記事公開日:2021年6月17日
最終更新日:2025年9月25日
「霊魂を司る彼女の目に映るものとは?」。このArcaeaの世界において、霊の存在がはっきりしたところの出来事。それの管理を生業とするレーテーは、一体どんな過ごし方をしているんだろう。
今回はArcaeaのサイドストーリーの一つである”Ambivalent Vision”パックの主人公、レーテーちゃんが主役となるお話。この物語の要約と考察を交えて、彼女がどんなキャラなのかを深堀りしていく。
Arcaeaストーリー Ambivalent Vison➀
前回のサイドストーリーでは、別キャラの”紅”ちゃんが何をしていたのかを辿ってきた。記憶の硝片に触れ、その中にある世界に入り込んでは楽しい思い出を作る。
本作屈指の癒し要素が詰め込まれた物語であり、朗らかな笑顔でこの退廃した世界を過ごせるのはある意味彼女だけなのかも。
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さて本記事では打って変わり、全く別のキャラである”レーテー”ちゃんが登場。二つの角を頭部に生やし、身の丈ほどの巨大な大鎌を携えるちょっと物騒な外見のキャラクター。
周囲に霊魂を纏わせるあたり、まるで死者の使いか死神の具現化にも見えるが、この世界のでの彼女はどんなことをするのか気になる。早速その物語を巡っていこう。
彼女の瞳に映る世界


https://arcaea.lowiro.com/ja
マップタイル状では第一部第一章の一番右上。一本道形式で読み進められる。
5-1
断崖から下界の営みを見下ろす語り手の世界は、死を迎えた者たちの「魂」が集まる霊溜まりによって成り立っている。
人々は生を離れると魂を脱ぎ捨て、それらは水のように形なく白く流れて光る場所へと召し上げられる。その光景は彼女(レーテー)にとって日常であり、仕事である。仲間とともに異常を監視し亀裂や揺れが起きれば現場へ向かい、囚われた魂を宥め隙間を塞いで転移を助ける。
彼女は崖から飛び降り、衣の一部を操って死者の影響を和らげ、大鎌を展開して飛翔しながら対処する──それがルーティンであり責務だった。毎日の繰り返しの中で、やがて自分もあの霊魂たちの一部になるだろうと自覚している。
しかし語りは最後に、そうした日常や知る世界が遠い過去のものとなり、今はもはや形のない記憶に過ぎないことを示して幕を引く。


これを見ると、レーテーちゃんはこのArcaeaの世界において他のキャラと違い気づいたらここにいたわけではない。もともとの住人?、であったような感じだね。
ぱっと見は可愛い死神みたいなビジュアルだが、どうやら亡くなった人間の魂を正しいところへ導く橋渡しの仕事をしているみたいだ。ということはあの大鎌も、別に人間をどうこうというわけじゃなさそう。
5-2
彼女は、ここで見聞きする「死」のあり方に違和感を抱いている。生前は死に来世も天国も地獄もないと考えていたが、この不可思議な領域──Arcaea──で目覚めたことで、その認識は揺らぐ。
灯台の天辺で白一色の景色と硝片を見つめながら、左へ伸びる橋をぼんやり眺める。腰には大鎌を携え、髪をかき上げると自分の頭に一対の角があることに気づく。
記録や硝片の中に角を持つ人間はいずれも存在しないため、その事実だけが彼女の関心を引き、時間の大半をそれらの観察と分類に費やしてきた。自分がかつて「種族」と呼べるものだったのか、霊を相手に働いていた「以前の彼女」を取り戻せるのか──答えはまだ遠い。
だが彼女は灯台を下り、どの硝片が去り残るかを確かめることで、新たな日常へ備え歩き始める。過去の断片を手繰りつつ、記憶の回復と世界の解明を続ける決意が示されて幕を閉じる。


どうもあの仕事をしていたのは、元の世界での生前の彼女であり、案の定Arcaea世界で目覚めた一人だったらしい。むむむ、少々話の順序がわかりづらいね…。
まぁさておき、今までの記憶をたどっても自分に生えている角を持った人間はいなかったからか、その存在にかなりの興味を魅かれた模様。自分という答えを知りたいようだ。
5-3
少女は大鎌を宙に携えて、魔法使いのように鎌の柄に腰掛けて荒廃した通りを下っていく。刃は旋回ごとに向きを変え、彼女の飛行は手足を動かすかのように滑らかだ。進むうちに道上に寄せられた硝片(記憶の断片)の群れが現れる。
群れは増えも減りもしないため、彼女は日々ここを訪れて観察する。硝片は互いに繋がらない断片的な記憶の寄せ集めで、遊戯や歌、悲嘆、巨大な機械群など内容はばらばら──まるでオムニバスだ。その非一貫性こそが彼女の興味を引き、特に「気に入った記憶」を探すのが目的になっている。
群れから一つの硝片を見つけることは干し草の中の針を探すようだが、ある硝片は彼女に好意を寄せるかのように近づいてきた。彼女は大鎌の右手を外して手を差し伸べ、その硝片を受け取る。
中に映るのは手製の小さなフルートを仕上げる最後の瞬間──長い年月をかけて彫刻師が情緒と感情を一瞬に込めた場面だ。吹けば不快な音色を生むが演奏は可能であり、この記憶は苦難の旅の終章であると同時に、より壮大な記憶の始まりでもある。
彼女はその趣深さを噛みしめ、同じ群れに属するほかの硝片たちもまた同等に特異であると感じる。


レーテーちゃんは大鎌をほうきのように跨って空を飛び、この世界を駆け巡る。そこら中に廃墟と記憶の硝片があるのは、他のキャラと同じ世界に居ることを示唆しているね。
ある硝片が近づいてきたので見てみると、ある人間の情熱などがよく見て取れる記憶であり、その趣を彼女をじんわり味わっているなんとも平和な雰囲気が流れているかな。
平和な物語の再来になるか
彼女もこの世界で目覚める前は、全く別の生物であったことは分かった。それが人間だったのか、もしそうであればなぜ霊魂が見えるのかは疑問がいろいろ生まれるけどね。
とはいえ、悲痛な運命に翻弄されやすいArcaea世界での彼女は今のところ、大きな波乱も無い物語となっており安心して読めるところではある。
このまま何事も無いことを祈るのみ。


今回はここまで。次はこのサイドストーリー後半部を読んでいきたいと思う。この先何が起きるのか、全く想像がつかないね。
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