「2018年3月から複々線化によるダイヤ改正を行います。」
その鉄道は神奈川の小田原~東京の新宿間を結ぶ私鉄。
小田急線である。
この路線、吾輩も通勤時に使うのだがとにかく混雑具合が酷い路線の一つ。
そのため全線複々線化による輸送力のアップはかなり期待できるよね。
小田急ユーザーなら願ったりかなったりだ。
そこで複々線化した後しばらく乗ってみた実感を今回は語ろう。
効果が無いわけじゃないが、思ったより期待できなかったのが本音。
まぁなんとなくわかってはいたんだけど…。
小田急が複々線化したけどやっぱ混雑してるよね
小田急線。
東京の新宿~神奈川の小田原間を結ぶ大きな私鉄。
銀色・クリーム色のボディに青いラインが入った車両が特徴的。
新幹線の亜種のような存在である、ロマンスカーもこれまた有名だ。
特に神奈川県民が東京に出るために使う、非常に重要な路線と言えるね。
そんな役割を果たしているもんだから、利用客は昔から今にかけてめちゃくちゃ多い。
それこそ朝の通勤、夕方の退勤時には猛烈なラッシュとなって乗客が押し寄せる。
あっという間に満員電車の出来上がりとなるのだよ…。
あまりにも輸送力に対して乗客が多すぎるからか、小田急はあれこれ解消策を施してきたんだ。
その中の一つとして複々線化事業をずっと行ってきている。
簡単にいうと、上り下りともに1本ずつしか線路が無かったのをそれぞれ2本ずつにする。
すると単純に走れる車両数が前の2倍になるという代物。
歴史は中々古く、公式HPによると1964年からこれに着手していた模様。
そして来る2018年の3月に、予定されていた複々線の全工事が完了したのだ。
実に50年近く、ずーっと工事をしていたんだね。

我輩はこの小田急沿線沿いに住んでおり、とても身近な鉄道の一つだったよ。
高校生のころから電車通学になったので、その時から本格的に利用し始めてたかな。
幸い高校時代はラッシュ時に下り方面の電車に乗ってたので、あまり苦労した記憶はない。
大学時代は小田急じゃなく、別の路線を使ってたからちょっと話が違う。
まぁその時もかなり混んでたけどね。
真に小田急が吾輩に牙を剥き始めたのは就職後。
ラッシュ時登り方面(新宿行)に乗らないといけないので、尋常じゃない混み具合の聖地へ。
就職してから1年後に複々線化したので、新旧時代をある程度知っているのよ。
その観点からどんなもんか語っていきたいが、正直なところ大して変わってない。
所要時間は少し減ったけど、結局ぎゅうぎゅう詰めには変わらなかった…。
あんまり期待はしてなかったけどやっぱりかって感じ。
まだキャパ越え 輸送量を増やしても客が溢れすぎ
まったくもって当たり前な話なんだけど…。
以前に比べて、運行本数増に所要時間減となれば便利になるよね。
つーことは、その利便性を求めて更に乗客が集まりやすいわけだ。
より使い勝手が良くなったから、使う人がもっと増えてしまった。
だから需要が横ばいどころかさらに増える一方で、輸送力が結局追い付いていない。
すなわち満員電車の解消には、あまり効果を及ぼさなかったというワケ。
全てが意味なかったわけではないけど、微々たる効果でプラマイゼロと言っていいくらいだ。
あっさりと小田急ユーザーの希望は打ち砕かれてしまった。
元々期待していたかと言われると、ぶっちゃけ懐疑的な目では見ていたけど…。
やっぱり心の奥底では、「もしかしたら…。」という淡い期待を抱きたくなるだろ!


