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M93Rデザートスパルタンさんとはいったい何者なのか

記事公開日:2020年2月3日
最終更新日:2025年3月4日

 

「ここから始まる、M93Rのニューカマー」。そう、こいつは超有名ハンドガン、M9の親戚であるモデルから更に派生した亜種。

意訳すれば、強き砂漠の民だ。100年に一度男が生まれる、かのゲルド族かな?

 

こんなわけで、今回はKSC製のM93Rバリエーションである”デザートスパルタン”を、こころゆくまでレビューしていくよん。

これが砂漠の民伝説である。

 

M93Rの砂漠特化仕様

一度でも拳銃の世界に入ったことがある人なら、その名を知らぬ人間はいないであろう。M9というハンドガンをね。

イタリアの銃器メーカーであるベレッタが開発し、アメリカ軍の主力拳銃の座を射止めたモデル。世界中から愛される存在だ。

 

本来のM9は単発射撃のセミオートだが、1970年代に発生したテロ事件を機に、フルオートもできるピストルが欲しくなっちゃった。

そこで登場したのが”M93R”という進化形で、これも国内エアガンメーカーから製品化がされてる。電動はマルイ、ガスはKSCが鉄板。

 

今回はKSC製のM93Rなので、ガスブローバックに該当する。さらにその中のバリエーションとして、”デザートスパルタン”があるんだ。

ここではそいつをメインにレビューしていくよ。名前に入っている通り、ボディカラーが砂の色になっているちょい珍しいモデル。

デザートに込めたKSCの愛情を。

 

レビュー開始

まず外箱なんだけど、KSCのイメージカラーっぽいダークグリーンの背景に、機種名のみとシンプルなデザイン。

M93R-AG(C)シリーズと共用のパッケージだが、似たところのM93R-Ⅱシリーズとはちょっと違うややこしい仕様で使われているっぽいね。

 

ふたを開くと、中に本体一式や取説などが同梱。銃の先端を見ると、なんだか型抜きスチロールと長さが合っていないのがわかる。

おそらく流用元のモデルが、M93RC セカンドバージョンからだと思う。あっちはアウターバレルが少し長く、こっちは若干短いからか。

 

ちなみに銃には関係ないけど、こいつは試しにAmazonで買ったんだよ。普段はエアガンショップを使うんだが、あっちのほうが安かったから。

ただ発泡スチロールが一部折れてたりしたので、神経質な人はちゃんとした専門ショップの店頭か通販で買うことを激しくおすすめしとくね。

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本モデルの外観。製品名の示す通り、ベースカラーはまさしくデザート。砂色でもあり、見ようによっては粘土の黄土色と感じるかも。

所々に黒のプラスチックがあるツートンだけど、やはり想定としては砂漠戦特化の見た目に見える。これはかっこいい。

素材はABS樹脂ではあるが、表面のメッキではなくどうも成形色の模様。つまり、中身まで全く同じ砂色なので、削れても色がおかしくならない。

 

弾がなくなるとスライドがここで止まる、ホールドオープン。内部に仕込まれるは、黒く染められたアウターバレル。

 

本モデルはKSC独自のカスタムという位置づけもあってか、スライドにはほとんど刻印が彫られていない。シリアルナンバーだけ。

また、元々実銃のM93Rにはフルオートモードが搭載されているため、本来であればアウターバレルのそばにフォアグリップが付く。

反動制御用の持ち手だね。

 

ただしデザートスパルタン含む、いくつかのM93R派生モデルはそのグリップを完全に取り払い、携行性を高める方針にしてある。

そのため、フル装備モデルよりも全体的にコンパクト、といった趣が強めだよ。当然反動は抑えづらく、暴れまくるが。

クタちゃん
素早さ重視クテャ!

 

スライド後方は普通のM9と大きく変わらず、滑り止めのセレーション・一部穴開きのリングハンマーを装備。見慣れた形。

 

安全装置のレバーはここ。写真と同じく、赤丸を隠すように下げればトリガーにロックが掛かる。構えつつ親指で操作できる、使いやすい位置。

 

セーフティレバーのすぐそばにあるのは、射撃方式を変える別のレバー。これが、M93Rの数ある大きな特徴のうちの一つ。

写真上から”セミオート、フルオート、3点バースト”を、ワンクリックで切り替えられるスグレモノ。凄まじいロマンを誇るね。

シームレスに変更できるので、その時の戦況や残弾次第で柔軟に対応できる。たまらんなぁ。

 

ただ一点、このモデルに関係して気をつけてほしいのが、同シリーズの他モデルは一部3点バーストをデフォルトで備えていないこと。

公式サイトのカタログラインナップに、必ず説明書きでその旨が書かれているので、もし購入するなら事前に確認しておこう。

コール
後で3点バーストは追加できるよ〜。

 

