記事公開日:2021年3月7日
最終更新日:2025年11月10日
「新たな少女の生誕から始まる、続きの物語」。かつてArcaeaの世界は創造主によって、一度その役割を終えたのだが…。
何の因果か、またこの世界に生まれ落ちた人間がいたそうな。
今回はメインストーリー第二部の最初にあたる、”Lasting Eden”の前半を読もう。新キャラの”マヤ”を主人公にしたお話だよ。
Arcaeaストーリー Lasting Eden➀
前回は唯一の外部ゲームとのコラボストーリー、”Rotaeno”の話を綴ってきた。Arcaeaオリキャラの双子である”エト&ルナ”が飛び込んだ、不思議な異世界のストーリー。
そこで出会ったのは現地の少女たちである”イロ&ホッパ”たちなのだが、全4人がそれぞれの交流を重ね、一時の冒険を味わうといった内容だったね。
記事公開日:2021年2月26日最終更新日:2025年10月29日 「話をしよう、もう一度とても不思議でおかしい話をあなたと共に」。すでに存在として無くなってしまったかもしれないあの双子。彼女らをもう一[…]
まぁそれはさておき、本記事では”光”と”対立”という主人公二人が、愛憎纏う惨劇と救いを織り交ぜた第一部の物語終了後の話。
一度は”光”という世界の創造主の願いによって、この白き砂漠が広がるArcaea世界は崩壊の一途をたどり、全てが一旦無に帰した。
どうやらこの世界はそれで終わりというわけではなく、また何らかの運命によって再び活動を開始したようだ。その影響で目覚めたのが、新主人公の”マヤ”である。
二つは相容れない


https://arcaea.lowiro.com/ja
ストーリーモード上だと、第二部第一章の中央に鎮座する今回のお話。”マヤ”はWorldモードのマップを走って獲得しておいてね。
15-1
舞台は夜の帳が下りた異質なArcaea。流星のように生まれた“二人目”の少女、マヤが目覚める。
世界は普段の白昼ではなく裂けた紫の空と偽りの夜に満ち、彼女は曖昧な景色の中で泣き崩れる。
通常、この世界は来訪者に「身体」だけを与えるが、箱庭そのものが壊れ規則が乱れ、世界は交換条件を破った──マヤは単なる肉体以上の何かを授かって生まれてしまった。
再びArcaea世界が動き出すが、元々白かった世界ではなく暗闇に覆われた後になる。そこで”マヤ”は目覚めた。それと同時に、別の少女もいることが示唆されている。
この”マヤ”がなぜか泣き崩れているのだが、現時点では理由がわからない。更に彼女は、自分の体とプラスして何らかの能力?を持っているみたいだね。なんだろう?


15-2
マヤは暗闇に不思議と馴染んでいたが、ふとした光がきっかけで過去の暴力的な記憶の断片が押し寄せる。爆発するような色彩、金属音や地鳴りのようなノイズ、墜落する風の音──感覚が過去の映像と結びつき、鼓膜も顔面も殴られるような錯覚に襲われる。
世界そのものの壊れが彼女の知覚を汚しており、硝片(記憶の欠片)ですら恐怖の対象になってしまっている。外見も内面も分裂したようで、左右で違う髪色と瞳を持つマヤは、眠りながらも涙が止まらない。
世界は彼女を哀れみつつも、救いは用意されない。だから彼女は光や硝片を避け、安全な場所を求めて彷徨う。廃墟や洞窟、影の深い場所に身を寄せ、光が差し込まないことでかろうじて安寧を得ようとする。そんな逃避の旅の果て、マヤは暗い箱庭の外へ出ていたことに気づく。
歩き続けた先に、昼と夜の境界がごく近くに見える—緞帳の縁のように、世界が二分されている場所だ。そこで彼女は、自分がただの身体以上のものを持って生まれたこと、この世界と自身の不和がまだ続いていることを改めて実感する。
彼女が泣いていた理由は、記憶の硝片から覗くモノが原因だったようだ。それらは恐怖本能を刺激するもので、”マヤ”が見たくないものだったんだね。だからそれらが無いところを必死に探していると。
するとある場所にたどり着く。ずっと暗闇だった世界に、明るい境界線が見えるような場所。ここには今自分が居る世界と己について、何かの不和感を感じているらしい。ちょっとした違和感かな?


15-3
マヤが見たのは、ただの破壊ではなく完全な滅亡の光景だった。空から降り注ぐ眩い閃光、赤く灼ける光と地割れ、瓦礫と人々が薪のように積まれていく――その光景は短い悪夢であってほしいと祈るほど凄惨だった。数時間、それは終わらず、悲鳴と破滅の音が延々と続いた。
やがて彼女の耳に届いたのは命令の声。星の向こう側で暮らす人々を、徹底的に消し去る指示だった。マヤはかつて世界と繋がっていた。世界中の声が彼女の中を行き交い、しかしその声は一つずつ無慈悲に潰され、消えていった。最後に自分の声さえも消え、気がつくと彼女はたった一人、Arcaeaの地平に目覚めていた。
目の前には燃え盛る夕焼け、赤に縁取られた地平線。崩れ落ちたトンネルの中で、彼女は震え、いつから流れているのか分からない涙をこぼす。心臓を抉るような痛み、めまいと恐怖が襲い、視覚・聴覚は取り返しのつかない記憶を繰り返す。
すべてを置き去りにした最悪の真実――「なぜ私だけがまだいるのか」という問いが、断罪の杭のように彼女の胸を貫く。世界はただ、その嘆きを聞いていた。マヤは孤独と罪責、消せない映像と音に押し潰されそうになりながら、それでも生き残った自分と世界との間に亀裂が生じていることを痛感するのだった。
彼女はまた記憶の硝片を見て思い出してしまう。この世界で目覚める前=生前の記憶から蘇った、凄惨な光景を。おそらく戦火に巻き込まれてしまったんだと思う。
人が人によって消され、その指示を出す声が全てを塗りつぶす。しかし、Arcaea内で再び目覚めた”マヤ”は「自分がなぜまだ存在するのか」という事実に胸を痛めてしまう。


哀しい運命を背負った彼女
ひとまず本ストーリー前半部はこの辺で止めておこう。ある意味”対立”ちゃんと似たような状況に置かれつつも、”マヤ”の取った行動は恐怖からの逃避であるため全然違う。
あの時自分で見てしまった、惨たらしい光景が強烈なトラウマになっているようで、見たくない記憶の光景から思い出される内容はかなり酷い状況だったのだと想像できる。
彼女はその運命に抗えるのか?


今回はここまで。次回は同じストーリーの後半部を読んで考察していこう。Arcaea世界は楽園でもあるのだが、同時に酷なものを見せつけてしまう世界でもある。
そんな中、今後の”マヤ”はどうなるのだろうか。自分が持つこのトラウマを乗り越えるのか、それとも延々と引きずったままこの世界を生きるのか…。
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