記事公開日:2019.7.18
最終更新日:2025.1.29
「最初から結末が分かってしまう、オチが読めるライトニングホーク」。2019年に発表された、東京マルイの限定モデル。
カプコン作のゲームでおなじみ、バイオハザードシリーズからヤツが現実に舞い降りた。
その武器の名は”ライトニングホーク”。ベースモデルがデカいのに、更に大きさを持った化物ハンドガンの一つ。
シリーズファンでもないのに購入してきたので、本記事でレビューしていこう。
申し訳ないけど、大きな不満が目立った。
東京マルイ安定のクオリティに、少々疑問が残ってしまったモデルになっちゃったよ…。
ライトニングホーク凄いけど売れない?
国内のエアガンメーカー最大手である東京マルイは長い間、ゲームメーカーのカプコンとコラボを続けてきた。
エアガン愛好家なら知ってる人も多い、サムライエッジシリーズが代表的な製品。あれ、何年くらいずっと続けてるんだろう…。

この動きは製品に合わせて通年販売or限定販売と、いくつも世に解き放たれた。本記事でレビューするモデルは、限定品扱い。
本体はもちろん、パッケージも特殊な包装になっているので非常に凝った作りでファンを魅了することうけあい。
実際に入手してみると、それに違わぬ豪華っぷりはさすがのマルイ。…と言いたいんだけど、個人的にはあまり刺さらなかった。
製品としての質が、いつもより微妙。
なので、正直損した気分になっちゃったよ。もちろんこだわりの良いところもたくさんあったのは間違いないんだけど。
レビュー開始 確かに豪華だが…
まずはパッケージからで、すでに箱からしてかなりデカい。外側は紙製の段ボール風だが、明らかにガスブロハンドガンの大きさじゃない。
多分普通のマルイ製ガスガンパッケージで比較すると、2.5倍くらいはあるんじゃないだろうか。存在感が凄まじいよね。
初出は「バイオハザード2」。リマスターの意味を表す、RE:2も入ってる。
設定上はゲーム内でのカスタムモデルなので、試作品を関するPrototypeの文字。改造にかかった代金のレシートなども写ってるのが芸コマ。
段ボール風の紙箱を開けると、これまたデカい木箱が姿を表す。丁寧にニス塗りされた、ガチ物の木箱でまぁ重たい。
デザインはゲーム中の姿にそっくりで、非常に臨場感あふれるね。表面の文字は、焼入れ処理でつけられた文字だ。
木箱のフタを開けると、ようやく銃本体が姿を表す。中の保護材は、ガンケースによくある凹凸の黒スポンジ。
型抜きされた場所に本体や付属品が収められており、上からビニールカバーが覆われる。
付属品は替えのスライド、マガジン、少量のBB弾と。各種取扱説明書入りだ。
本モデル専用の取扱説明書は、簡単な資料設定集も兼ねた内容。これが開発された経緯とかが載っているので、ファンにはたまらん。
吾輩はゲーム本編をやってないので、全くわからないんだけど…。
左にある紙の箱は、現実の弾薬だと使われる.50AE弾を収納するポケット。いわゆる予備弾薬用の箱ってところかな。
本体を取り出してみた。見てわかる通り、とんでもなくデカい上に銃身もかなり長い。堂々とし過ぎである。
ベースモデルはかの有名な特大ハンドガンである、イスラエルで開発されたデザートイーグルなので、そりゃそうなるわな。
あれですら銃身は6インチ=約15.2cmを誇るけど、こっちは10インチ=約25.4cmとかいう、超ド級のロングタイプだ。

