記事公開日:2021年6月2日
最終更新日:2025年4月22日
「やっぱり楽しく暮らせる世界が一番?」。今までの話とは変わり、明るい印象が増えてくるのがこの物語である。
今回はArcaeaのサイドストーリーである、”Crimson Solace”のお話前半を読んでいこう。
陽の光を浴びれる幸せを。
Arcaeaストーリー Crimson Solace①
前回はサヤが主役を務める、”Absolute Reason”の話を読んできた。彼女もまた、この世界に生きる人間の一人。
Arcaeaの謎を解き明かすべく、外の世界を知る探究心を持って様々なことを考え出してきた。
それこそ白く残酷な世界で目覚めた、たった一人の人間としての責務として、すべてを投げうったとしても。
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さてキャラクターは変わり、今回からのメインターゲットは”紅(こう)”ちゃん。オリキャラでもあり古参勢の一人。
ピンクと赤のイメージカラーを持つ女の子で、可愛らしい笑顔をいつも浮かべている本作の癒やし枠ともいえるかな。
幸せになろうよ!
夜が無い世界
https://arcaea.lowiro.com/ja
ここのお話も第一部第一章に属するところで、チャート上ではマップ下に位置する。
紅ちゃんのステータス的には、全体的にバランスよく育ち、欠片集めが得意なスキルを併せ持つキャラだね。
欠片稼ぎにはベストというわけじゃないが、高効率を誇るので持っておいて損はない。
4-1
ある少女(紅)が夜のない世界「Arcaea」で目覚め、80日、7ヶ月、そして1年近くも昼の光が続く中で生活している物語。
彼女は古びた砂浜沿いの家屋を住処と使う。そこは孤島にあるものの周囲には海はなく、白く巨大な柱を並べる平原が広がる。
少女は毎日、まぶしい光の中で目覚め、「誰か明かりを落として」とつぶやきながらも、新たな一日を始める準備をした。
この世界で紅は透明な板を呼び寄せ、乗って移動することができる。更に家の壁や窓を自由に動かし、様々な建造物も作れる。
彼女が目覚めてからの数日間は、Arcaeaの世界を思うままに変えることが簡単だったようだ。
紅の記憶は白紙のようにまっさらですが、変わらないものが2つある。彼女の心と輝き続ける空。
ある日、彼女は下方の水が果てた海底で何かが煌めいているのに気づき、微かに笑う。
紅ちゃんは最初からArcaeaの世界で目覚め、あまり深いことは考えず好き勝手楽しく暮らしているのがよく伝わる。
周りの光景はまさしく、光ちゃんや対立ちゃんが見てきたものと似ていると思うけど、暗い影を落としていないと安心する。
やっぱり目覚める前の記憶こそ無いものの、今までのお話と違って悲壮感は全く感じないから箸休め的にはピッタリ。

4-2
紅は記憶の硝片を操れるが、干渉できる範囲が限られる。硝片は彼女に寄り付かず、閲覧や散策程度しかできないようだ。
彼女は透明の板から飛び降り、落下する前に右腕を伸ばして拠点のベッドから毛布を呼び寄せ、それらを身に纏う。
次に豪奢だが色味に欠けた肘掛け椅子を呼び寄せ、身を委ねた。そのまま浮かび、遠くのビル群を眺めながら過ごす一日に満足する。
しかし彼女の思考は次第に世界の規模や、自分がこれまでに見てきたのは全体の何割なのかという疑問に向かい始める。
世界は広大で新旧のものが混在しており、おそらく自分のためだけに用意された世界ではないと感じているようだ。
空を見上げながら、紅は世界の反対側には星々が輝いているかもと考える。そこには別の人が、まだ見ぬ陽の光を望んでいるのか。
紅ちゃんも記憶の硝片を操る能力があり、中身を見られるのは他のオリキャラたちと同様の能力。誰かの過去や未来が見えるんだろう。
ただやっぱり、思うことはありこのArcaea世界のことを知りたいようだ。まぁ、今いる場所がよくわからないわけだからそりゃそうか。

4-3
紅は空飛ぶ肘掛け椅子に座りながら、空の上に太陽があるのかどうか考え始める。もし太陽があるなら、なぜ均等に光が散らばっている?
常に前向きな彼女は、上に登ることを思いつく。椅子から立ち上がり、飛び降りた後に柱から突き出た鉄棒をつかみ、空中で浮遊し始める。
太陽に到達するために梯子が必要だと考え、眼下の家を崩し始めた。そこから素材を集め、細かく分解して一つの形へと組み上げていく。
しかし紅は建築の専門家ではないので、出来上がった塔はおんぼろで奇妙かつ鋭角的なものだった。加えてここは、限られた資源しか無い。
すべての材料を使っても、1キロすら満たない高さの塔だけが残り、不満を浮かべた。彼女は更に何かを引き寄せようとするが、何もおきない。
この少女は決して神ではないのだから。
今度は空の上に浮かぶ太陽に興味を惹かれた紅ちゃんは、試しに近づいてみようとする。
ここに迫れば、光の拡散の仕方が知れるようになるからということだが、なんというか「バベルの塔」のエピソードに近い。
荒唐無稽な挑戦は、まさしく神の頂きに到達したいという人間の思いでもあり、紅ちゃんも意図は違えど同じことをしてるからね。
まぁ人間の傲慢さでは無いと思うけど。

4-4
紅は上に昇るための計画を変更し、塔の代わりに螺旋階段を作ることにした。5時間かけて変な外観だが、実用的な螺旋階段を作り上げる。
彼女は階段を一段ずつ登り始め、登るたびに最下層の段を最上部へと移動させる方法で、永遠に構築と解体を続ける階段を駆使した。
霧の層を抜け、高度を上げていく。途中で椅子に座って休憩したり、明るい夜の中で眠ったりしながら、約4日間かけて登り続けたら…。
ようやく”天国”が見えたが、そこにあるのは分厚い雲の壁だった。この雲によって上へ行けなくなったけど、最上部で応急の土台を作り始める。
そこに乗りながら雲に向かって手を伸ばすが、白い壁は紅の接触を拒む。どうしようもないと落胆を浮かべた瞬間、目になにか映る。
どうやら20個以上の硝片が、彼女に向かって接近してきたようだ。これを見て、紅は自分の縁に記憶のある欠片を見つけた気がした。
手を変えて太陽に近づく方法を思いついた紅ちゃんは、どんどん空の上に登っていくが、雲の壁に阻まれてしまった。
あと一歩なのに、悔しい思いをしているんだけどやはりその思いに気づいて、記憶の硝片が何かをまたしてくれそうな予感。
無事にたどり着いてほしい。

終わりのない一日の繰り返し
本パックの物語前半は以上だけど、紅ちゃんの見た目も相まって非常に穏やかなお話。
どの立ち絵でも必ず笑顔を浮かべるから、お転婆で可愛い令嬢という雰囲気が非常に似合う。
その見た目に違わぬ、前向きな性格は荒みきったArcaea世界の清涼剤。読んでて安心するよ。
明るい元気な娘っ子!
今回はここまで。次回は同パック後半の物語を読んでいこう。今のところ、優しい話で進む。
最後まで紅ちゃんは、その状態でいけるか?