記事公開日:2021年5月3日
最終更新日:2025年3月28日
「心を失い膝をつく彼女は、見ていて痛々しい」。ここまで幸せに満ち溢れていたはずなのに、光ちゃんはどうして…。
空虚な女の子になってしまった。
それではArcaeaの有料パック”Luminous Sky”の物語後半部では、そんな彼女はこの先どうなるのかをじっくり見ていこう。
立ち上がれ、さすれば道は開かれん。
Arcaeaストーリー Luminous Sky②
前回の内容は↓の記事にて。最初は良い思い出をたくさん見たことにより、すごく幸福な顔を浮かべていた光ちゃん。
記事公開日:2021年4月30日最終更新日:2025年3月27日 「楽しそうな光ちゃんを見ると心が洗われる…」。なんて思ってしまうほど、輝かしい存在感を放つ彼女。ただ一瞬のほころびが顔を見せるけど。[…]
しかし幸せと感じる感覚が段々感じられなくなり、何も悪いことが起きない”平和な世界”で徐々に心を失ってしまう。
これで彼女の物語は本当に終わるのか。
さて今回はその続きから、どんな出来事が起きるのかを追っていく。後半戦の開幕と行こうじゃないか。
虚ろな光ちゃんはどうする
https://arcaea.lowiro.com/ja
マップは前半から地続きのところ。見た目上ではそう見えないけど、1-ZRから1-7へつながるような感じになるので、よくチェックしよう。
ここで光ちゃんの重要形態の一つである、”Fracture 光”のモードが初登場。もちろん、あの隠し楽曲も含めての内容になる。
記事公開日:2021年4月21日最終更新日:2025年3月13日 「目指せFractureのFTR譜面開放へ…」。Arcaeaの光ちゃんは、ここで大いなる覚醒を遂げたあのシーンは、プレイヤーの目に焼き付いた[…]
1-7
膝を着き、少女はぼうっと宙空を見上げていた。
視界の限りを埋め尽くし、なおも鋭く広がる少女の創造物は、
まもなくその光満ちる忘却の中へと、自らの造物主を呑み込むだろう。
未だ天蓋は遥か頭上にて、優しくも耐えがたい光量をもって輝き、明滅している。
もはや少女は思考も意思も手放して、その末路をも受け入れているように見えた。
その大いなる虚無の中、彼女の瞳を『なにか』が捉えた。
ただそれそのものの異質さが、沈黙し、停滞するままの彼女を動かした。
視線は自然と吸い付くようだった。
それは小さく異質な一つの硝子の欠片――微かに、だがたしかに赤い。
おそらくは現実、もしくは彼女の心の悪戯か。
それは空を覆う天蓋を取り残して、周囲の暗さを一層深めていくようだった。
はっきり見えるようになってきた、と考えると同時に、
自らが長い間、ずっと考えるということをしてこなかったと気付く。
天の楽園は波打っては歪み、ひび割れて行くようで、全てが拗れていく。
その新しくも小さな、存在すべきでない記憶片が生まれたことで、総体は壊れて、空が墜ちていく。
静かながらに荒々しく、彼女の造った天蓋は落ちていく。
空を埋め尽くす、拡散する光。その様子は彼女にとっても衝撃的で――あるはずだった。
だが、その視線は喜楽の記憶たちの混沌とした惨状のなか、
今なお近づく新たな欠片に縫い付けられたまま。
真新しい硝片が抱えるもの、それは喜びの記憶だった。
彼女自身が忘れていた、少女自身の喜びの硝片。
「いつから――わたし――?」
長らく使われてこなかった喉から、しゃがれ声でつぶやいた。
そして今、少女の手のひらにはゆるりと回る、ゼロから生じた奇妙な欠片が一つ。
そこにあったのは、彼女が目覚めたころの記憶や、
硝子のそばで踊り、鏡の世界を旅していた頃の幸せな記憶。
静かに涙をこぼしながら、
そして少女は、永く忘れていた幸せを思い出した――。
https://wikiwiki.jp/arcaea/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC/Main%20Story/Luminous%20Sky
膝を着きながら上を見上げた光は、自ら作り出した硝片のケージを見つめ、何も考えずにそれに飲み込まれることを受け入れた。
しかしわずかに赤く輝く硝片を見つけると、己が思考することを放棄していた事実に気づく。こんなにも長い間を忘れていた。
本来存在しないはずのものを意識したところ、ケージが崩れ落ちた。そして赤い光を改めて見ると、自分の喜びの記憶が蘇る。
この硝片はあまりにも異質で覗いてみると、自分が目覚めたときの幸せな記憶が映っていた。目から自然と涙が零れる…。

自分の心が無くなりかけたその時に、何か小さな存在に気付いた光ちゃん。それは彼女自身の良い記憶を思い出させる、重要なピース。
