エアガンの商品紹介ページを見たとき、こんな表記を目にしたことは無いだろうか?
ABSとHWという文字を。
これ、エアガン(だいたいハンドガン)に使われる素材のことを指すのだ。
「この2つの違いっていったい何に影響してくるの?」
よくわからない方は、これがどう違うのか気になってくると思う。
元来は同じものだが、仕上げの一種の違いかな。
とくにHWはABSの亜種とでもいうべきか。
本記事ではどちらがどう違うのか、エアガンを持つならどっちがいいのか?
この辺をたっぷり解説しよう。
エアガンを選ぶ際の参考にしてみてね。
エアガンにおけるABSとHWの違い 元は変わらん
この2つ、元を辿ればどちらも基本は同じもの。
ABSっていうのは、いわゆる合成樹脂のことを指す。
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンを混ぜたプラスチックのことなのだ。
適度に硬く耐久性も高いプラスチックで、周りの様々なところで使われている。
例えば大量に存在するフィギュアの材料の一つとして。
他にも食器や子どものおもちゃにも使われる、すごい身近なプラスチックなんだよね。
![](https://hiro-hydra.com/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
もう一方のHWは”へヴィーウェイト”という名前がついてる。
実はコレ、さっき出たABS樹脂に金属の粉を混ぜたものなんだよ。
プラスチックそのままだと、おもちゃとはいえリアリティに欠ける声があって…。
少しでも見た目の質感を上げようとして作られたのがこのHWだ。
元の素材に+αのものを使っているので、若干HWのほうが手間を入れてる感じかな。
基本的に外観で感じる質がプラスチッキーかそうじゃないか。
ここが最大の違いでございます。
まぁ一種の仕上がりにおける差だと思ってくれれば正解かな。
ガンガン外で使う用がABSで、じっくり干渉する用がHWに向いている。
という観点でどっちを使うか決めてくれれば、大体問題ないよ。
ABSに混ぜ物をしたHWが作られるようになったワケ
実銃はボディが金属で作られたものが非常に多い。
一部ポリマーが使われるものもあるが、それは衝撃に耐えられる素材だから。
火薬で金属の弾を発射する以上、そこをきっちり受け止める必要があるわけね。
こうして簡単に殺傷力が生まれるのだが、当然こんなもの一般人が持てるわけない。
少なくとも日本国内においては。
これを模したおもちゃがエアガン。
マニアが愛好する分、基本的に大人向けの製品であることがほとんど。
できれば限りなく実銃に近い状態が理想だが、そこは日本だと法律が許さない。
たとえエアガンだとしても、ボディが金属でできていると銃刀法違反に触れる恐れがある。
今のところ、ライフルタイプはセーフだがハンドガンタイプはアウトだ。
その代わりに使われたのがプラスチックなんだよね。
これなら軽く加工しやすく、銃刀法違反にも引っかからない。
これ以上ないくらいうってつけなのだが、一つ弱点があった。
外観に全くリアリティが出ず、愛好家にとっては大きなマイナスポイント。
ABS樹脂だと、どうも概観がプラスチック感全開でイマイチ…。
そこでどうしようか考え抜き、作られたのが樹脂に金属粉を混ぜるHWだ。
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購入者層の年齢が比較的高く、見た目のこだわりを持つ大人向けの商品が多い。
すると性能はもちろん、やっぱり見た目にも気を配ってある商品がほしくなっちゃう!
概観もなるべくリアルであればあるほど、所有欲自体が満たされやすくなる。
そういうものが好きな人は、お金に糸目をつけずに買ってくれる。
本物の金属じゃなくても、上手く素材を使うことにより一歩でも実物に近づける…。
代替物で表現するのは簡単でないが、ユーザーの欲を刺激するためにがんばるメーカー。
その心意気に感服せざるを得ない。
メーカーによってどっちを使ってるか大きく分かれる
現在日本国内のエアガンメーカーでは、どちらを使うかだいぶ違うのよ。
これはターゲットの中でも、どこを重視した層を狙うかによってだね。
どのメーカー製を選ぶかでも、目的別に探す基準になるから…。
ざっくりでも構わんので、少し知っておくとエアガン探しに便利かも?
最大手の東京マルイは、基本的にABSしか取り扱っていない。
基本的にここの場合、サバゲー用に特化した製品をたくさん作ってる。
後で細かく説明するが、性能と壊れにくさと安さを追求するので見た目は二の次。
おそらくフィールドで最も見かけるメーカーのエアガンだと思う。
アフターフォローも最も強いので、初めてならとにかくここのモノを使ってほしい。
一時期外観があまりにもと言う声があったけど、最近は結構頑張ってくれてるよ。
ABSと言えど、観賞用にも十分な製品も出てるのでぜひとも見てほしい。
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次点の大手であるKSCだと、ABSとHWどちらも取り扱う。
というよりマルイ以外のメーカーは、両方とも使ってる場合がほとんどかな。
性能は中々ながらも外観も捨てない、おいしいとこどりを目指すメーカー。
明らかに金属の重みが味わえる質感はかなり素晴らしいものだ。
マルイより値段は高めだが、まぁまだまだ現実的なラインだと思う。
製品群もハンドガンではマルイの穴を埋めてくれるところを突く。
欲しいモデルがここしかない場合もあるから、覗いてみるものまた一興。
あまり説明すると長くなるので、これ以上は割愛するけど…。
ABSこそサバゲーに投入したい
まずはABSから。
本当にそのままの樹脂を使ったエアガンの場合、特徴はこんな感じ。
・外に置き続けなければ耐久性は高め
・実銃がポリマーフレームなら、ABS樹脂でもすごく似たようなものが作れる
・HWに比べると値段が安め
・大手メーカーの東京マルイは、基本的にHWを使わずABSがメイン
・ただし中には非常に見た目が安っぽいプラスチックになることが多め
やはりこれらの特徴から、ガンガン射撃…。
サバゲーや的当てといった、とにかく撃ちまくって楽しむやり方が非常に合う。
特にサバゲーで使う場合、ABSで作られたエアガンのほうが都合が良い場面が多い。
まず樹脂がメインなので、そのままで比較的軽量なものが多い。
中には重りを仕込んであったり、サイズが大きいから比例して重くなるモデルもある。
走ったり止まったりしゃがんだりが多いサバゲーでは、軽さは動きやすさに繋がる。
加えて構えたときに、身体や手がプルプルしにくいのもポイント!
