記事公開日:2021年5月18日
最終更新日:2025年4月2日
「とうとう敵対してしまった2人は、もう分かり合えないのか?」。ある事実に気づいた対立ちゃんは、行動を起こす。
自分自身が死なないために。
今回はArcaeaの有料パック”Black Fate”で読めるようになる、物語の前半部を読み進めていく。ここから第一章第二部の開幕だ。
本格的な闘争に火がつけられた。
Arcaeaストーリー Black Fate①
前回はパック”Adverse Prelude”内で起きた、2人の邂逅から衝撃の未来が見えてしまったことによるお話までを見てきた。
対立ちゃんから見れば、目の前の優しく手を出してくれる光ちゃんは希望そのもの。しかし見えた未来は、決してそうではなかった。
記事公開日:2021年5月15日最終更新日:2025年4月2日 「対話を挟んで仲良くなれそうかと思ったら…」。とある廃墟で顔を合わせた2人は、微妙な雰囲気に包まれるこの気まずさ。特に対立ちゃんは難しそう[…]
なぜだかわからないが、光ちゃんが対立ちゃんの体を貫いていたのだ。つまりこの瞬間、明確に敵となってしまうこの悲劇。
そうなるのはシャレにならないから、対立ちゃんは目の前の少女を消しにかかる…。
見たくない戦いが始まってしまった。
命のやり取り
https://arcaea.lowiro.com/ja
ストーリーマップはパート2に移り、中央から伸びる一本道を進んでいく。当パックは非常に手強い曲が多いけど、物語は買えば読める。
例によって、全部PASTの難易度でタイル自体は解禁できるから初心者でも安心。FUTUREはまさに地獄そのものだけどね!
ただしこの先、パートナーの”Fracture 光”が必要なので、できれば先に入手しておくと楽かも。解禁は↓の記事を参考にどうぞ。
記事公開日:2021年4月21日最終更新日:2025年3月13日 「目指せFractureのFTR譜面開放へ…」。Arcaeaの光ちゃんは、ここで大いなる覚醒を遂げたあのシーンは、プレイヤーの目に焼き付いた[…]
VS-1
光、そして対立。
もし互いの名前を、または自身の名前さえ知っていたら、
あの頃から今までの印象は変わっていたのだろうか?
「光明」と「闘争」なんて意味を持つ名前、
この奇妙で、わけがわからない世界の中でもあまりに驕っている。
二人が名前を知っていたら、意味を踏まえて、異なる道を見出すことも出来たのだろうか――?
それとも、どんな展開、どんな選択肢を取って、どんな状況を経ても、
悪戯な運命の車輪は、それでも二人を避けようがない不和へと導くのだろうか――?
光は、自身の名前を未だ知ることもないその少女は、不安に駆られているようだ。
対立も同様に、けれど自身を待つ運命とそのビジョンに取り憑かれたことで、
常に二人の間に不和と不一致があるであろうことを知っていた。
何も変わりはしない、何も。白の少女と黒の少女らは、和解などできないまま。
これが、これこそが、唯一もたらすのは――。
「あっ」
迫り来る敵の刃に、光から声が漏れた。
その諸手を同時に掲げると同時、硝片が迫りくる硝片へとぶち当たる。
輝いて、圧し止めながら、硝片は壊れない。
そうして振るわれた刃に映り見えた、慄きながらも苦しむ、光自身の青ざめた顔。
心からの言葉の応酬は、心からの刃の応酬へ。
他方の少女に力負けして歪んだ体躯をそのまま、一歩を退いた。そこで、気付く。
肌が冷たく、息もできぬことに。
瞑目しながらも彼女を攻め立てる少女の眼を覗き込み、そしてまた気づく。
内側から引き裂くように彼女を掴んで離さない恐怖の正体が、その少女の攻勢ではないと。
それではなく、自分が対立の攻勢にほとんど抗えぬまま、
敵の刃が数センチずつ首元に競り寄っているという事実、でもなかった。
違う――手のひらの汗が、肺臓に囚われた呼気が。
すべて、全てが眼前の者の変わり果てた様子の所為だ。
そうだ。ほんの数瞬前まで、悲劇と嘆きの描かれた、
己の虚像のようだった少女の面影も、今ではすっかり変わってしまっている。
黒の彼女は、もはや白の彼女が同胞や友人として話しかけた人物とは違う。
それどころか、もう人のようにすら感じられなかった。
凝視はとても毅然としていて、その顎がぶれることもない。
現に、その黒い彼女の五指はがっちりと握られたまま、今は赤く染まっていた――。
それは黒き衣に身を包んだケモノ、それ以外の何物でもない。
影と化した彼女を、悪意だけが彩っていた。
https://wikiwiki.jp/arcaea/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC/Main%20Story/Black%20Fate
お互い名前を知っていれば、出会ったときの印象は変わったのか。異なる結末を見届けることは可能だったのか。
それとも、なおも関係を壊すような運命に陥るのか。光は不安に駆られ、対立は宿命を呪い関係が破綻している。
一気に突進する対立に対し、光は咄嗟に手を上げ硝片で防御する。もう一度相対すると、彼女は恐怖に支配され始める。
眼前に映る黒の少女は、もはや悪意に身を包んだ真っ黒なケモノと化していたのだから。もはや人間には見えない。

