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ワルサーPPK Sを本気でマスターしたいスパイのためのレビュー

記事公開日:2018年2月13日
最終更新日:2025年2月13日

 

「天下の名スパイ、ジェームズ・ボンドの懐刀だったハンドガン」。イギリスを股にかける、かの有名な007。

その彼が相棒として長年、映画世界の中で愛され続けたパートナーが、ご存じワルサーPPK。

 

本記事では、そんなモデルを日本のエアガンメーカーであるマルゼンが販売している。

ブラックのPPK/Sを手に入れたので、ご紹介していくよ。PPでもなくPPKでもないからね。

これこそボンドが愛した名銃か…。

 

マルゼンのワルサーPPK/S

ベースモデルはワルサーPPといい、1929年のドイツで生まれた銃。歴史で言えば、アメリカでの世界恐慌が起きた年だ。

つまり先日別記事でお話した、ワルサーP38よりも前に開発されたモデルだね。見た目はあっちよりも、より今風ではあるんだが。

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このワルサーPP、実銃でも外観の違いでマイナーチェンジ版が3つ存在しているのよ。型番が正直わかりづらいのは秘密。

一回り小型化したPPK、これにスライドだけほんの少し大きくしたPPK/S。見た目上はホントにわずかな違いなんだけどね。

 

日本のマルゼンに着目すると、現在のところ型番は実銃どおりの3パターン。PPのカラバリが2つ、PPが1、PPK/Sが3つ。

これから出すのはPPK/Sで、色はノーマルブラック、ブラックメタル、ステンレスというラインナップ。全部ガスブロタイプだ。

我輩のは、ブラックの一番シンプルなもの。

怪しまれない、スパイの装いにピッタリ。

ラガン
これが無骨で渋いのよなぁ!

 

レビュー開始

パッケージは少し鈍い感じのワインレッドカラーを採用した、紙製の箱。もちろんワルサーのロゴ入りで、おしゃれは忘れない。

見た目はシンプルでありながらごちゃつかない、上品かつ高級感という印象を受ける美しさ。

 

フタを上げて中身を覗くと、一つの仕切りで区切られた内部、本体はビニール袋で保護されるので、傷つかない配慮が丁寧だ。

ただ固定されているわけじゃないので、取り扱いは慎重に。付属品は掃除棒と少量のBB弾。

 

銃そのものの外観。写真では原色に近い黒だけど、実際はスライドがわずかに灰色がかった黒になっているのだ。

別カラバリのブラックメタルも見たことあるが、あっちの方がより真っ黒で光沢のある見た目。

 

残弾が無くなったときのホールドオープン。ベースからして小型のハンドガンなので、この姿でもかなりコンパクト。

ただ戻すときに少々クセのある仕様となっており、初見だと中々戸惑うんだよね…。何故ならスライドストップが無い。

やり方はマガジンを外して、スライドを後ろに引き元に戻してから、マガジンを再装着。

その後にまたスライドを思いっきり引っ張ってから、やっと射撃が再開できるという謎仕様。

ダッフィー
一手間増えてるな。

 

刻印はマルゼンのワルサーなら、どれもこれも実銃に忠実なのでマニアには嬉しいポイント。

全体的に彫りが薄い。

 

右側面に彫られた刻印。英文の意味はワルサーとマルゼンは正式の提携を結んでいるという意味。

他のマルゼン製ワルサーシリーズにも、きちんとこの文が入っている一種の証明みたいなもの。

 

スライド後方の安全装置&ハンマー。ハンマー自体は、丸い穴が開いたリング状だ。

 

安全装置はレバーの上げ下げでロックをかけられ、赤丸を隠すとセーフティがかかる。ちなみに両利き対応よ。

 

リアサイトから狙いをつけると、こんな見た目。固定のリア・フロントで白点等は一切なし。

狙いやすくはないが、そもそもスナイプするようなハンドガンじゃないからまぁ良いか。小さいのが利点だしね。

 

トリガー周辺に移ろう。引き金自体はキレイな曲線を描く、ごく普通の三日月形を模したもの。可動範囲はまずまず広い。

トリガーガードも滑らかな曲線で、シルエットの美しさを更に引き出す感じ。真っ黒なのはボディと変わらず。

ただ左上に映るマグキャッチボタンがクセモノで、想像以上に上の位置すぎるのが難点握ったままだと親指が全然届かん。

 

銃の裏側のパーティングラインをチェック。さすがマルゼンさん、線は見当たらずにしっかり処理されておるわ。

いい仕事してる。

 

次はグリップ。細かく規則性が保たれた、三角形のチェッカリングがびっしり配置されてる。もちろんロゴ入り。

ここはボディと違い、光沢感あふれるツルツルのプラスチックが使われているようだ。実際に見ると、若干色味がちょっと違う。

また一つ難点があり、グリップの全長が少し短すぎて、握ると指がかなり窮屈。男性だと、下手すりゃ小指余るで。

 

最後のマガジン。金属製の弾倉とプラスチックのマガジンバンパーで、カラーリングが銃本体と似たような感じかな。

そもそも銃自体が小さいのでマガジンも同様だから、ガス・BB弾の収容力は一般サイズのモデルに比べ少なめ。

 

総評 欠点は実銃譲り?

ではでは、銃のまとめに入ろうか。利点と欠点、それぞれ固めてまとめていくよ。

・再射撃が少しやりにくい
・継戦能力が少し低い
・マグキャッチボタンの位置が悪い
・グリップが少し短い
・再版が遅い
・刻印、パーティングライン処理は十分
・小さく軽いので携行のしやすさは抜群
・デリンジャーと違いある程度の戦力を持つ
・マルゼンのみのラインナップで希少

 

悪いところはぶっちゃけ実銃譲りの部分が多いため、マルゼン製がどうのこうのって話じゃない。

ただ一つだけ、スライドストップのところはもしかしたらマルゼン独自なのかもと思ったかな…。

 

良いところは、サイズの関係上隠し持ちやすい。軽いので移動の妨げにもならないだろう。

更に緊急時用の小型拳銃と違うので、射撃戦闘に持ち込むことは十分に可能。女性向きかも。

007シリーズだとボンド=男性だから、手の大きさに合ってたのかどうかは疑問が残るけど。

ヴィーゼ
女スパイのほうが合ってるんじゃ?

 

ワルサーPP全般に言えるんだけど、製品化してるのがマルゼン以外見当たらないんだよね。

我輩がざっと調べた限りでは、海外製も含めて見た記憶が全然ないのよ。ある意味貴重ではある。

入手性に相変わらず難はあるが、この銃に憧れるなら事実上マルゼン一択はシンプルだ。

 

今回はここまで。この銃を見ると、子供の頃にハマったFPSの金字塔。007ゴールデンアイのプレイ風景を思い出す。

あのゲーム、当時散々やってたなぁ…。