ちなみにマルイ製のデザートイーグルも、通常モデルが3種類あるよ。6インチのブラック・シルバー・10インチブラックというラインナップ。
元々6インチのシルバーを持っているので、後でそれと比較してみようかな。
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残弾が無くなると、スライドがこの位置で止まるホールドオープン。デザートイーグル系列は、後ろ半分のみが動く仕様。
こんな状態でも、あまりの巨大さに言葉を失うほどだ。うおでっか!。
お次は刻印。黒いスライドに直接彫られているので、ちょっと写真だとなんて書いてあるのか見えづらいかも。ごめんね。
左面側にはライトニングホークのロゴ、デザートイーグル共通の英文が彫られる。背景が黒かつ文字が小さいので、目立ちにくい。
右面側には別の英文の刻印が入り、通常のデザートイーグルと大きな変化はない。
あとスライドの上面には、印刷された文字も入る。刻印については、限定モデルの割にはかなり控えめな印象だ。
とは言え要所要所、ライトニングホーク特有の文字やマーク等が入るので、多少の特別感はあるかな。主張は激しくない。
銃の先っぽ。一番オーソドックスな、インナーバレルが少し飛び出るタイプ…ではない。なんか少しだけ延長されたパーツが飛び出てる。
コンペンセイターと呼ばれるもので、上部に穴がいくつか空けられた見た目が特徴的。
実銃だと弾に火薬を使う関係上、燃焼した時のガスが放出される。弾と一緒に銃口からガスが出るのだが、爆発力が高いのね。
閃光や音がかなり大きいため、射手にとっては困りもの。問題解消のために、ガスの逃げ道を上に増やして軽減を図ったのだ。

ただしエアガンだと、当然火薬は使わない。というか動作の元になるのは、低圧のガスなので燃焼効果も無いしな。
なので、このコンペンセイターは雰囲気を上げる飾り以外の意味がない。かっこいいのでヨシ!
スライド下部と上部に設置された、20mm規格のレイル。下側は5スロット分あり、ここにフラッシュライトなどを装備するのもアリ。
更に重くなるけど。
上側には、さらに長い20mmレイルが設けられてるよ。こっちはスロット数が豊富なので、長めのピストルスコープとかもイケる。
あえて取り付けてみるのもありか…と思いきやなぜか取説には、なるべくアクセサリはつけないでほしいとの注意が。
樹脂製なので、強度不足を懸念がある模様。