未来に映った光ちゃんは対立ちゃんを殺していたが、今の光ちゃんはそんな行動を起こす気が全く無いように見える。
代わりに攻撃を始めた対立ちゃんは、どうしようもない絶望に濡れてしまい逆に相手を殺すことに必死になってしまった。
迎える結果は多少違えど、このままではどちらか一方あるいはどちらも、完全に倒れてしまうことは想像に難くない。
そんなの誰が望んでいるのか…、と言いたくなるほど、2人の間には死を媒介としたとんでもない緊迫感が広がっているね。
VS-2
穏便に、事態を収めよう。
落とし所を見出そう。気弱になるな。口ごもるな。
脳裏に奔るそんな思考のまま、光は押し返す。
数え切れない記憶の中で、それぞれが戦いの辛苦を経て、感じてきた。
だが、それさえもあくまで身代わりとしての追憶。
真にその身の命を賭した争いには遠く、現実には及びもしない。
間に合わせの刃と刃がまた一合、そこに欠片ほどの優美さもない。
対立の切り込みは直接的で、かつ悪意に満ちている。対する光の動作はあくまでも必死だ。
永く、致命と甚大なミスを間一髪で避けていく。
白の彼女はただ守りに徹するのみで、それ以上は望みもしない。
この状況を暴力なしに止める術があるのなら、彼女は瞬きよりも早くそれを選ぶだろう。
そんな二人の慌ただしい切り合いは、寒空の下に晒された照明やベンチのような、
その廃れた教会の奇特なインテリアによって阻まれることとなった。
やがて側廊の間を縫うように動く二人。即座に足元を目掛けて吶喊する対立。
しかし、その標的は釘付けられたように動かない。
光はその身を一度は助けた硝片を漸く掲げると、迫り来る斬り上げに備えた。
けれど、斬撃が来ない。代わりにその身を襲ったのは、だが黒い傘だった。
それはすぐさま宙空を引き裂いて、その守りの構えへと無慈悲に殺到する。
「がぁ、はっ……!」
深い息で、呻く白の彼女。
まるでその手を、小さな指々を、炎に呑まれたのよう。
これは間違いなく折れたと、そう内心で確信した。
そうして、その身を守った特異な硝片は握られた手から離れた。
すると武器がなくなるや否や、傷ついた少女は即座にその身を翻す。
光自身としても驚いたのは、初めての跳躍の後、
その着地に寸分のよろめきも、つまづきもなかったことだ。
そしてその身を再び宙に躍らせる。
ドレスを翻しつつ、信徒席の上に駆け上がった感覚が追いついてくる。
それは、新たな一撃をちょうど回避する形――だが、間一髪で死が迫る。
……言葉で収めることは果たして、もう無理なのだろうか?
どこかで、そんなことをまだ思っていた。
それでも、一語たりとも彼女は発すことができなかった。
そもそも、そんな機会は与えられすらしなかった。
そして万が一の幸運に恵まれ、追跡者から稼いだ十分な距離と時間で、声を発そうとする。
だが。
不意を打つ形で射出された一陣の刃が。
その真横を、その頬を。
――その時、撫でるように、引き裂いていったのだ。
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この事態を何とかすべく、必死に思考を巡らせる光。ここまで死に関しては、誰かの手によってやってきたものではない。
しかし今は、明確に相手との命を懸けた争いという状況であり、それが冷たい現実となって目の前に押し寄せる。
硝片を武器に使った、互いの切り合いは常に紙一重。光は防御に徹し、対立は執拗に攻撃を図るシーンが続く。
そんな中、廃墟内のインテリアが障害物となって攻防が阻まれることになった。

それもつかの間、対立は光の足元に突っ込んでいく。光は再度防御しようとしたが、硝片の攻撃ではなく黒い傘が目に映る。
一瞬ダメージを負い吹っ飛ばされるが、着地が上手くいき新たな攻撃に備えた。同時に、もう分かり合えないのかと逡巡するが…。
すると、彼女の頬を撫でるような斬撃が飛ぶ。

