記事公開日:2025年11月19日
Stable Diffusionを使う時に一つ悩ましくなるのが、画角の問題。このキャラ、こういうカメラアングルにしたいのにうまく行かないってことはないかしら?
何も言葉で指定しないと、色んな角度からのイラストが思いがけずに生成されちゃうことがすごく多い。すると何度も回す、ガチャ率が一気に跳ね上がるよね。
そこで今回は、テキストだけでざっくりアングルを指定しつつイラストを生成する、すごくシンプルで簡単なやり方をご紹介しよう。
本当は拡張機能や別の参照画像を使ってよりこまかく、と言うこともできるんだけど面倒なので大まかか単純な方法のみに絞るよ。
アングルの魔術師を目指して。
Stable Diffusionのカメラアングル
イラストはもう様々な要素が複雑に絡み合って、一つの絵が出来上がる。各パーツ、服、色、表情、背景など出来を左右する要素が盛りだくさんで構成される。
それは手書きであっても、生成AIであっても本質は変わらない。この二つって、製造工程が大きく違うけど絵を作るというゴール自体はある意味同じだろう。

さて本題だけど、イラストは被写体をどの角度から映すか?というものも、表現をする上ではかなり大きな影響を与えるものの一つ。
可愛いキャラを横からなのか、上からなのかだけでも見え方が全く変わってくるので、自在に操れると表現の幅が大きく広がる。
今回は、この後紹介するけどテキスト(プロンプト)のみで、ざっくりだが指定して狙いの角度をガチャるという戦法を紹介したい。
単語を入れるだけでOK。
ある程度これで効く
原則としては上下左右前後に加えて斜め。大まかに言えば、これのどれかが被写体を映すカメラアングルにとって代わる。それをうまく利用するという寸法。
つまり、こいつらを表現する単語(というかすごく短い熟語)を、英語で示せばいい。後は勝手に、ソフト側がその指示に従って近いものを出してくれるのだ。
するとある程度はイメージに近い画角で生成される確率が高まるので、ぜひ試してほしいところ。もちろんこれ一発で、というわけではないんだけど…。

吾輩は大抵の場合、そうしたいアングルの言葉を指定し、それに加えて物理的に見えないパーツの単語は省く、という形でプロンプトを出してあげてるというね。
例えば背中側を映したいときは、顔を見せないように顔関連の言葉(表情、目の色など)を取っ払いつつ、ポージングをさせるみたいな使い方でいけちゃう。
全体の言葉で、相反する要素を無くしてあげればStable Diffusion側も混乱しにくくなり、破綻したイラストが作られる事故もそれなりに防げる可能性が高くなる。
いろんなアングルを試してみよう
じゃあさっそく、生成したものを使ってサンプルを見てみるとしようか。まず基本的に、何もアングルを指定しないと正面側から映るパターンが多い。
けど完全に正面じゃなく、若干だけ斜め方向から撮影したみたいなイメージになる感じかな。まぁキャラの描画範囲など、他に細かい指定があればそれに準じるので、必ずしもこうなるとは限らないんだけど。だからガチャ率が高くなる。


このイラストだと、タートを構成する要素を文章で入れ、服やポーズは適当に指定。アングルは何も指定しないと、こんな風に一発目で出てきたのが上のもの。
キャラクター前側からだけど、ちょっと斜め上から撮った風に見えるな。ここから他のキャラも使って、画角を指定してみようか。
前後のアングル
キャラの前後から映したい場合は、以下のプロンプトをそれぞれ入れてみよう。
| from front | 前から |
| straight-on | 完全に正面から |
| from behind | 後ろから |
吾輩が試したところ、本当に正面から見えやすいのは二つ目のstraight-on。一つ目だと微妙に左右の斜めからという要素が加わることが多かったような気がする。
また、from behindを試す場合はさっきも例で言った通り、相反する要素に注意。振り返らせたりしないのであれば、顔要素のプロンプトは入れないこと。




左右のアングル
次は左右どちらから映すか。検証したところ、右方向・左方向を固定する方法がどうしても見つからなかった。そのため、単純に横からという指示を出しどっちが出るかを運試しするしかないかな…。
| from side | 横から |


上下のアングル
続くのは上下からの画角。つまり俯瞰とアオリだね。両方とも真上、真下ではなく斜め上と斜め下からになるよ。ただいくつか補足を追加してあげると、よりそれっぽい。
| from above | 上から |
| from below | 下から |
| looking up | 上を見る |
| looking down | 下を見る |
| faicng up | 顔を上に向ける |
| faicng down | 顔を下に向ける |




斜めに映したアングル
最後は被写体全体が斜めになったアングル。いわゆる”ダッチアングル、オランダ角度”と呼ばれるもの。斜めイメージは画像を見て。
何度か試したところ、左右どちらからはランダム、そして全体的にちょっと下から映したような感じになることが多かった。
ちなみに、上からを表すfrom aboveも同時に入れてみると、少し上からで斜めの角度になることは検証できたよ。一応場合によっては、複数の画角組み合わせも効くかも?
| dutch angle | 斜めからの画角 |


アングルを操りし者へ
こんな感じで、大雑把にではあるが映す画角を指定してあげることで、Stable Diffusionに反映させることはできるね。
見える角度のレパートリーを増やすだけで、そのイラストの印象が変わるのは全然違う。これでセクハラローアングラーもばっちりだ。
色々試してみて。

今回はここまで。特に個人的には、LINEスタンプを作るときに正面を向かせたいことが多いため、straight-onは重宝する。
ただこれでも、一発で完璧にというのは難しいため、多少は何度も生成しなおさないといけないことには変わりない。