歩で首都島へ向かうことになる…。
というのが始まり。
途中で出会うヒロイン2名や、別の仲間と無事にダッシュできるように街を奔走するのだ。
このうちの片方のヒロインはゲームのレギュラーキャラに昇格する。
無印は雰囲気自体は殆ど人が逃げ出した後の、崩落した街をさまよい歩くもの。
新聞記者として上司を助けたり、ヒロインと共同しあいながら先に進んだり…。
もちろん途中で地震は当然のように、更に建物にいれば上からモノが降ってくるなどあたり前。
当たれば一撃死の部分が多く、中々災害時の町を恐ろしく表現しているよね。
後の作品と大きく違うのは主に2つ。
まだ本シリーズ名物であるおふざけ選択肢が少なかったこと。
アイレムもシリーズ処女作だったからか、この辺の要素はまだおとなしめであった。
道中の選択肢も2択であることが多く、まじめだったり現実味のあるセリフで占められている。
かといっても全く無いわけではなく「そんなことよりおなかが空いたよ」は有名だろう。
まぁ食欲には抗えないからね。
2つ目は災害から逃げるのが主体だった前半に変わり、後半は謎の組織に追われる展開になる。
ネタバレしない程度に書くと、黒幕の人物率いる組織から知ってはならないことを知ってしまう。
そのために途中から口封じのために主人公たちは命を狙われ続ける展開がある。
まさかのメタルギアソリッドのごとく、かくれんぼをやることになるのが難点か。
後半は災害というコンセプトがぶれてしまっているが…。
お勧め度としては2位かな。
展開が途中から少々おかしくなるが、致命的なバグ等も無くしっかり遊べる。
選択肢のことを抜きにすると一番災害ゲームとしては頑張っていると思う。
ゲームで災害っぽさを味わうなら本作が一番いいかも。
俺はお兄様がPS2版を持ってたので、借りて実際にプレイしてるよ。
余談だが一部のエンディングは「マジかよ…」と思う展開がありますよ。

絶体絶命都市2 -凍てついた記憶たち-
2006年3月にアイレムからPS2用ソフトとして発売。
初代が人工島からの脱出に対し、今作では水没する扇状地の町からの脱出だ。
あらすじは前作の首都島が崩壊してしばらく経った後。
都市開発が盛んだったころ、舞台となる架空の町「富阪市」も同じように栄える。
北と東と西を山に囲まれ、南が海に面した扇状地の町。
ある年のクリスマス、開発を祝う祝賀会が開催された。
その日は季節外れの大雨が降っていたが、この雨が後にとんでもない水害を生み出す…。
というのが物語の始まり。
今作は主人公が複数人操作できる、オムニバス形式でストーリーが進む。
面白いことにある主人公が起こした行動は、別の主人公に影響があるシステムとなっている。
例えばAが障害物を避けたら、Bはその影響で逃げ道が無くなってしまったなんてこととか。
これも後述するおふざけ要素に繋がってくるんだけどね。
冬+水害ということで、地震よりも寒さのほうが大敵となる。
相変わらず一発死の要素も多いが、回復アイテムをケチると寒さで行き倒れることも増える。
更に前作から進化した点として、ある程度まだ街中に人が残っている描写が増えたこと。
主要人物や脇役以外のエキストラに当たる人も、ちらほら現れておりよりリアリティが増す。
前作は到着した時点で殆ど逃げ遅れた人が居なかったからね。
後はエンディングが柔軟な変化に対応した内容になったことか。
シナリオ終了後にそのキャラの回想が文章で流れる仕様に。
文章は主人公が取った行動や選択肢で内容が変わっていく。
大筋は同じエンディングだが、細かいところが微妙に違うことが増えてくる。
真面目なら真面目、ネタならネタっぽい回想になるよ。
そして最大のポイントが、アイレムの暴走っぷりがいかんなく発揮された選択肢たち。
全てのシナリオにおいて大幅に選択肢の数が増えた。
多い時では平気で7~8個とか選べるくらい、やたらとバリエーションが豊富。
中でも上の選択肢は真面目だが、下に行くほどどんどんふざけっぷりが加速していく。
特に有名なのは最も短いシナリオだがカオスな「女子高生編」だろう。
You Tubeで検索すればすぐに出てくるが、かなり捧腹絶倒な内容なのでぜひ見てほしい。
いや実際にプレイしてほしい。

悪いところは非常に処理落ちが多く、もっさりした挙動でストレスが溜まる。
水が大量に流れる描写は負荷がかかるのかめちゃくちゃ動きが遅くなる。
それこそ同じPS2ソフトの「真・三國無双」とかと同レベルのもっさりさ。
FPS値を計ったことが無いから何とも言えないが、多分10とか平気で行ってると思う。
他にもいろいろあるが、長くなるので割愛。
お勧め度はシリーズ中文句なしで1位。
ネタ選択肢をシリーズ中に確立させた、ターニングポイント的作品。
このソフトの面白さの大部分はアクションじゃなくまさかのここっていうね。
いや、アクション部分もちゃんと作り込まれてはいるけどね?
選択肢の印象があまりにも強すぎるのが本作の特徴。
こちらもPS2版をお兄様が持っており、俺もプレイしたことがある。
あれは中々忘れられないなぁ…。