ここで本格的な戦闘シーンになるけど、光ちゃんは対立ちゃんの攻撃から身を守ることで精いっぱいの様子。
彼女は戦いを全く望んでいないため、どうしても防御だけしかできないのは、心情から来る行動の一端なんだろう。
現に何かできないか、めちゃくちゃ頭で考えて落としどころを探しているあたり、光ちゃん側に肩入れしたくなるのよね。
やっぱり、あの未来は誰かに手によって捻じ曲げられた事実を映したのかどうかのか、ますます気になってしょうがない。
VS-3
また、呼吸を置き去りにしながら、光は思わず手をその顔の左へと伸ばす。
そっと戻せば、不運にも見慣れた色が、その指々、手のひらまでを染めていた。
怖気が、もう一度、彼女を襲う。
いまだ後ろへと下がりつつ、震えを鎮めようと、自らをかき抱くように両腕を掴んだ。
舌が沈むほどの唾液を、呑み下す。
そして、静かに懇願した。
「やめて……」
そうして、ほんの少しだけ大きく。
「もう、やめて……」
また別の硝片が、矢のように風を裂きながらその身を襲う。
数秒と置かぬそれを避ける彼女。硝片が二の腕の辺り、対象がいたであろう位置を通り過ぎていく。
そうして、叫ぶ。
「もうやめて!!」
「あなたの狙いなんてお見通しよ」
代わりに止まったのは、光だった。
まもなく、白の彼女から5つほど離れた信徒席へと着地する対立。
「あなたは何?この世界が作り出した悪魔?」――対立は問う。
「どういうこと!?」
「それともこの終わった場所から来た、ただの記憶の欠片?私を狩りに来たんじゃないの?」
「わたし…違うわ!」――光は叫んだ。
「あなたもまた、自分のことがわからないのね……」――対立は嘯く。
そこで光は気付く。周囲を警戒する雀蜂の群れのように、
いくつものArcaeaの欠片が少女の前後にてこちらを狙っていることを。
知らずに害意に気を取られていた光に、少し沈んで、悲痛に緩慢な声で対立は告げた。
「けれど、そんなあなたが私を見つけたという事実が……」彼女は告げる。
「……予感させるのよ。厄介事じゃないなんて、あり得ない、と」
そして光は、黒の彼女が自分に語った過去を振り返りつつ、
それがどんな意味を持つのか、一字一句違わずに理解した。
「わたし、違う、違うわ……」
口ごもりながら反論する。
飛来する新たな硝片の弾丸が、その耳元を掠めた。
瞼を閉ざし、あふれる涙を締め出そうとする。
生き残りたいというのなら……
……諦めるわけには、いかないのだ。
双眸を俯かせながら、光は新たな硝片をその手に呼び寄せる。
それに触れられるという奇妙さに気づくことさえないまま。
その白き背中へと、硝片の軍勢がまた集う。
貌を、上げた。
そうしてまた、対峙する。
友として、かつて助力できればと願った少女へと。
https://wikiwiki.jp/arcaea/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC/Main%20Story/Black%20Fate
頬を切られた光は手を伸ばし、付着したものを見て再び恐怖を抱く。そこから静かに、こう懇願し始めた。
「やめて。」もう一度、「やめて。」最後に大きく叫び、「もうやめて!」と。それを聞いた対立はこう言い放つ。
「あなたはこの世界を作った元凶ではないのか?」と。しかし光はそうではないと反論をするが、対立は更に続ける。
「あなたが私を見つけた事実は、厄介ごとに発展しないなんてありえない」

そのことを理解してしまった光だが、それでも反論を崩さない。生きたいなら、ここであきらめるわけには絶対に行かない。
短い時間とはいえ、ここで出会えた黒の少女と一緒に生き残りたい。という希望的観測を叶えようと願うために。

なおも攻撃の姿勢を貫く対立ちゃんは、光ちゃんにあなたが元凶じゃないのかと問いただした。世界にとっての異分子か?
もしかしたら彼女は、無意識のうちに世界の理を悪い方向に捻じ曲げてしまう、そんな力を持っているのかもしれない。
人の運命をもいじれる能力であれば、意図せずとも対立ちゃんに嫌な記憶を見せ続けるのもできる芸当なのかな。
とすると、位の高さという表現が適切かはわからないけど、この世界においての光ちゃんは、高次元的な存在かと。
光ちゃんは何かを超越した人間?
より一層ドス黒く染まった対立ちゃんが、光ちゃんの息の根を止めるべく闘争を始めた。
直接的な要因は、未来を映す硝片が見せたあの事実なんだけど、それが本当なのかどうかはまだ決めきれない。
だって目の前で息をする光ちゃん本人は、とても対立ちゃんを殺すなんて真意はなさそうだから。
ならば本人の意思とは別にあるのでは?
今回はここまで。どうにかして暴走する対立ちゃんを止めようと必死になる、光ちゃんは打開できるのか。
続きは”Black Fate”中盤にて。