「簿記2級に受かりたいんだけ独学で行けるもんなの?」
うんうん、それなりに大変だけどできるはできるよ。
我輩はこれについては自分で独学のみで突破したから実証済み。
ただ沼にはまる可能性がそこそこあるので、念のため注意ね。
今回は簿記2級を勉強している方向けの話。
合格に向けてどう勉強すべきか、吾輩が提案したいところを解説するよ。
クリアのカギは工業簿記にある!
簿記2級を独学で攻略するコツは工業簿記が握る
民間の資格として根強い人気を誇り続けている簿記。
初めての人は3級、慣れてきた人は2級、士業の足掛かりとしての1級と…。
社会で歩き渡るためには、色々と有効とされる場面が多い資格の一つ。
意味ないっていう人もいるけど、資格自体は持っててマイナスになるものじゃない。
一般人ならば、2級まで持っていれば十分とされることも多い。
我輩もそうだし、ここをクリア出来たらその先をやるつもりは今のところなし。
ただし、2級の試験は3級に比べて当然難しくなる。
それが合格率に出ており、概ね3割を下回ることがほとんど。
下手すりゃ1.5割しか合格しない回とか平気で出るからねぇ。
おかげで吾輩も散々苦しんだ。
なにせ挑戦して6回目でようやく終わったくらいだから。
かなり受験料をお布施にした感は否めないが、クリアはできた。
そこで我輩思ったのだが、受かるための攻略法は工業簿記が大きい。
この事実に気づいたので、ぜひ勉強中の方にシェアしたいぜ!
工業簿記は慣れるまで大変だが慣れたらイージー
2級ではすでに勉強している方がご存じの通り、2つのジャンルに分かれるよね。
3級範囲分の延長にある。
3級は個人商店レベルの取引だが、2級は企業間の取引が主体になる。
最初から感覚がつかめている分、なじみやすいもののこっちのほうが難しい。
本試験では、大問1~3の60点配点。
2級から新たに追加される新範囲。
全く下地がないため、最初はとにかく意味が分からなくとっつきづらい。
しかし慣れると断然こちらのほうが簡単に感じる。
本試験では、大問4~5の40点配点。簿記では、100点満点中70点以上で合格できる。
こんな具合に分かれるのだが、両者の難易度を比較すると工業簿記のほうが簡単だ。
多分2級を突破した人に聞いたら、大多数がそう答えるんじゃないかな?
実際吾輩もそうだったし。
始めたては商業よりも難しく思うが、内容がわかればこっちのモノ。
加えて商業・工業ともに問題のパターンがあるが後者のほうが少ない。
言ってしまえば型に当てはめやすい問題ばかり出るんだよね。
よって対策も商業ほどあれこれする必要もなく、最終的に簡単に感じやすい。
我輩が合格できた時は、工業簿記の獲得点数が36/40点だった時。
それ以外の落ち続けたときは、大体30点すら届かなかった場合ばかりだったな。
こっちで点数を稼げると商業がダメだった時のリカバリーが効きやすい。
ちょっとここで配点を一度考えてみよう。
簿記2級は大問5つが各20点ずつ。
100点中70点取れば必ず合格できる、絶対評価制。
仮に大問4~5の工業簿記で40点を取れているとすると、残りの必要点数は30点。
60点分の配点がある商業簿記で、最低半分取れればそれでおkとなるわけだ。
難しめの商業簿記と言えど、勉強していればすべてが回答不可にはならないはず。
商業全体のうち、半分に相当する30点をとるなら行けそうな気がしない?
更に言うと、商業簿記は以前の試験よりさらに難しくなっている。
2017年以前の範囲から、2018年にかけて範囲の改定があった。
特に1級の範囲だった連結会計の一部が、2級に降りてくるとのことで当時話題に。
自分がクリアできた回も、連結会計が降りてき始めた時で厄介だった。
対して工業簿記は、特に範囲の改定も無く今まで通り。
削られた部分もないが追加されたものもないため、今までのテキストが死なないよ。
<追記>
本記事は2021年1月に修正したため、改めて最新情報を見てみたよ。
上に書いた当時のまま、商業は範囲が変わってから現在では変化なし。
かなり難しい連結会計やアップストリームなどがドカッと入ったまま。
もちろん勉強するに越したことは無いけど、最悪捨てるのもアリかな。
工業は変わってなかったので、ぜひここを完璧レベルに抑えたいところ。
工業簿記をほぼすべて理解できるのが理想
独学で進める上においては、参考書と問題集は必ず。
試験日一か月前ほどまでは、ひたすら本で知識の強化を。
そのあとはネットから過去問を拾ってきて、複数回解いてみてね。
直近6回分ほどやれば、おおよその点数や問題パターンがわかると思う。
ここはおそらく、ほかのサイトでも同じようなことを言っているはず。
商業・工業ともにどちらから手を付けても構わない。
ただ個人的には工業のほうから勉強するのがおすすめかな。
我輩は勉強を始めた当初、進め方の前知識が無かったから商業からだったが…。
今の自分が過去の自分に言うなら、ぜひ工業簿記からやってほしいと言いたい。
前の項でも言った通り、慣れるまでが大変だが慣れるとそこまで難しくない。
最初は何を言っているのか全然理解できなかったが、めげずに勉強を続けると…。
「ああ、なんとなく言いたいことがわかってきた」
