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サビ残が更に横行する、”高度プロフェッショナル制度”はヤバいことに気がつこう。

  • 2019年1月18日
  • 2021年5月14日
  • 考察

 

日本における、所定労働時間って8時間が基本だよね。

もちろんその会社の基本就業時間・労働者の雇用形態に左右はされるので場合によっては短くなることもある。

それでも8時間って、結構な長さな気がするけど。

 

 

去年の4月ごろに、かなり話題をさらった制度がある。

所謂「高度プロフェッショナル制度」というものがあるんだが、中身を見ると中々にヤバそうな制度だってことに気づく。

これって、更に労働者を追い込むような事態になりかねないぞ?

 

 

いつまで働かせるですかね…?

 

 

 

 

 

 

 

 

高プロは結果を残せば、労働時間が減る?

 

人間、大人になると最終的に残した結果が一番重要視されるようになる。

もちろんそこに行きつくまでの過程も大事と言えば大事なのだが、第三者から見たときに一番判断しやすいところってどこだ?

当然最後の結果がどうなったかで、一番判断しやすいよね。

 

依頼されて出来上がったもの、任されたプロジェクトの結果などやったからには結果を残さないといけない。

社会人は誰においても、そのプレッシャーに晒され続ける生き物なのだ。

まぁもちろん、やっている内容によって大小の差はあるけどな。

 

 

その仕事において、長い時間をかけないと中々上手く進まないといったことは往々にしてあるでしょう。

とすると、雇われの労働者ならば所定労働時間外の時間を使って“残業”するほかにない。

ただしこの残業は、最近の世の中を見るとよくわかると思うがどんどん削減していこうという風潮になっているよね。

そもそも残業自体、いつもよりも自分の体に負担をかけているわけだし辛くて当然のモノだよな。

 

それを抑制するために、一時期政府が世間をにぎわせた「高度プロフェッショナル制度」なるものが可決された。

現法令は、今年の4月から施行開始とのこと。

ただね、調べてみれば見るほど思ったのだがコレで労働時間が簡単に減るわけないだろと言いたい。

どう考えても、経営者から悪用されるような未来しか見えません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 余計に、定額働かせ放題が横行するよ

 

考えてみて思ったのだが、この制度を導入したところで日本の労働価値観上今は絶対に合わない。

もちろん今後、大きくその価値観が変わるのならばまた違うのかもしれないけど。

 

労働時間を減らそうという動き自体は、すごく好ましい。

ぜひともそのまま突っ走って頂きたいのだが、残念な考えがいまだに蔓延っている。

まだ長時間働く=美徳ととらえている人間が、普通に存在していること。

上司だろうが、経営者だろうが、部下だろうが関係ない。

そう考えている人間が多ければ多いほど、この長時間労働削減の波は先に進まないでしょう。

 

特に経営者がこの考えのままの人間だと、この高プロ制度は間違いなく悪用される。

だって今まで決められた時間+残業で給料をもらっていたのが、無くなるわけだ。

その代わりに時間でなく、結果によって給料を判断されることになる。

時間というさじが無くなるので、いうなればどれだけ働かせてもいいということに裏返しだよね。(詳しいことは後述)

これを鑑みたときに、果たして結果を挙げたとしてもさっさと帰れるようになると思うか?

とてもじゃないけど、Omochiは思えないなぁ。

 

 

高プロの適用って、こういうことだよ

 

そもそもこの制度っていったいどういう内容なのか、字面だけ見てもよくわからんよな。

実際自分もよくわからないので、様々なところを調べていったところこういうことが分かった。

 

適用される人は、高年収+様々な条件の人

 

もし適用されるとなったら、基本的に該当する人はこうなる。

・年収1,075万円以上の人

・コンサルタントに代表される、高度な知識を専門として扱う仕事に従事する人

・仕事の内容がはっきりしており、被適用者が制度に同意する書面を交付すること

こんな感じの労働者に当てはまるね。

よって、今のご時世年収1,000万円を超える雇われ人は殆どいないので実際の対象者はものすごく少なくなる。

 