これが見つかったおかげで、足りない喜びに飢えていた彼女に、大きなきっかけを与え直すことにつながったようだ。
人が本当に思い出したい記憶が浮かんでくると、色んな感情が呼び起されて自然と泣いてしまうというのはままあることだよね。
多くは悲しい思い出だろうけど、今の光ちゃんは喜びしかしらない。しかし自分自身のとなったら、やっぱり特別なんだろう。
1-8
キラキラと光る硝子片は、
死んだ世界を変わらず映しながら、不規則な雨のように落ちていく。
その渦中にありながら、少女の関心は真新しい何かを映し出す欠片と、
そしていまだ営みを続けるこの世界と、そのどちらにも向いていた。
理由もわからず、涙は零れ落ち続けていく。
少女はその癒え切らない心のまま、かつて手に入れたものが全て、
辺り一面に墜落していく喪失感を味わっていた。
消えた自分の情熱が残した穴もまた、彼女を苦しめ続けている。
他でもない自分が作り出した檻に踏み込めば、
辺りの記憶の破片は、無知にも喜びに満ちていた己の姿を映している。
もしこの愚かで怠惰な旅の果てに、この結果が待つと知っていても、
彼女は最初からもう一度、幸せになるためだけに同じことをしただろうか?
硝子に映る赤は、その服の赤だ。
少女は己の手から赤を加えようと、強く強く硝子を握った。
過去と現在の境界がぼやけ、光揺らめく表面に熱が灯っていく。
少女は今、ふたたび感じていた。もう一度、かつてないほどに強く。
その全身を溶かしてもまだ足りない……どうしようもない後悔を。
意味も知らずに彼女が今ここにいるのは、ほとんど意地のようなものだ。
硝子を集めたのは楽しむためで、理由を考えることは微塵もなかった。
そんな彼女だからこそ、自分自身を終わりない拷問のような快楽主義に溺れさせ、
挙句の果てに出来たのが、目が潰れるほどに眩く輝くあの監獄だ。
すべてがすべて、無意味に無意義に行われた。そしてその命をも彼女は失いかけたのだ。
「なぜ?」と問おうにも、答えなどなかった。
幸せのためかといえば、それも違う。
膝をつき、頽れて、胸にある確かな思い出にむせび泣きながら、
彼女は自らの間違いの重さを知った。
自身を膨大な量の愛と命で囲いながら、
その全てに嫌気が差しているという事実が、また少女を嘆かせる。
終わらない嘆きの中で泣きじゃくりながら、少女はその身の限りに考え続けていた。
自分が起こしてしまったことと、そこに遺り得た意味を。
https://wikiwiki.jp/arcaea/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC/Main%20Story/Luminous%20Sky
何も感じない心から自身の記憶を思い出したことにより、あまりにも無知だった自分の行動を大きく悔いた。喪失感が苦しい。
自分は愚かだった。そこで硝片を掴んだ光は、その手から流れ落ちる赤を身に纏うため、強く手を握る。この後悔を断ち切るために。
記憶の硝片を集めるのは自分の楽しみのためであり、ただ快楽に溺れていただけ。このまま進めば、自分は本当に命を散らしていた。
たくさんの愛に囲まれつつ、本当は嫌だった。この事実は、光にとって大いなる嘆きをもたらす悲哀なのだったと。

ひたすらに愛ある記憶を集めた結果、単なる快楽に身勝手な行動だとわかった光ちゃんは、ただ涙をこぼす痛々しさを見せる。
つまり欲望に身を任せると、自分を破滅に追い込んでしまう。これがおそらく、彼女が悟った間違いのことなんだと思う。
確かに自分自身も思い出せば、この欲望=楽を求めることにつながってるので、後で後悔する事態を招くのはよくわかる。
だからこそ人は過ちを認め、そこから気づきどう行動するか。という自戒を思い出させる、生々しいシーンともいえるかな…。
1-9
静寂。
古い時代の欠片がしばしば落ちては、その静寂が止む。けれど少女の苦悩は落ち着いていた。
もう咽び泣くこともなく、光をたたえる硝子の狭間で、乾いた涙を頬に、
褪せた血をその手に残して、彼女はじっと座っていた。
恐れも憂いも、後悔ももう止んだ……だから彼女は前を向かねばならなかった。
今までしてきたことは誤った導きの先にあった……そもそも、導かれてすらいなかったのだ。
「シアワセな光景だけがいい」という考えだけで、彼女は空をよい記憶だけで満たした。
その不可思議な欠片たちを一箇所に集めることがどのような危険につながるかを考えもせずに。
今はもう、自らを呑まれかけたことでその脅威に彼女は気がついている。
続けたいのなら、理由がなくてはならないのだ。
彼女は自身が忘れた古き疑問へと答えねばならない。
つまり、この世界にはどんな意味があって、なぜ彼女がここにいるのか?