という感覚が手に入る。
それが来ると、恐らくそこまで難しいことを言っているわけではないとわかるはず。
問題集では仕訳はもちろん、製造間接費の算定などいくつかパターンがある。
ざっと一通り解いた後、過去問を見てみると気づく。
「これ問題集で出た図とほとんど似ているような…。」
とこんな感じで既視感が出ることが多い。
つまり、今までやったやり方が本試験でも通用しやすいんだよね。
実際見てみれば良くわかるよ。
だから慣れさえすれば、本番でも点数を取りやすいわけ。
反対に商業簿記は、最初こそそうでもないがじわじわと難しさが上がっていく。
最初は新しい勘定科目の説明くらいだったけど…。
途中から出てくる表の複雑さがだんだん見てて嫌になってくる。
しかも微妙に日本語の説明が言い換えられたりして、そこの解読もね…。
何言ってるんだ状態になりやすく、これまた厄介なのよ。
個人的に苦手だったポイントは2つ。
一つは3級より複雑になった決算仕訳からの財務諸表作成。
大問で言うと3つ目に配置されることが多いかな。
そもそも決算仕訳が正しくできないと、表の作成はまず無理。
わからなくても部分点がもらえることはあるが、大した点数にならない。
20点中10点取れるかどうかがとても多くてさ…。
多分ここは人によって得手不得手がわかれやすいかもしれない。
そしてもう一つ要注意なのが、やはり連結会計だろう。
親会社と子会社を具体例に出して、連結の決算書を作れっていう問題。
元々1級の範囲だったものが、一部こちらの2級に降りてきた。
その中でも簡単なパターンのときのみ出題とか出てたけど…。
それでも2級勉強中の身には、かなり難しい部類に入り点数が取りづらい。
こちらも大問3あたりによく配置されるところ。
場合によっては大問2になることも。
というわけで、大問2~3の商業簿記はあまり点数が稼げない可能性が高い。
だから工業簿記でかなりの点数を取らないとめちゃくちゃ厳しい戦いになっちゃう。
逆にいえば、工業簿記で満点を取れるとそれだけで合格にだいぶ近づくんだけどね!
簡単にざっくりおさらいすると、点数の獲得配分的にはこんな感じかな?
大問2…何が来るかよくわからないブラックボックス。簡単なものも難しいものも有象無象。期待せず8点程度を。
大問3…財務諸表関係の問題が来る。難しいが12点取れるとありがたいところ。
大問4と5…工業簿記で対策がしやすい。死ぬ気で40点中36点か満点が必須レベル。
これで換算すると、かなりぎりぎりで72点ほど。
少し余裕が出ると80点台以上も行ける可能性が出てくる。
実際の試験でも解く順番は工業簿記から
ここで少し余談。
本試験でどの順番で問題と戦うかだ。
どこからやるかは自由なので、自分のスタイルに合わせていこう。
我輩がおすすめする順番は、一番最初に大問4か5から始める。
終わったら大問1に戻り、大問2と3は最後に残しておくやりかた。
初っ端から商業簿記に取り掛かるのはお勧めしない。
まず頭が疲れていない状態で解きやすい問題からがベターだ。
くだらないミスを防ぎやすく、集中力の持続しやすい最初が肝心。
先ほども言ったように工業は慣れさえすれば簡単な部類。
ぜひとも最初に解いて、満点あるいは近くまで取りたいところ。
それが終わってから、商業のかんたんな部分に取り掛かろう。
おそらく大問1はわかるかわからないかが白黒付きやすいはず。
わかる問題はすぐに解けるし、わかんなかったら手が止まると思う。
わかんないやつは飛ばして次に行こう。
幸い一部が解けなくても、ほかの仕分けとはつながってないので大丈夫。
厄介な大問2と3は、純粋に解く時間がかかりやすい。
最初にここから手を付けると、ほかのかんたんな問題を解く時間が無くなる。
面倒で難しいことが多い大問は最後に解くことをお勧めだ。
実際吾輩も本試験では、説明したとおりの順番で攻略したよ。
難しいと言われる分クリア出来たら達成感が強いぞ~
以上が簿記2級を攻略するポイントのまとめだよ。
とにかくここをクリアするには、解き方や勉強方針ももちろん大事だが…。
最終的には“どれだけ問題をこなして、慣れることが出来たか”が勝負だ。
そのために泥臭くても、ひたすらシャーペンと電卓を打つ手を止めないでほしい。
特に工業簿記は慣れの性質が非常に強く、問題パターンが少ないから対策もしやすい。
真っ先にここからの強化をして、安定して点を稼ぐのが合格への近道だな!
使った参考書は安定の”滝沢ななみせんせー”監修のもの
最後に自分が簿記の攻略用に使った相棒がこちら。
“滝沢ななみ”せんせー著の所謂「スッキリ」シリーズ。
王道どころではあるが、使用者が多いだけあってとっつきやすい一冊であった。
可愛げのあるキャラクターが、わからない勉強者のためにあれこれ教えてくれる…。
そんな見た目にも温かい、見やすい一冊だよ。
参考書を検討中の方は、ぜひとも候補に入れてもらいたいものだ!
今回はここまで。
散々苦労したため、今まで受けた資格試験の中では色んな意味で一番思い出深い。
それだけ受かった時には、筆舌に尽くしがたい嬉しさが込み上げてきたよ。
あなたにも、その時の感覚をぜひ味わってもらいたいので健闘を祈る!
ボーダーラインを突破しよう!