絶体絶命都市3 -壊れゆく街と彼女の歌-
2009年4月にPSP用ソフトとして発売。
据え置きから一転、プラットフォームを携帯機に移した作品。
あらすじは初代と似ており、海に浮かぶ都市の「セントラルアイランド」が舞台。
主人公が男女から選べ、どちらもこの都市にある大学に通うことになったのだ。
都市へ向かうバスは地価のトンネルに入った時、大地震に見舞われることに。
トンネルから脱出した主人公が見た街の光景とは…?
というのが流れ。
こちらはやはり初代を意識したのか、地震によって崩壊する都市からの脱出を図る。
途中で2人のヒロインと出会うがこれが本作の最大要素。
最初に会うほうはシンガーソングライターの女性。
作品テーマの主題歌を歌ったり、有名声優が声を充てるなどかなり豪華。
(歌は飯田 舞氏・CVは生天目 仁美氏が担当)
二人目は女子高生だが、女性主人公を選んだ場合とんでもない展開に…。
スタッフの悪ノリが極まる展開が用意されている。
もちろん2から続くネタ選択肢も相変わらず豊富。
あちらほど有名でもないが、最初から最後まで笑わせてくれるところは抜かりない。
とりあえず叫んでおこう。
「わたち、3ちゃい~」

ただしPSPが影響したのか、色々と粗削りすぎる部分が目立つゲームに。
単純にボリュームが減り、グラフィックがPSPを考慮してもあまりよろしくない。
最も致命的なのは進行不能バグが結構な確率で起きてしまうこと。
途中でスーパーに入り食料を取ってくる展開があるが、マップを移動すると…。
マップのロード中、高確率でPSPがフリーズしたのちに強制終了という。
ハマると頻発するので非常にうっとうしいバグとして語り継がれる。
発売当時はこれが非常に凶悪だった。
その他のバグもかなり多く、問題視される一因に。
お勧め度は3位だな。
ネタ選択肢の系譜を受けついでおり、面白さはあるにはある。
しかし凶悪すぎるバグが多いのでそこががくんとマイナスポイント。
これについては実際の製品を持っており、当時一生懸命プレイしてたが…。
スーパーのバグは俺も被害を喰らって進行不能になったことがある。
シリーズ中では最もバグが頻発する作品だったかな。

絶体絶命都市4Plus -Summer Mories-
2018年12月にPS4用ソフトとして販売。
ここからアイレムが開発ではなく、グランゼーラが開発に変わった。
発売まで険しい道のりのタイトルだが詳細は割愛。
もうすでに長くなってしまうので。
あらすじは1・3と似た感じ。
海ではなく架空の都市にバスでやってきた主人公。
突然巨大地震に見舞われ、変わり果てた街の中で彷徨う…。
といういつもの流れ的な感じ。
特徴としてはやはりPS4になって、グラフィックが超強化された点だな。
崩落した街の様子、水の反射などがリアルになっているしキャラの造形もしっかりしてる。
さすがに現在の最新ゲーム機に合わせただけのことはある。
おかげで被災地の状況を今まで以上にゲーム内でわかりやすくなり、衝撃が多い。
というか今までのグラフィックがお粗末すぎただけなのかもしれない。
そして3の主題歌を担当した飯田 舞氏もやっぱり今作の主題歌を歌う。
グランゼーラもかなり力を入れており、ここの完成度はかなり高いのは約束された!
安定のムービーはゲーム内グラフィックより更に綺麗で、大変素晴らしいね。

しかしそれを上回る勢いでマイナスポイントが多い問題作でもある。
かなり多くなってしまうので一部だけかいつまもう。
まずはやっぱりバグが多いことが挙げられる。
前作は一部の個所で進行不能になりやすかったが…。
今作は全てのシーンにおいて、アプリケーションエラーで強制終了が頻発。
加えてトロフィー取得条件を満たしたのに入手できないこともザラだ。
バグの広がる範囲が格段に増えてしまい、進めるだけでも余計苦労する。
そしてもっとも厄介なのが、シナリオの展開が酷すぎること。
話が破たん…というか純粋に胸糞展開にしかならないのはさすがにどうかと。
確かに被災地だし明るい話題を出し続けるのは違和感あるかもしれないけどさ。
純粋に見てていくらなんでもこれはないだろという展開にしかならない。
細かいことは省くが、人の尊厳を踏みにじりすぎと思われても仕方ないと思う。
お勧め度はぶっちぎりの最下位。
4だけ俺は未プレイだが、ざっとプレイ動画は視聴済み。
因みにお兄様は製品版をプレイしており、作品の惨状を直に耳にしておりました。
その後にプレイ動画をサラッと見たがこれは酷いなという感想しか出なかった。
このシリーズが好きな人にとっては、まさに絶望一色に染まるような出来栄え。
プレイは全くお勧めできません。

シリーズ未経験者は1あるいは2をプレイすべし
とまぁこんな感じで各作品をご紹介してきたよ。
全体的に完成度が超高いゲームではないので、ちょっと人を選ぶかもしれない。
とりあえずシリーズ未経験者にプレイしてほしいのは以下の順番の通り。
②絶体絶命都市
③絶体絶命都市3 -壊れゆく街と彼女の歌-
④絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-
2が一番おすすめ。
4については本当にプレイする覚悟が出来た時にやりましょう。
決して最初から選んではならない。
ぶっちゃけプレイ動画視聴で十分だと思う。
2が一番アイレムっぽさが出てるし、初めにプレイするならぜひ2から。
念のため話の時系列を気にするならば初代からでもいいかな。
プレイする時の検討材料にしてほしいぜ。
今回はここまで。
懐かしいなぁ、PS2版はリアルタイムでお兄様のプレイを横で見てたからな…。
当分経った後に借りてプレイしたけど妙に面白かったのを覚えている。
正し4、てめーだけはダメだ。
呼ぶならお姉さまじゃなくって?