リアサイトからの眺め。じっくり狙うなら、こんなふうに覗いて見ることになるよ。フロント・リアともに形はありふれたもの。

ただここでまた変わった特徴があり、ご覧のようにリア中央へレッドドットが入るという。よくあるホワイトドットじゃない。

ボディカラーとの親和性を考えたうえでの赤丸だと思うんだけど、初めて見たなコレ。

 

トリガーとトリガーガード周辺。引き金は真っ黒で、これまたオーソドックスな三日月のツメ型。まぁ普通だね。

ガードはかなり幅広な楕円形で、なかなか広い範囲を覆うもの。これだけ余裕があれば、指が太めな人でも安心できるだろう。

個人的にはもうちょっと狭いシルエットのほうが、好みではあるけどあなたはどう?

ラガン
かなりデカいガードだな!

 

またガードの付け根には、真っ黒のマグキャッチボタン。元のM9譲りで、構えたまま親指のみで操作可能な位置にあるので、脱着は楽かな。

 

お次はグリップ。黒いプラスチック製で、細かい三角形のチェッカリング入り。滑り止めとしてはまずまずといった具合。

ただ特別太くもなく、かといえば薄いわけじゃないちょうど良い厚みのグリップは、手が小さめな日本人にしっくりきやすい。

またグリップ底部外側にあるのはランヤードリングで、紐などを通しておけるものだね。体にくくりつけることが可能だ。

 

あとマガジンがフルオート搭載モデルゆえ、セミロングタイプになっており、装弾数は38発もの容量を誇る。セミオートでの継戦能力は抜群。

3点バーストなら、13回分トリガーを引ける。フルオートは一瞬で無くなるのがお約束。

ダッフィー
ソレはしょうがねえだろ。

 

ここも個人的な好みで言えば、グリップから突き出たマガジンのシルエットがあまり好きじゃないんだよね。わがままだけど。

銃身とマガジン含めたグリップの長さは、突き出ない程度の比率が一番美しいと思うから。

まぁオプションでノーマルマガジンも出てるので、交換すればいいだけの話。

 

最後はマガジン単体を。さっきもお伝えした通り、38連発のセミロングマガジンなので、通常のものより少々長め。

グリップに隠れるところは黒、外に飛び出る部分は本体に合わせてデザートカラーを採用。

もちろん、同社製のシリーズ共用マガジンなので使いまわしOK。

 

総評は廉価版だけど十分な迫力

さて、最後のまとめに入るよ。まずは本モデルの良いところと悪いところ。

・重心が後ろ寄りで違和感を感じる
・スライドが噛み合ってない?
・フォアグリップの省略
・セミロングマガジンのシルエット
・数少ないサンドカラー主体のモデル
・ABS樹脂だが表面の質感は素晴らしい

・リアサイトには珍しいレッドドット
・廉価なのに3つの射撃モード搭載
・装弾数の多さによる継戦能力の高さ
・グリップの持ちやすさは従来のM9ゆずり

 

先に悪いところで気になったのは、記事の途中で言及しなかった部分。スライドと重心問題だ。

1つ目のスライドは、どうも噛み合わせが悪いのか本体を振るとカタカタ揺れる。今までのケースだと、途中で引っかかるパターンだったけど…。

射撃になにか不備が出るわけじゃないが、単純に安っぽさを感じちゃうのがよろしくない。

スティッチ
せっかくの銃がアァァ!

 

2つ目だけど、マガジンが長いからか片手で持った時の重心が真ん中になってない。構えるとリアヘビーに感じるんだよね。

重たいわけじゃないけど、これはこれでなんか違和感が強いのが難点。

 

反対に良いところは結構たくさんあって、廉価版という位置づけを考えれば良くできた製品だとも思うわけさ。

表面仕上げ、射撃モードの充実っぷりは中々他所では真似できないんじゃないかな。

特に3点バースト搭載のハンドガンって、周りを見渡してもKSC以外には無い気がする。かなり稀有な存在ではなかろうか。

ジェラトーニ
ヘビさんには嫌われるけどね(ニヤニヤ)

 

ちょっとした粗はあるものの、単純に射撃するためのハンドガンとしては十分過ぎる魅力を持つのがデザートスパルタン。

これだったら数あるKSC製の中でも、あまり気兼ねなく外に持ってってガンガン使うのはありだと思うよ。サバゲー適性は中々高い。

品格あるデザートスパルタン。

 

今回はここまで。砂色はコンクリ多めの市街地戦でも、結構相性がいい色なので、もし購入したら色んな場所で試す価値はあるよ〜。