そして耐久性についてだが、一般的にはHWよりも高いといわれているのだ。
樹脂そのものは剛性・耐衝撃性・硬度などがバランスよく仕上がっている。
それをそのまま使っており、総合的な耐久性は中々良いものだと。
もちろん直射日光に晒し続けたり、連続使用すれば劣化はするが。
そして値段だが、ABSのままのエアガンのほうがHWよりちょっと安い。
後付加工をしていないので、その分お値段が抑えられるんだよね。
例えば我輩が持っている、「コンストリクター」を例にしよう。
公式サイトによると、このモデルのバリエーションで3種類ある。
・シルバー ABS=24,800円
・ブラック HW=24,800円
(2019年当時)
となっている。
同一カラーで比較すると、2,000円ABSのほうが安いのだ。
というわけで、財布にもちょっとだけ優しいです。
一点悪い…というか、メーカーごとに外観の仕上げはかなり差が出やすい。
ABSは樹脂=プラスチックなので、どうしても安っぽく見えがち。
やはりあくまでもプラスチックなので金属っぽさを出すのは中々難しいのが現状。
悪いものだとまさに第一印象が「すげえおもちゃ感…。」となる。
じっくり質感を眺めたい場合は、ちょっと興醒めしてしまうかもしれない。
(ポリマーフレームのモデルを使ったエアガンの場合、そうとは限らないけど)
総じてABSのエアガンは、バンバン射撃する用途で使うことをオススメするぜ。
HWは自宅でねっとり干渉する目的が良い
一方のHWは主にこんな特徴をあわせもつ。
・全体的に持った感じがずっしり来る
・耐久性がABSのみに比べて少し低め
・値段がちょっと高い
・使われるのはほぼハンドガンばかり
・国内メーカーだと、準大手~中堅どころがよく作っている
おおむねこのあたりかな。
こっちはこっちでいろいろあるのだ。
一番HWで優れているのは、やはり表面の質感でしょう。
パッと見た限りだと、あまりABSと大きな違いは感じにくい。
しかし近くによって見てみると、表面が気持ちしっかりしているように見える。
プラスチックだと、このツルツル感がものによって安っぽく見えがちだが…。
HWは金属粉を混ぜているので、全身金属っぽい重厚さが出てくる。
特に実銃が金属主体のモデルだと、HWの強みはよりいっそう出てすばらしい!
手に取った感じも、なんだかずっしりと来る重みを感じられるのも嬉しいところ。
モデルによっては実はABS製のほうが、実際は重いってこともあるんだけど。
それでもHW製のほうが重く感じるのは思い込みもあるかも。
ぐぐっと手に伝わる重さを感じて、一人でニヤニヤ楽しいのがHWだ。
ただガンガン使えるタイプの素材か?、と言われるとちょっと疑問が残る。
先にも説明した通り、HWはABS+金属粉で出来たものだ。
要は樹脂に余計な混ぜ物をしているせいで、固めたものが割れやすいとの話もある。
純粋なプラスチックに遺物である金属粉を混ぜているから、純度は下がる。
素材は混ざりものが無いほうが、普通は耐久性が高いからね。
簡単に壊れることは少ないが、ABSと比べるとそういう傾向であることが多い。
加えてライフルはハンドガンに比べて金属使用が認められやすい。
よって、HW製のライフルを俺は今まで見たことが無い。
あくまでもハンドガン用の仕上げの一つだってことを覚えてほしい。
とまぁ、HWは総じて観賞用やお座敷シューター用の趣が強いね。
もちろん愛好家の中には、HWでもガシガシサバゲーで使う人もいるよ。
ちょっと初心者向けじゃないが。
目的別に狙った素材のモデルを選んでみよう
さっきの特性の話はあくまでも特性にすぎない。
決してABSが観賞に絶えない、HWはサバゲー向きではない。
というわけでもないのでご注意を。
逆の用途でも使えるモデルは十分に使えるぞ。
その辺を考慮して、どちらが自分に合っているかを選んで見てほしい。
![](https://hiro-hydra.com/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
今回はここまで。
最近HWの銃も手元に徐々に増えてきたから、その違いを見るのが楽しい!
興味があれば、両方の素材を間近で並べてみてはいかが?
吾輩は鑑賞するのが好きなので、HWのほうが好きだよ!
しかしABSでも、十分綺麗なものは一杯あるから探してみるべし。
この重厚さ、まさにヘビー級!