記事公開日:2021年5月21日
最終更新日;2025年4月16日
「すべての答えを彼女は知ってしまった」。戦いの中に現れるとある事実を目にし、ストーリーは紡がれる。
それを見た対立ちゃんは激しく苦しむ。
今回は引き続き、”Black Fate”パックで読める物語を読み進めていこう。悲しい戦いの行く末はどうなるんだろう。
その終点で、潰されるのは一人だけ。
Arcaeaストーリー Black Fate②
前回はとある硝片に映し出された、とんでもない光景を目にした2人。そこから望まれない壮絶なバトルが始まった。
対立ちゃんは光ちゃんに殺されるかもしれない、という疑念を抱いたため、相手の生命を消しにかかるというもの。
記事公開日:2021年5月18日最終更新日:2025年4月2日 「とうとう敵対してしまった2人は、もう分かり合えないのか?」。ある事実に気づいた対立ちゃんは、行動を起こす。自分自身が死なないために。[…]
それが真実の未来なのかはまだわからないけど、仮に本当であれば光ちゃんは対立ちゃんの明確な敵になるのは間違いない。
しかし当の光ちゃんは全然そんなふうに見えず、防戦一方の状態になってしまう。
なんとか目の前の黒き少女を食い止めるべく、白の少女はどんな応戦を繰り広げるのか。
戦いが更に激しくなる…。
硝片を巡る闘争
https://arcaea.lowiro.com/ja
ストーリーマップ上では、一本道の地続きで展開される。このあたりから、激烈に難しい曲のクリアが必要。FTRは地獄そのもの。
「Dantalion・#1f1e33・Lost Desire」など半端じゃない。ただしPASTでもOKなので、初心者でも詰むことはないからご安心を。
VS-4
二人の少女が堰を切ったように飛び出てくる。
正面の扉を、まるで鋼鉄のそれが硝子板であったかのように破砕しながら。
黒の彼女が白の彼女へと突貫を続ける周囲で、記憶の硝片が混沌と渦巻いている。
押し返せど、決して押し返すことはない。
本気で戦うことを選びはしても、光の心にはまだ希望があった。
このやり取りの結末が必ずしも、血溜まりに終わる必要などないはずだと。
しかし、まだ巧みに硝片を手繰ることができないとしても、
そもそも、ほぼ全く習熟していないとしても、真に諦めることなどはしなかった。
白く、向こう見ずな背面を硝片が守る。寄せ集めのような様相を晒しながらも、
常に組み合わさり蠢きながら、迂回しては絶え間なく狙い来る、対立の刺槍を阻んでいる。
光の眼はそんな硝片よりも鋭く絞られていた。
黒の少女を抑えるため、かつてないほどに油断なく。この状況を力づくで終わらせるため。
そのどれもが、容易ではないにしても。
礼拝堂だった残骸の外にて、
不格好に開けた道と硝片の丘々があるところに、対立を阻むものはなかった。
距離を保ったまま、黒の彼女は払いのけるような大振りで、
硝片を広く散らす。執念深く追い立てられた末に、光は自身の生存を賭けて、
その心もとない防衛力に必死に縋る他ないことを悟っていた。
脈動は早く、そして掌中から滲み始めた冷や汗は全身に広がるようだ。
そしてその冷たさ、その身をひどく震えさせていた。
不可視のナイフは不可視の小剣へと打ち込まれ、機敏に追いすがる硝片が、
光り輝く投擲槍へと食らいつく。
まさに白の彼女、その首元すれすれにかぶりつく寸前で。
一撃には一撃を――更に返し、また返される。
やがて白の彼女は自らの争いが、ただの暴力の小競り合いから、
ひどく剣呑で手に負えぬ絶対的な2つの力での闘争へと、変わっていたことに気づく。
対立の強大さには敵わないものの、
それでも、もう一方の彼女への自身の機転と信念が、繰り返される一撃の勢いを凌がせていた。
眼前にあるのが濁流のような激情ならば、
白き少女は泰然とした堤防たらんとしていた。
外気や風雨に晒されようとも、その増築が決壊を迎えることは決してない。
やがては、これを御し切るのだと決めていた。