変わる前は急行も各駅停車もギッチギチ 一本送らせてもほぼ無駄
普段吾輩は、登り方面(新宿)へ向かう快速急行という区分の電車に乗ることが殆ど。
朝のラッシュ時(7:00~9:00)は平日で最も混む時間帯。
みんなその時間に家を出て出勤を始めるからね。
ちなみに吾輩は路線の駅全体で見ても、ちょこっと大きめの駅から乗り込む。
始発とかでは全くないので、座ることなんかまず100%無理。
期待はしてないのでどうでもいいが。
基本的に到着した電車はほぼ満員。
おまけに吾輩が乗り込む駅は途中駅で、ほとんど降りる人がいない。
そのうえこれから乗る人がいっぱいいるので、さらに激しい混み方になるんだよね。
駅員が無理やり乗客を押し込む姿とか、何度見たかわからない。
そして乗客は非常に不快で狭い思いを強いられるから、とてつもなくカリカリしている。
ちょこちょこ乗客同士のトラブルも発生しやすい土壌が整っているし文字通り修羅。
新しいダイヤ 電車の本数は増えたがむしろ却って混雑がひどくなった?
来る2018年の3月、改正当日の電車に乗って出勤したよ。
とりあえず車内の混み方に関しては以前と変わらない日が多い。
というより、運が悪いと更に人の量が増えて死ぬほどの圧迫感に襲われる…。
しかも速い電車と遅い電車が両方同着パターンが多く、乗り換えで速いほうが混みやすい。
なので、早い電車の混雑具合に関しては殆ど何一つ変わらない。
どころか悪化しているかもしれん。
今までは知らない人と360°ほぼ密着状態。
もちろん身動きなんかほとんどとれない。
運が悪いと足すらまともにつかないくらいおぼつかなくなる。
体感的な乗車率で表すと、230%くらいじゃないかな。
・100%=座席が全て埋まっている状態
・150%=お互いの肩がぶつかるレベル
・180%=肩だけでなく、体のありとあらゆるところが他の人と触れるレベル
・200%=かなりの圧迫感があるが、何かを広げて読むことは何とかできるらしい
・250%以上=体が浮いて踏ん張れない、人間サンドイッチ、もはや想像が出来ない世界
所要時間は確かにちょっとだけ短縮された 裏を返せばたったそれだけ
当然複々線化したことによるメリットもしっかりあったよ。
一番感じたのはわずかながらも所要時間が短縮されたことかな。
時間が短くなったのは、停止信号で止まることがちょっと減ったからだ。
あるいはゆっくり走って間隔を調整することが少なくなったこともある。
電車は追突を避けるため、自動車と同じように車両同士の間隔を空けてるよね。
その時、朝はどうしても本数が多く乗客の乗り降りも時間がかかるため詰まりやすい。

この詰まりを解消するには、電車の本数をさらに増やすか乗客の利用数が減るかのどっちか。
我輩が思いつくのはこの2つくらい。
ただ利用数はあまりコントロールできないので、前者での対応がメインになるね。
そこで複々線化したことにより、一本当たりの乗客数が分散されることに。
すると電車同士の詰まりがある程度緩和されるかな。
おかげで後続の電車がゆっくり走ったり、ちょこちょこ停止することが少なくなる。
結果として予定通りの時間に目的地へ到着しやすくなるという寸法だ。
我輩はこれのおかげで、大体5分くらい電車で過ごす時間を減らせたかな?
朝の5分は想像以上に大きく、ここは確かに効果があった模様。
実際前よりも若干遅く家を出ても大丈夫なくらいにはなったよ。
しかしさっきも言ったように、混雑具合に関してはほとんど変わらず。
というか場合によっちゃ却ってひどい気がするので、結局あんまり変わらないような…。
う~ん悲しい。
小田急の朝ラッシュ時は快適になるイメージが全く湧かない
そんな感じで、複々線後のダイヤで乗ってみた体験を綴ってきた。
やっぱりラッシュ時(特に朝)に関しては、どう頑張っても無理なのかしら?
数十年前からやっている大規模事業を行っても、思ったほどの緩和になってない。
最終的な原因は東京への一極集中化が酷すぎるのが問題なんだけどね。
おそらく小田急側で手を打てる対策は、もうこの辺が限界なのかも?
結局ユーザーは狭く窮屈でストレスのかかる思いを強いられるのは変わりなかった。
まぁ正直、鉄道会社側は頑張ってくれたとは思う。
思惑はどうであれ、利便性が向上したことには変わりないからね。
運航する本数も増えたし、所要時間も短縮されたので良いことはしてくれた実感は持てる。
しかしそれすら上回る勢いで人の流れができるとは…。
どうあがいても絶望ってこういうことですか?
今回はここまで。
結局辛い満員電車という状況を脱するのは、今の小田急線じゃ無理なようだ。
さすれば、電車が変わるのを待つより自分の生活スタイルを変える努力をしたほうがよさそう?
今日も電車内外、人が多すぎてめちゃくちゃだ!