銃刀法の関係で、拳銃型のエアソフトガンは樹脂製でしか作られない。もちろんマルイのハンドガンもそうなってる。
他のモデルでもレイルありのものなら、いくらでもライトや小さいサイトを付けるカスタムなんかいくらでもあるはずなのだ。
にも関わらず、これだけ注意書きがあるということはおそらく、限定品で貴重・ブローバックが強いモデルだからかもしれない。
スライド後方を見ると、ハンマーやセーフティレバーがあるよ。セーフティを下げているとロックがかかり、上げると解除される。
カチッとした感触があり、操作感はしっかり指に伝わるかな。スライドには縦のみぞが入り、これが滑り止めの役割を果たす。
ハンマーはシルバー染めで、形は通常のデザートイーグルと同様。穴が開いてないタイプだ。
またグリップとハンマーの境目には、大きく盛り上がるガード付き。ココの形は、アメリカの傑作銃であるM1911A1と似てるかも?
リアサイトから狙いをつけようとすると、こんな感じに見える。特にホワイトドットとかは入っておらず、狙いが付けやすいわけではない。
というよりスライドが長いので、距離が大分離れてるせいであんまり精密に狙えない可能性が高い感じ。この中には無粋か。
ちなみにリアサイトの形状だが、ここは普通のデザートイーグルとちょっと違う。写真だと空白部分が逆Tの字に見えると思う。
ただしノーマルバージョンは凹の形状なので、なんとも珍しい?マイナーチェンジ。
トリガーに目を移そう。こちらは普通のデザートイーグルと同じ、角ばった形のトリガーガード。そしてゆるやかなカーブを描くトリガー。
可動範囲は狭く、クリック感ありなので撃ったかどうかがわかりやすい。連射するのも苦じゃなく、ここは楽に操作しやすいのがGOOD。
トリガーのすぐそばには、銀色に輝く小さなマグキャッチボタン。ここも片手で構えたまま、親指で押せる位置にあるので操作感は良好。
銃の裏側に出やすい、パーティングラインの処理。新し目のモデルに近づくにつれて、線はかなり薄いかそもそも存在しないレベル。
しかし古いモデルだと、ガッツリ残ってるから細かい雰囲気を損なう要因になりがち。
ただ流石にライトニングホーク、限定品だからか線が見えないような処理を施されているので丁寧な肌と言えるね。
素晴らしい。
もっと本体の下へ目を動かすと、実際に手で握るグリップへ到着する。木目模様がほどこされた、プラスチック+ラバーの二段構え。
木目がキレイでダークブラウンなカラーも相まって、見た目は力が入ってる。
ただしここで、本モデル最大の欠点が露出。握ると、グリップが妙にギシギシ音を鳴らすのだ。
マガジンの有無にかかわらず、嫌な音を出しまくるのでもう色々と台無し。通常のデザートイーグルには、こんなこと無かったのに…。
もしかしたら個体差なのかもしれないけど、我輩的には勘弁してくれよと言いたくなるほど。せっかくの限定品が…。
がっかりイリュージョン。
最後はマガジン。クロームステンレスモデル(シルバー)と、全く同じものが付属。
スライドは別タイプに換装可能
ライトニングホークは、スライドを別タイプに交換することが可能。木箱内に入ってた、銀色のパーツがそれだね。
10インチ→6インチにサイズダウンしたことにより、少し取り回しが良くなる効果がある。
交換後は、吾輩が見慣れたクロームステンレスモデルに瓜二つ。
ちなみにシルバースライドの方は、リアサイトがさっきのバージョンと異なり、通常モデルと全く同じ形に早変わり。
奥のサイトがボケちゃってるけど、蓄光ドット入りなのでこっちのほうが狙いやすい。
大きさの比較用に、ライトニングホークとクロームステンレスモデルを並べてみた。流石に4インチの差がかなり開くので、より巨体に見える。
元がデカいは禁句。
ライトニングホーク側のスライドをシルバーに変えて、クロームステンレスモデルと並べると、パッと見はかなりそっくり。
わかりやすい違いは、グリップの柄くらいだ。しかし2丁分は、半端じゃなくゴツい。
グリップの不満が凄い
よし、それじゃあ総評に移ろう。まず吾輩が思う、この中の悪いところ↓
・20mmレイル使用は非推奨
・グリップが太すぎる
・グリップのギシギシ音は最悪
・定価が高すぎ
次はいいところ↓
・パーティングラインが無く銀メッキがキレイ
・(一応)拡張性が高め
・トリガーのクリック感は良好
正直な感想を言うと、やっぱり限定品と言うだけあって細かい作り込みは凄い。箱からもその力の込め方が、よく伝わった製品。
ただし、なんで?と思う部分も多く、個人的には動作的な面の粗さがすごい目についた。マルイクオリティは安心だったのに。
まずツッコミ箇所が3つあるよ。1つ目は20mmレイルを使うのが、公式では非推奨な部分。
いやゲームの姿を再現してるのはわかるんだけど、どうも蛇足感が強い。じゃあなんでつけたんだよ、って感じ。
2つ目は全てを台無しにするほど酷い、グリップのギシギシ音。今まで十数丁マルイ製品を握触ったけど、こんなのは初めてだ。
これだけで相当萎えちったよ。本当にちゃんと検品したのか?と、疑いたくなるレベル。経年劣化とかじゃないからね。
そして最後の3つ目は驚愕の値段。本体はもとより、パッケージも過去類を見ないほど豪華な作りになってた。
それゆえ公式からの希望小売価格は、なんと42,800円(税別)という。吾輩がお店で買った時は、税込み約4万円くらいだったかな…。
流石に強気すぎないか?

という具合に、印象としては不満点のほうが強く残った限定モデルって感じ。熱狂的なファンにもおすすめしにくい、そんな製品かなぁ。
正直、ゲームファンじゃないから余計に買うのを後悔した…。せっかくの限定品なのに、色々もったいない出来だと思う。
力作とは言い難いよ。
元々売れ残ってた疑惑?
実はこのライトニングホーク、販売開始してしばらく経ってからもお店で普通に買えちゃったので在庫が余ってたみたい。
普通限定品って、通販での予約争奪戦になるレベルなのですぐ売り切れるんだよ。確かその時点では、コイツもそうだったはず。
でも高すぎる定価も相まって、キャンセルが相次いだのかもしれない。
まぁ、定価4万円超えのガスハンドガンは、マルイの中では後にも先にも無いからね。1丁の金額としては高すぎるのも納得。
そして製品の質は、珍しくハズレにしか見えなかったので余計残念。そういうときもあるか。
今回はここまで。とはいえ、やっぱり限定品という肩書はどうしても魅力に映る。今後も良さそうなモノがあったら、ちゃんと買うつもり。
マルイさん、お願いします。