記事公開日:2025年11月20日
「Stable Diffusionでいい感じのイラストが出たんだけど、もっと高解像度がイイ」。どうせならなるべくきれいな画像にしたいもんね。よくわかる。
いくら良いものが生成できたとしても、解像度が低いと全体的にぼやけた感じになり、拡大するとそれが顕著になっちゃう。微妙だ…。
今回はいわゆる画像のアップスケールについてお話したい。取れる方法が2つあるので、それらを詳しく説明しよう。どっちもやること自体はすごく簡単。
結論を先に言うとデフォルト機能でアップスケールするか、外部アプリ「Upscayl」を利用するか。どっちも一長一短あるので、環境によって使い分けよう。
結局PCスペックがカギ。
Stable Diffusionのアップスケール
イラストに限らないけど、ある程度大きな画像を用意したいなら、それなりのサイズが必要になってくる。つまり高解像度のモノ。
これをせずに無理やり画像を拡大したり、引き伸ばすと非常に見た目が粗いものになってしまい、見栄えが大きく損なっちゃう。
最近街中で見たとあるポスターのイラストが、ものすごく画素数が低いものを使っていたからか低解像度は、はっきり線のギザギザが見えるのはなんかイマイチ。

もちろん本ソフトウェアのStable Diffusionでも、この画素数というのは生成するイラストの品質に大きく影響を与える要素の一つなんだよね。折角作るなら、かわいい美少女をいっぱい作りたいのが、野郎の性。

そこでここでは、生成画像の簡単な高解像度化を図る方法をご紹介。一つはデフォルトの機能を使う。もう一つは外部アプリで後から高解像度化するという方法。
これを使えば、パッと画面に表示した時に粗っぽいギザギザの線が目立ちにくい、滑らかな書き味のイラストのように見える。すんごくありがたいが…。ちょっとだけ注意点もあるので、それらも合わせてご自身のPC環境をよく確認してほしい。
スペック依存になりやすい。
GPU性能に左右される
まずStable Diffusionをまだうっすらとしか把握してない方のために説明しておくと、このソフトウェアはAIイラストを生成できる。
そしてその成果物には、パソコンのあるスペックが超重要。それはグラフィックボードの性能だ。コイツがある程度強くないと、厳しいものがある。特に主流とされているSDXLモデル(要は第二世代)に属するモデルを使うならば、特に上記パーツの強さを求められる。

凄くざっくり言うと、このグラフィックボードにはVRAMという専用のメモリが搭載されてるんだけど、これの大きさが超大事。
しかも厄介なことに、基本的には後からユーザー自身の手で増設できないため、最初から搭載されている量の変更が不可能なんだよ。
細かいことは省くけど、Stable Diffusionを動かすなら最低8GB、ちゃんと快適に使うなら16GB以上が必須レベルという感じ。

で、本題のアップスケーリングにもこのVRAMはもちろん関係してくる。この後紹介するけど、ぶっちゃけ8GBだと厳しい。
16GBだとかなり安定するので、必ず手を付ける前にお使いのPCスペックをチェックしよう。特にグラフィックボード辺りは絶対に。
多分みんなWindowsだと思うので、設定→システム→詳細情報でスペックが確認できる。ノートPCでもデスクトップでも変わらないから、よく見ておいてね。
具体的な手順
ここから実際のやり方を説明しておこう。改めて今回紹介する方法はこの二つ。
・「Upscayl」アプリを通す
先ほどお伝えしたグラフィックボードのVRAMが確保できている方は、前者の方法が最もおすすめ。こっちは生成時から適用されるので、一番崩れにくいがそれなりにグラボが強くないと使えない。
逆にグラボのスペックがちょい厳しい…、という場合は後者の「Upscayl」を使おう。最初の頃は、我輩もこっちの方法を使って対応していたよ。一応これでも何とかなるので、ご安心くだされ。
備え付けの機能を使う
では最初の方法。普通にStable Diffusionを起動しよう。すると見慣れたホーム画面が出てくるんだけど、左下のスペースに注目。
吾輩の場合、reForgeを使っており最初から日本語化がされているのでこの表記になってるけど、英語だったとしても同じ個所だ。
単純に”高解像度補助”というボックスがあるので、ここにチェックを入れる。すると、現在指定中の解像度×2倍で画像を生成してくれる設定に変わる。

後は今まで通り、好きなプロンプトを入れていつも通りに画像を生成するだけ。非常に楽ちんだし、最もわかりやすいと思う。これだけでいいから。
ただし、VRAMが足りていないともちろん生成失敗になっちゃう。ここで16GB以上というのが、大きな強みになってくる。できればそんだけ欲しいのが理想。
というより、この機能を使うならそれだけないとガンガン弾かれる。過去、我輩も8GBのグラボを使っていた時はまともに使用ができないほどだったかな。辛い。
古い第一世代のSDモデルならまだしも、現在よく使われるSDXLモデル系だと全く歯が立たないレベル。多分この先もこういう傾向はもっと強くなるだろう。

Upscaylを使う
そんなVRAMが小さめのグラボでも、ある程度対応できるのがこっち。外部のアプリである「Upscayl」を通すやり方が心強い。公式サイトおよびダウンロードは↓。
海外製のアプリで全部英語ではあるが、インストール自体は難しくない。もちろん無料で使えるから、お金も一切かからないのが大変便利なアプリだね。
アプリケーションをダウンロードする際は、使用するOSだけ間違えないように注意してね。後は指示に従ってそのままインストールを進めよう。

無事にインストール出来たらソフトを起動。すると英語のホーム画面が出てくるが、日本語に設定ができるのでそれも済ませておく。
左メニューに何倍の高解像度にするか、出力先フォルダはどこにするかも選べるのでお好みで調整しよう。まずは2倍から試すのが吉。
そしたら画像をアプリのウィンドウへ、ドラッグアンドドロップで通してあげると作業が自動でどんどん進行するのでしばし待つ。

このアプリもAIを使って補正しているようで、多少はVRAMを食うんだけどStable Diffusionのデフォルト高解像度化に比べるとかなりかかる負荷が少ない。
十分8GBのグラボでも補正できたから、まぁおそらく、それ以下の6GBとかでも大きな問題にはならないと思うよ。あ、でも一つだけ少し面倒なことがあって…
Stable Diffusionを起動しながら、この「Upscayl」を使うとなるとやっぱり8GBじゃVRAM不足になって弾かれちゃうことが何度もあったのが玉に瑕と言ったところ。
ちょっと手間ではあるが、先に画像を全部生成したらStable Diffusionを閉じないとダメ。そこだけ明確な弱みではあるかな…。
これでアップスケールもばっちり
こんな風に生成した画像を高解像度化する方法をお伝えしたが、なんとなくわかってもらえれば。最初に言った、PCスペックに依存する理由は上の通り。
一番楽なのはもちろん、デフォルトの機能を使うだけなんだけど、こっちはグラボの強さがもろに影響しちゃうので人によっては難しいかもしれない。
みんながみんな、簡単にグラボを買い替えられるとは限らないし。ただ、外部アプリは多少低スペックでも大丈夫なところが強い。
どちらも試してみて。

今回はここまで。汎用性で言えば、どんな画像や写真にも対応できる「Upscayl」に軍配が上がり、安定性や手間をどれだけ少なくするかをとるならデフォルトの機能を使う。
そんな感じで使い分けてもらえると、画像解像度もそこそこ自在に操れるようになるはずだ。快適な生成AIライフをお楽しみあれ。