事態は拮抗している――それぞれが自身の立ち位置に食らいつきながら、
双方が自身で選んだ硝片の滑らかな散乱した光が、辺りを照らしている。
事態は拮抗していた――だが、それも対立がその集中を他に向けるまでのこと。
対する少女の防御を貫かんとする狙いをそのままに、即座に背後に控えた自身の軍勢を、
光の右側へと差し向けたのだ。
威力は甚大だった。
爆ぜるような閃光と煌めきが光を躓かせ、その足元へ跪かせた。
そうしてそこに、昏く睨めつけるような視線を向けながら、対立が黒傘を突き付ける。
先端が明らかにする、その照準の先――それこそは白い敵の頭蓋だった。
黒の少女には一瞬の惜別もない。一撃は刹那の間に襲来する。
対する光はぎゅっと瞼を閉ざす――だが対立は、眉を顰める。
一撃の勢いが止まった、しかし、どちらかの行動によってではない。
それではなく、二者の間に在る、なにかだ。
二人の間には、異端の硝片。
以前、光の掌中からはじき出されたそれが、宙空にて静かにあった。
石壁のように不変で、黒傘の一撃を前に不動のまま。
光は目を見開いて見つめたが、その光景を信じられはしなかった。
「え……?!」「これは……」
対立が逆の腕を持ち上げれば、硝片の群れがその周囲に渦巻き始める。
同じく躊躇うことなく、光はその腕を異端の硝片へと向けた。
すると周囲に散らばるのみで、手繰られていなかった1つ1つの硝片らが、蠢き始める。
鋭利に過ぎる豪雨が襲来する刹那、まさにその直前だった。
https://wikiwiki.jp/arcaea/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC/Main%20Story/Black%20Fate
対立と光は礼拝堂の残骸で硝片を操りながら、ひたすら戦う。なんとか硝片を盾として使い、眼の前の攻撃を必死に防ぐ。
彼女の心には希望があり、血で終わらない結末を願う。だが対立はより攻撃的で、黒傘を武器として光をどんどん追い詰める。
光は対立に力で劣るものの、機転と信念で持ちこたえ続け拮抗する。しかしとうとう、白の少女は膝をつきその隙を狙う黒の少女。
その時二人の間に「異端の硝片(アノマリー)」が現れ、これは以前光の手から出されたもので、対立の攻撃を防いだ。

とにかく暴走する対立ちゃんを抑え込むべく、ずっと防御を繰り返す光ちゃんは、最悪な未来にさせまいと諦めない。
この闘いは次第に単なる物理的な戦いを超え、二人の信念や意志、そして硝片という不思議な力を巡る対決を描くシーン。
絶対的な力の前にやられそうになる光ちゃんを助けるべく、現れた新たな硝片は何を意味しているのだろうか。
VS-5
それは、暴風のように始まった。
堕ち来る硝子は、今は光の指揮下にあり、命令がなくとも四方八方、全方位に向けて
射出されはじめていた。だが、硝片らが指揮下にあるとはいえ、この短期間ではそれをどのように
使えば良いのか、彼女は捉え倦ねていた。
対する対立は苛立ちと懸念を表情に滲ませつつ、退いた。
光はこうして、鋭利な記憶の群れの中に身を潜めて、膝をついたまま、新たに得た力に集中していく。
対立は辺りを見渡し、空を見て、そして嵐となった光を見た。徐に諸手を頭上に掲げながら、考える。
暴風に抗わんとするならば、洪水を喚んでこそだろう、と。
こうして遠く離れた街々や白き山々から、引き寄せられていく数千かそれ以上の記憶の硝片。
不慣れな光の、つむじ風のようなそれとは違って、
対立のその群れはあたかも模様のように、完全に調律されていた。
黒の少女の背後で、硝子は巨大な薔薇のような形を取っていく。
花弁が一枚一枚、渦巻きながら降りてくると、白の少女を守る暴風を鮮やかに切り裂き、開いていった。
そして光は立ち上がり、けれどこれに竦みながら、型をなぞるような対処しか出来なかった。
泥沼にして狂気に満ちた、遠距離での戦闘にて。開花は開花を喚び、そして連鎖は連鎖を招く。
