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女子用体操着の金字塔であったブルマ興亡の歴史を追う

記事公開日:2018年6月11日
最終更新日:2025年4月18日

 

「その紺色の姿は多くの人々にとって、羨望と戸惑いを集めるものだった。」運動会や体育中の女子といえば、ブルマ。

こいつは絶対に外せない。

 

今やその姿を学校で見ることはできなくなったが、この存在を忘れてほしくないために採用と滅亡の歴史を紹介しておく。

失われた遺産をここに。

 

ブルマ=女子のアイコン

ブルマはかつて、昭和時代の学校で使われていた女子用の体操着だった。もちろん今では、その姿を見ることは叶わないけど。

その昔は当たり前だった光景が、とある理由や騒動によってわずか数年の間に完全に失われたのは、なんとなく知ってる人が多いかも。

特に1990年代に学生だった人は、男女問わず学校生活の自然な光景の一部であり、体育の授業や運動会の風景に溶け込んでたんだよね。

吾輩は生まれたばかりです。

ヴィーゼ
ああ…、そうだね…。

 

紺色のブルマと白いシャツという組み合わせ、機能美と独特のシルエットは、当時の野郎連中にとって青春の記憶と言ってもいいレベル。

あの若き女子生徒たちが体育の授業で跳んだり走ったりする姿は、昭和から平成初期にかけての超貴重映像だったと思う。混ざりたかった。

ただし現在、外れた世代の人間にとってブルマは「昔の変わった恥ずかしい体操着」としてしか認識されてない。そんな感じなんだよ。

時代の変化によって「不適切」という烙印を押されたんだけど、実は一つ大事なことがそこには眠っていてな。知っておいてほしい。

女子たちが魅了され、女子たちが嫌がった。

 

残念だが当然の結果でもある

ブルマが学校現場から姿を消した理由は、直接的に見ると割と単純。しかしその裏には、複雑な事情があるのね。

最も大きな要因は、平成初期前後にかけて起きた「視線の変化」というのが最も。本来は機能性を重視した結果のブルマだった。

しかし着用する側・見る側で意味がだんだん変わってくる。わかりやすいのは、男がえっちな目線で見るようになったこと。必然。

 

同級生に限らず、大人の変態愛好家たちが「ブルマ観察」なる行為を始め、えらい社会問題になったんだよね。そりゃそうだわ。

加えて、昨今と同じようなフェミニズムの視点からも批判が集まる。露出の多さ(生足や生ふともも・ラインが出まくるお尻)を指摘される。

男女不平等パンチ!

タート
見られたくないんだよ…。

 

それらを加速させたのは、当時のメディアにおける描写もそう。青春ものの漫画やドラマ、映画だけでなく悪い意味で広まりすぎた。

もはや学校用の衣料じゃなくなってきちゃうんだよね。いやぁ、世間ってのはいつの時代でも、暴走すると恐ろしいもんだわ。

ぶっちゃけこの辺を言われてしまうと、同じ男である吾輩としても、無くなるのは当たり前すぎる流れだなと納得してしまうほど。

 

結局興亡は女の子の意見が主

ここで少し細かく、採用から滅亡までの歴史を辿っていこう。一言で言えば、すべて女子の言い分によるものだよ。

ブルマの採用は、大正末期から昭和初期にかけて、まず女子の体操服として徐々に全国で使われるようになる。

この当時はやや大ぶりで素朴なデザインで、いわゆる「ちょうちん型」と呼ばれるタイプ。素材も木綿で作られたものだ。

 

 

それから時が経ち、パッとしたイメージに近づくのは昭和の中期。素材はナイロンやポリエステルなどの化学繊維に変わる。

ついでに体へフィットするデザインへ進化し、色彩も学校によって紺、赤、白などのカラバリが増えたんだよね。

大事なのは、当時の日本女子バレーチームがあまりにも強すぎるブルマ集団だったため、それを見た全国の女子が心を奪われたの。

アナゴン
このときの女子たちがカッコいいと思った模様。

 

そこからはまさに黄金期。この時期のブルマは、学校体育の象徴として完全に定着し、女子生徒の姿として当たり前の地位を獲得。

体育の授業では、跳び箱や鉄棒などの器械体操において、スカートでは危険という実用的な理由もあって、めっちゃ重宝されたのね。

天下はここまで。

 

 

だがさっき言った通り、平成初期前後から状況が変わる。野郎どものえっちな視線に耐えられなくなった女子が、みんな嫌がり始めたのだ。

それが露見した途端、急速に廃止運動へ事態が進み、たった数年の間に姿を消したブルマであった。ああ、なんてもったいない…。

クロミちゃん
悔しがってんじゃないワヨ。

 

さてここであなたは気づいただろうか。

最初にブルマをカッコいいと思ったのは、昭和中期の女子たちで、着用を嫌がったのは平成前後の女子たちという事実に。

歴史を紐解くと、もともとは着用者である女子たちの声によって、広く取り入れられ、一気に絶滅したんだよね。

 

しかも、廃止運動に拍車をかけたのは魅力に取りつかれた女子の世代じゃない人間なんだよ。ここがすごく大事。

だから同じ女子といえど、世代が違うから感じる価値観も全然別物になっちゃうんだよね。意外と知られてない。

…まぁ、結局そうなった要因を作ったのは、性欲にまみれた我らオスの人間であるのは否定できないけど(泣)

 

ブルマ女子は永遠に心のなかに

ブルマの消滅は、単なる衣服の変更だけの意味じゃない。昭和→平成の時代移行という側面も無いわけじゃない。

かつて当たり前だった風景が、今では亡き姿になり、よく知らない世代(我輩含め)”恥ずかしく変な体操着の一種”になった。

時代の移り変わりの犠牲者か。

 

 

特に当時の学校生活を過ごした世代の一部の男にとって、ブルマの消滅は青春の記憶の一部が永遠に失われたという喪失感になる。

価値観が変わっていくからしょうがないけど、やっぱりぽっかり心に穴が空いた感触を得てしまうのではないかな…。

 

今回はここまで。それでも、吾輩はブルマを履いた女子をリアルで見たことはないけど、とっても大好きな愛好家である。

その魂の叫び、衰えることなし。

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