なぜ彼女には、彼女のことを拒絶する苦難の記憶の欠片もあるのに、
優しい記憶たちが引き寄せられるのか?――そもそも、彼女は何者なのか?
瞳に再び光が灯り、彼女は震える足で立ち上がる。
すると、身の回りのアーケアも合わせて動く。
興味深い様子でそれを見つめると、その手をおもむろに持ち上げた。
アーケアたちもそれに合わせて浮き上がるのを見て、彼女はふと考えこむ。
彼女は今までと違うことに気付いたが、彼女の内もまた違っていたのだ。
招かれなければ、硝子片たちはもう彼女のもとに来ることはなくなった。
彼女自身、二度と綴じ込められるつもりもなかった。
血に汚れた手の甲で涙を拭い、自分を新しい道に導いた欠片を連れて歩き出す。
彼女は欠片をそのままに、改めてこの奇妙な世界に向き合うと決めた。
それが良かろうと悪かろうと、そうしてこの世界の意味を見つけるのだ。
それだけは確かに、彼女は誓った。
https://wikiwiki.jp/arcaea/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC/Main%20Story/Luminous%20Sky
涙は乾き手から流れる血は色あせ、たくさん悔いたのも終わり。もう前を向くしかない。今までの行動は誤りだった。
幸せだけを集める目的で、良い記憶の硝片を集めるのは大きな危険を生む。その事実がはっきり分かった。
そもそもこの世界の意味や、自分は何者か。答えを見つけるべく、足を前へ進めなけばいけないと思う。
改めて硝片を見ると今までと違うが、自分も同じ。もう惑わされず、自分でこの世界が何なのかを知るのだ。

しばらく続いた後悔も済ませ、再びこの世界を歩き出そうと決心した光ちゃん。その瞳には心が戻り、もう間違いは犯さない。
そう強い状態に変化した彼女は、今自分が居る世界や自分自身がいったいどういう存在なのかを知るために歩みだす。
これは人間が成長した瞬間とも言え、聡明な彼女の像を一回り大きくしたね。何があっても、そう簡単に折れることは無くなったか。
しかし一つ、このArcaea世界に散らばる硝片は、集まると何か不吉な力を宿すことが良く分かった。かなり危険な代物らしい。
大量破壊兵器か何か?
過ちに気づいた光ちゃん
自分で作った檻で比喩でもなく死にかけた彼女は、ようやく気付く。自分の行動が全て間違っていたことに。
そう、自分自身でそれに気づくって、中々難しいんだよね。普通は誰か他人に指摘されて気づく、なんてパターンが多いから。
もちろん今は独りぼっちの光ちゃんにとって、そんな状況は望んでいてもできない。ただ快楽にふけるだけではダメなんだ。
彼女の成長っぷりを見守りたい。
今回はここまで。次回は有料パックの”Vicious Labyrinth”に焦点を映そう。こっちは対立ちゃんのお話の続きになるよ。
あの時、忌まわしき記憶を全て粉砕するかの如く、黒く強い決心を固めたもう一人の主人公は一体何をするんだろう。