彼方からでも、事態がまさしく対立の望むままの盤上に見えるだろう。二つの嵐はぶつかり合う。
雨は雨に抗い、”雷鳴“は止むこともない。そして波立つ”雲々”は渦巻くようにしつつ、
炸裂を伴ってその争いへと加勢する。――それはもはや、猛烈な自然の力による、
閃光行き交う激情のよう。
そうして、渦と銀の洪水の麓に少女が二人、それぞれに心を燃やして立っている。
硝片の掃射を、双方ともに数ミリの僅差で避けていく。
そしてその場に留まるでなく、戦うにつれて二人ともが走り始めた。
記憶片の積もった平野を急ぎながら、輝く大地に硝片の大砲とその車輪を走らせる。
即席の硝弾が榴弾のごとく落下し、散るのを目端に捉えながら。
硝子が追い縋り、硝子が岐路をその妨害し、また硝子が敵をその場に縫い留めんと足元を狙ってくる。
もはやそれは狂気だった。
熱狂的なまでの狂気と、混沌としながらもどこか秩序だっている。
それぞれの動きがほぼ引き分ける形となり、安定し、規則正しい物となっていく。
回避し、射出することだけを繰り返す。
圧倒されるような美しさと暴虐の中で、再度二人は理解する。互いが明解に拮抗していると。
そうして、対立が優位に立つ手番が訪れた。
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光は突如新たな力を発揮しはじめ、硝片を指揮下に置き全方位に射出させた、ただしまだこの力を掌握しきれない。
対する対立は一時退き、すぐに反撃の準備を整える。大量の硝片を引き寄せ巨大な薔薇の形を形成し、その花びらで対象を切り裂く。
光は立ち上がって対抗するが、まだ不慣れなため型通りの対処しかできず、遠距離戦主体の泥沼な戦いが続くこの状況。
互いの攻撃を僅差で避けつつ、二人は走硝片の積もった平野を駆け抜け、攻防は規則正しくなるがとうとう対立が優位に立った。

ピンチになった瞬間、新しい能力を会得した光ちゃん。これで間一髪を脱したは良いものの、決定打にならない現状。
攻撃側の対立ちゃんは、これまた奥の手の一つ?でもある、バラの物体を作って攻め手を緩めず全く油断をしない。
このシーン、スチルが付いてるんだけど、光ちゃんの姿はFracture状態のままなんだよね。進化とかじゃないのが気になる。
ただこれでも対立ちゃんには及ばず、やはり劣勢になってしまった彼女の運命やイカに?
VS-6
彼女の旅路、この地でのそれは地獄だった。
そうだ。地獄だった、自身の出生からはじめの一歩までもが。
否、そのはじめの一歩でさえ、彼女にとっては許されなかったのではなかったか?
目覚めた場所から躊躇なく飛び出した彼女を、間も置かず、
唐突にして無慈悲に、押し寄せるような悲劇と悲惨さが苛んだのだから。
それからというもの、未だその二物は執拗にこちらを追従するばかりである。
冗談のような話だ。
わたしは善良だ、そう自身に言い聞かせる。
目が醒める前から身を覆う、この昏い服の通りの者ではなく、
またこの身を苛む暗澹とした記憶の通りの者でもない。
わたしは悪しき者などではなく、悪しき世界に苦しめられている普通の人間なのだ。
理由も、理解の余地もないまま、
徹頭徹尾、ひどく無慈悲で、過酷なセカイ。
目を醒ます術もなき、悪夢。
そして幕引きは、私の場合、みじめな死だ。
……。
そのようなこと、そのような思考が幾度となく、かの瞳を濡らしてきた。
ようやく、それも終わりだ。なんであったとしても、おわり。
そんな思考を脳裏に浮かべつつも、自身が殺意を向ける少女から投擲された硝片を掠めるように
躱しながら、どこか奇妙なものの存在を感知する。
どこかで見た、数分前に感じたようなグロテスクな存在。現実がその正しさを失ったかのような感覚。
そして、ありえない状態が眼前にあるという事実。
その不可思議な感覚は、その頬のすぐ横にあった。
右へと視線を投げれば、そこに菫色混じりの歪に歪んだ異片が目に入った。
ただの気まぐれで、ただの一瞬の一瞥。
けれども、それですべてだった。
