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Arcaeaストーリーを簡単に要約&考察㊴ Colorful Dreamその2

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記事公開日:2021年2月17日
最終更新日:2025年10月28日

 

「もともと彼女は、何にも興味を持たない空虚な人間の一人だった」。”彩夢”は今でこそ、味を基準に様々なものを食べることで好奇心を満たしていたが…。

今回は“Colorful Dream”の続きであり、物語の中盤を読んでいきたい。そろそろずっとお腹が空いている理由が明かされるのであろうか。どうなんだろう。

 

Arcaeaストーリー Colorful Dream②

前回はこの”彩夢”が初登場し、Arcaea世界で目覚めてからしばらく経った後の場面から物語が始まった。満たされることのない空腹感を抱え、二匹のコウモリと共にトリオを組む。

彼女の食事と言えば、この世界に点在する記憶の硝片。これを食べると、その中に映し出された記憶や人間の感情が味と共に”彩夢”の中に流れ込み、彼女の興味を刺激する。

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なんか途中でちょっと危険な香りが漂う黒い渦内にある、硝片を食べてしまうほど恐れを知らない彼女であり、お供のコウモリたちもだいぶ楽観主義的な性格を感じる部分が多い。

ここは日常回から続く話になるんだけど、そろそろ何か大きな転換期が来るのではないかと思う。さぁ、彼女たちの物語をしっかり見届けてあげようかな。

 

やはり自身の記憶はない

https://arcaea.lowiro.com/ja

 

マップタイルではここから物語第二部に映る。そのため、原則としてはメインストーリー第一部を全て読み終わった後、という前提で話が進められるよ。今回は11-4から11-6まで見るので、この区間に何か必要な課金要素があるわけじゃない。引き続き、この物語をそのまま楽しめるという寸法だ。

 

11-4

目を覚ますと、彩夢の中には何も残っていなかった。味覚も言葉も興味もなく、あるのはただ「彩夢」という名だけ。彼女が目覚めたのは、空が歪み世界が砕けたよりも前――誰かが塔から落ちたあの頃と同じ時期だった。だが彩夢は何ひとつ携えておらず、空虚と飢餓だけが膨れ上がっていく。

立ち上がろうとしては倒れ、這いつくばってはまた倒れる日々。手は袖に覆われて何も掴めず、腹だけが痛む。周囲の硝子片や陽光はそこにあるのに、まったく届かない。味も言葉も欠けた身体は、ただ空白を眺め、頬を伝う水音とともに嗚咽を漏らすばかりだった。

彼女にとっての世界――『Arcaea』は、誰かの「自由になりたい」という願いから歪んで生まれた、ぼろぼろで不自由な場所だった。生まれたばかりの彩夢は、自分が何を渇望しているのかすらわからない。ただ内側からむさぼるような渇きだけが確かである。

そして、その苦痛が初めて明確に響いた瞬間、二組の翼が羽ばたいた。二つの硝片が、それぞれ二つの心へと流れ込み、彩夢の背中に寄り添うように折り重なった。声を聞く前から存在を感じ取り、到着した二つの羽はそっと彼女を包んだ。

初めて「温かい」という感覚が返ってきた。身を守り、慰め、共にいてくれる小さな存在――ファンスとドレムのような、彼女の親しい蝙蝠たちが見つけてくれたのだ。

 

場面はArcaea世界で目覚めた直後の”彩夢”へ。当時彼女は、体の感覚がほとんどなく名前のみ覚えていたという。時間軸的には、”Vicious Labyrinth”のストーリーと同じころ合いだね。

崩れ行く塔から落ちる”対立”という一方、空虚に覆われた”彩夢”は涙を流すばかり。何故なら何もできず、腹痛にうなされていたから。するとその時、二組の翼が彼女を包む。

ここでぬくもりに触れた彼女は初めて、この世界に降り立った後に仲間となった二匹のコウモリと出会えたという。見知らぬ世界での孤独は何事にも代えがたい苦痛だったから。

クタちゃん
一人はさみしいクテャ…。

 

11-5

彩夢は二匹のコウモリ、ファンスとドレムに導かれながら少しずつ立ち上がり、空腹を満たしていく。二匹は彼女がつまずくたび支え、空中の硝片(記憶の欠片)を拾っては差し出す。彩夢はその硬く平らな硝片を噛み砕くことで「味わい」を知り、噛む行為そのものが快楽となって笑顔を取り戻す。