それこそ、中小企業の役員・大企業のかなり上位の管理職とかじゃないと本業のみではまず届かない。

しかし危惧されているのは、この適用年収等の条件がどんどん下がって、いずれかは平社員クラスでも適用されるかもしれないという点がある。

何が危ないかは、以下に続く。

 

 

 

最も危険な、いわれなき長時間労働が合法化する可能性

 

ここが一番懸念されるポイントであることは間違いない。

高プロ制度って、労働基準法の適用を外されるんだよ。

つーことは、今まで普通に支払われていた残業代がなくなる。

もちろん休日出勤の賃金も、管理職以上における深夜残業代も全て合法的に無くなる。

(まぁ黒い企業だと、そもそも払われていないということが往々にしてあるが、異常だよ)

 

 

だって、時間で測るのではなく仕事の成果で測るわけだからね。

最悪経営者が成果を出せていないと判断すれば、いつまでたっても労働から解放されることが無いということだ。

間違いなくクリアできないようなハードルだったり、成果物の出来具合に明確な基準が無ければ終わりが無い。

だから今まで以上に“定額(基本の月給のみで)働かせ放題”となってしまうと、もう労働者にとっては拷問だよなぁ…。

 

ごめんね、Omochiは経営者という存在をあまり信用できない性格のため、中々悪いようにしか見えなくなってしまいがち。

皆さんなら、この時間のあたりどう思うかな?

 

 

基準がきちんと決まっていれば、労働者にとって一転強い味方に

 

ただし負の側面ばかりではない。

裏を返せば、成果さえ出せば労働者はどれくらいの時間を働くかを決められるんだよ。

きちんと成果の基準さえ決まっていれば、短時間労働で済む可能性もある。

そのうえで、それに見合ったお金を手に入れることもできるよ。

労働者が手に入れづらい、まさに「自由」を獲得するチャンスだ。

 

そうすれば、やることだけさっさと済ませたら速攻帰っても良し。

子供がいる親ならば、特に朝とかバタバタしがちだからちょっと遅れて出勤するのもオールオッケー。

気分的にその日やる気が出なければ、上司の許可なく休んだって何も問題はない。

雇われつつも、自営業者に一歩近づいたような生活が出来ることも考えられる。

もちろん社員だから、会社の福利厚生類はしっかりあるし。

 

 

だから使い方さえ間違いなければ、不自由や理不尽に苦しみやすい労働者をすくってくれるという側面を持っていることも忘れてはならない。

 

一概に悪とは言えないんだよね、この制度。

ただし今の日本の現状を考えてみると、悪に転がる可能性がめちゃくちゃ高いから怖いんだけど。

 

 

少なくとも、長時間労働が是とされる風潮を根絶やしにしないと

 

今の日本の状態では、そのままこの制度を適用させるのは正直よろしくない。

というのも、適用される人間があまりにも少なすぎる。

そのうえこのまま施行されて、適用条件だけがどんどん下がってくることが何より恐ろしい。

そうなると、もう経営者としてはやりたい放題の祭りになることは目に見えている。

確かにお金は据え置きで、労働時間が減るのであるならばこちらにとって非常に魅力的だろう。

そうなんだけど、基本的に労働者と経営者のお金や時間の考え方って対立しやすいからなぁ…。

結局のところ、どちらかが妥協するパターンが多くなるのだが、多数の労働者が妥協すると大変なことになるよね。

 

とにかくお互いの時間の価値観を、もっとすり合わせて労働時間を根本から削減する風潮を作らないと、先に進まないよ。

 

 

 

 

今回はここまで。

なんかこういう話を見ると、ますます今後の労働者側が虐げられるようにしか見えず。

やっぱり雇われ人に、明るい未来は確約されづらいのだろうか?

するといつか自分も、人を使う側に回らないと幸せは訪れないのかもしれない。

 

 

あったかいわが家が待っている(棒)