予見通り、異様な硝片が内包するのは単純な記憶などではなく――だがそれは、予見を更に超えたもの。
ただの硝片にはありえない答えでさえも、それは孕んでいた。
刹那、表面の閃きが対立の瞳に届く――
――頭蓋の内に光が溢れるような感覚と共に、世界のほぼ総ての智慧、
過去と現在に存在した大凡の叡智、
それらが明晰な理解を伴って、その脳裏で解き放たれる。
彼女らの名前。
彼女らの過去。
この世界。
その目的。
「光」という少女。
「対立」という少女。
「エト」に「紅」、「サヤ」に「レーテー」「ルナ」。
そして名に次ぐ名、数え切れないほどの名前だ。
他の世界の事実でさえ、他の旅人の向かう先とその終わりでさえ、
その始まり、それらの理由も、そのすべてさえも、総てが。
そうして真実が、総ての真実が――
彼女の前で、自身を害する者の様子の変調を察すと、光はすこしだけ動きを止める。
そこに変化はあって、恐怖があった。
(――そう、それでこんなもの。これだけが総てだというのね)
対立が垣間見た、この『現実』なる檻にまつわる真実。かくして、彼女は力を得た。
真実と力とその総て、どちらも知りながら……
知っていながら、それで一体何が変わるというの?
凝結し、かき回されたその感情。胸中に詰まり溢れては、終わりなき辛苦が黒き少女の体に奔る。
――その舌から、歯でさえも。
かの唇は不機嫌さに歪みながら、苦々しくも泣きそうに、歯を剥いた笑みが滲む。
不機嫌さと感傷、けれど疑いないほど、奇妙なほどに心は躍っている。
(さあ、笑いなさい。狂嵐でも喚ぶといいわ)
ここに至る道は、人類最悪の追懐によって灼かれたもの。
その果てに待つのは永劫に、終焉を除いて他にない。
――その終点で、潰されるのは一人だけ。
https://wikiwiki.jp/arcaea/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC/Main%20Story/Black%20Fate
対立は自分の人生を”地獄”と表現し、目覚めた瞬間から悲劇と悲惨さに苛まれてきた。私は本当は善良な人間なのだ。
ただ無慈悲で過酷な世界に苦しんだだけ、と自分に言い聞かせる。
戦いの最中、光から投げられた硝片をかわしながら、奇妙な存在を感知した。菫色混じりの歪んだ「アノマリー」が現れたのだ。

これは単なる記憶ではなく予想外の答えを内包しており、対立の瞳に閃きが届いた瞬間、頭の中に世界のすべてが明確に理解できた。
突如として彼女たちの名前、過去、この世界の目的、そして多くの人物(「エト」「紅」「サヤ」「レーテー」「ルナ」など)について知った。
真実を知った対立の中には複雑な感情が渦巻き、表情は不機嫌さと感傷が入り混じる。、苦々しくも泣きそうな笑みを浮かべた彼女は…。

また他とは違う動きを見せた硝片が、対立ちゃんの目に映ると、この世界のいろんなことが一瞬でわかった模様。
自分たちのこと以外にも、本作でオリジナルキャラとして登場した各パートナーたちだ。同じ世界の住人なのかもしれない。
おそらくそれぞれのサイドストーリーでの出来事も、すべて対立ちゃんの頭の中に情報として送り出されたのだろう。
ちなみに本節の開放前に、楽曲「Lost Desire」のパスが必要になる辺り、失われた運命が集結した瞬間なのかな?
世界の真実を知る対立ちゃん
光ちゃんを潰すべく、徹底的に攻撃を続ける対立ちゃんは本当に容赦がない。攻め手を緩めない残忍さが凄まじい。
その一方で、自分がいる世界のことを知ると、これまたいろんな葛藤が生まれ再度苦しむ彼女。
単なる悪役というわけじゃなく、決して本心で光ちゃんを消そうと思っていないと信じたい。
二人にとっての幸福な結末は?
今回はここまで。次回は”Black Fate”の最終盤を探ろう。ここで対立ちゃんは、とてつもない嵐を巻き起こすことになる。
そう、Ver3.0.0に襲来した、あのとんでもないボス曲とさらなる形態を携えて…。