涙は乾き、言葉が出せなかった彩夢が「おいしい」と素直に口にする瞬間、三者の絆は一気に深まる。以後の行程は順調で、彩夢は見つける硝片を次々と平らげる。廃墟や渦巻く群体、終末めいた記憶の塊ですら彼女の食欲の前には跡形もなく消え、世界に戻りかけていた「光」や秩序も徐々に回復する。

二匹は単なる案内者ではなく、彼女を守り育てる存在となり、彩夢もまた彼らに依存しながら生きる理由を育んでいく。

Arcaeaという世界は元来意味や秩序を欠いた場所であり、理屈で説明できる「目的」はない。だがその中で、彩夢とコウモリ二匹が見つけたのは小さな幸福──満腹感や寄り添い合う温もり、瞬間の充足だった。三人(匹)は別れ、それぞれ先へ進む。

 

二匹のコウモリは”彩夢”を献身的に支え、彼女自身もそれに応え徐々に笑顔を取り戻してきた。硝片を食べて「おいしい」と言えば、全員が一気に仲良くなる。それからは今の通り、順調な旅を続けてこれた。

どうやらこの二匹はこの世界における案内者ではなく、彼女にとって育ての親みたいな感じらしい。そうして彼らを頼り、”彩夢”はArcaea世界で生きる意味を見つけ出すのだ。

クロミちゃん
やっぱり辛かったのネ…。

 

11-6

彩夢は闇の中へ滑り落ちるように目を閉じ、過去の断片──孤独だった時期やファンスとドレムと過ごした記憶を反芻する。落ちている最中、肩に誰かがやさしく触れたような感覚に気づき、振り向くと仄かな光とともに「声」が響く。声は冷静で温かく、世界そのものに近い存在らしく、彩夢の体験をひとつずつ確認していく。

会話で明かされる事実は淡いが重大だ。彩夢は直近で強い閃光や混乱を見て倒れたが、その記憶は断片的で、空腹に駆られて周囲の硝片を貪ったこと、ファンスとドレムに助けられたことをぼんやり思い出す。声は「3日が経った」と告げるが、日数は重要ではないと言い、彩夢の問いに糸口を与えながら穏やかに促す。

声は彩夢の好み(動物は「コウモリ」、色は「緑」)を問い、彼女は無邪気に答える。緑=植物、赤=命や血という、彼女なりの味覚基準を語る彩夢に、声は苦笑混じりに優しく語りかける。やがて話題は「幸運/不運」へ。声は冷静に、彩夢が『幸運ではなかった』と告げる——外的な望まぬ結果が彼女を襲ってきたことを示しつつも、それは彼女の価値を否定しない。


声はさらに、「もし時間があれば(いつかがあれば)彩夢はもっと多くを得られただろう」と語り、彼女が唯一無二の存在であること、他の誰のコピーでもないことを肯定する。そして「あなたは良い子だ」「ここまで生きてくれてありがとう」と感謝と称賛を伝える。彩夢はその言葉に胸を突かれ、目に温かいものが溢れる。

最終的に、声の慰めと肯定は彩夢の内側に静かな温もりを残し、彼女は涙を知る。言葉にならない感情、安堵と喪失の入り混じった理解が降りてきて、彩夢は初めて自分の境遇とこの世界のやさしさを少し受け止める。

 

改めて一人になった”彩夢”は、過去の記憶を思い出す。すると誰かの手が自分の肩に触れ、振り返るとぼんやりした光が見え、声が聞こえた。その主は世界そのものに近い存在。

ということは、おそらく”あの衝撃的な出来事”があった後のところだろう。その声は”彩夢”自身を肯定し、生きることへの感謝を伝えると自然と涙があふれてきたという。

この暖かい感情は言葉で言い表せず、安堵や喪失が入り混じる複雑なモノではあるものの、世界は思っているより優しかったという事実に気づいたようだ。それは嬉しいこと。

ラガン
誰かに認められるのは良いよな~!

 

食べることで生きる意味を見出す

一旦この”Colorful Dream”はここまでにしよう。空腹が満たされない理由はまだ不明だが、食べることが彼女にとってどれだけ重要かが分かったお話部分だった。

目覚めた直後の辛い境遇を救ってくれたのは、仲間と食事。この2つがあったからこそ、彼女がこの世界で生きる道を見つけられたというのはすごく大きい。

また、その後に見知らぬ誰かではあるが自分自身を認め、存在を肯定してくれるのは何事にも代えられない喜びを知れたというのも、きわめて重要であろう。

ぬくもりとはそれほど大事なモノ。

 

今回はここまで。次はこの物語の最後を読んでいこう。最終的に”彩夢”が歩む結末をみんなで見届けよう。彼女は幸せになってくれ…。

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