強大な怪物を、自分の持てる技量と武器や道具によって狩る。
一時は一人で、またある時は複数人で協力して倒すのだが、相手は絶望的に強くこちらは圧倒的に不利な世界…。
そんな状況に身を置く狩人(ハンター)は、心を躍らせるとんでもない人間と言えよう…。
そんなところをゲーム化したシリーズである「モンスターハンター」は、数多くのゲーマーを魅了し一大タイトルとのし上がることに成功した。
今回はこのゲームの中に登場する、依頼=クエストの名前について個人的にいいなぁと思ったものを紹介していくよ!
過去にハマっていた人も、あるいは今ハマっている人もたっぷり共感してくれ!
本当によく練られているなぁ…。
大人気ソフトのモンハン
CAPCOMから2004年に初リリースされた、「モンスターハンター(初代)」
その4年後に発売された、PSP用ソフト「モンスターハンターポータブル2ndG」を皮切りに、一躍国民的ゲームの地位を築き上げた。
当時の熱狂っぷりは半端じゃなく、PSPを持つ人間の大多数は必ず持っているソフトと言ってもいいくらい人気だったんだよね。
基本的にストーリーはあってないような場合が多いため、やったことない人に簡単に説明すると…。
デカいモンスターを倒す
↓
手に入れたアイテムで武器防具を作る
↓
新しいでかいモンスターを倒す
↓
新しいアイテムで武器防具を作る…以下無限ループ。
という、やることの流れが非常に単純なゲーム。
もちろんOmochiも過去にハマっていたため、このゲームに総計何時間費やしたか分からない。
このシリーズだけ、他のゲームよりも異様にプレイ時間が長くなるのはもはや恒例。
懐かしいぜ…。
モンスターを狩るために、依頼を引き受ける形でゲームが進む。
この依頼にも一つ一つ名前がついているのだが…。
とにかくハイセンスなものが多く、非常にかっこいい。
プレイ済みの方なら、誰もがそう思うレベル。
語感がイイか、難しい言葉が多いのは印象に残りやすい
その名前の何が素晴らしいかって、だいたいこの2つなんだよね。
一つは“口に出すと、やたらと語感がよくしっくりくる”言葉のパターン。
日本語でいえば、俳句や短歌をイメージしてもらいたい。
あれって、どんな言葉でも決められた文字数で文章を作ると非常に気持ちよい感じがあるでしょ?
日本人の感性において、古来より磨き上げられたものの一つなんだよね。
昔の歌人たちが、自分のセンスを向上させるために用いられているモノなので後世でもなお語り継がれる。
それほど人々の印象に残りやすい証拠の表れであると言える。
複数ある語感の良さからくる定型文字数の名前は、やはり現代においても強い印象を与える効果は折り紙付き。
そこを上手く言葉と織り交ぜて、クエスト名にされるとそりゃあテンションが上がるんだよね!
2つめは、“難しい言葉を多用する”パターン。
特にこの手のモノは、中高生にとって非常にウケがいい!
なぜなら、中二病を発症してしまうとやたらと難解なものに手をつけたがる彼らの習性にベストマッチしているから。
難しい熟語だったり、普通の人なら絶対につけないマークを名前の前後に付けちゃったり…。
はたから見ていると、ほほえましいのだが彼らは真剣なんです!
そこに難しめのゲームである「モンハン+普段あまり使わない難しい言葉」が重なると、彼らの格好のえさになるのだ!
初めて見た熟語を必死に調べて意味が分かった時に、そのクエスト名の背景と一緒に考えると謎のカタルシスを得られる。
なんでか分からんが、自分がちょっとカッコよくなってしまう錯覚まで覚え始めるんですよね…。
とまぁ、こんな要素がごちゃ混ぜにされたクエスト名がとにかくかっこいいのが多く見える。
コレ実際に考える人は、かなり苦労しているんだろうなぁ…と思うけど、ありがとうございます。
Omochiがかっこいいと思うクエスト名
上に上げた理由は、全部過去の自分のことなんだけどね(笑)
恥ずかしいわぁ…。
Omochiは全ての作品をプレイしているわけではない。
一部対象外の作品があるから、そこはご了承をお願いします。
基本的に「モンスターハンターポータブル」~「モンスターハンターダブルクロス」
までの作品から紹介していくね!
時系列順ではなく、けっこうぐっちゃぐちゃに行きます。
加えてランキングではなく、列挙方式で。
起源にして、頂点
これは、モンスターハンターポータブル2ndで出てきた。
同作のオンライン最後のボスとして「覇龍 アカムトルム」を討伐するクエスト名。
なぜ起源なのかというと、このアカムトルムは飛竜種に分類されるモンスター。
ゲーム中に、色んな飛龍種がボスとして出てくるのだがそれの始祖(に近い存在)だとされているため。
完全に起源(オリジナル)というわけではないのだが、発売当時はまさしくそのものとして扱われていたため、クエスト名にも反映されたという形。
頂点はその飛竜種のヒエラルキーの中でも、一番上に立っている存在というわけ。
アカムトルムはラスボスでありながら、実際に戦うと“弱い”との批評を受けている悲しいモンスターなのだが…。
当時中学生だったOmochiにとっては、とんでもなく強いモンスターのイメージが強かった。
4人で戦っても、イマイチ勝てなかったため絶望感しか湧かないモンスターの一体だった。
極炎に座す、覇たる者
これはモンスターハンターポータブル3rdで登場したクエスト名。
先ほどと内容はほとんど変わらず、「覇龍 アカムトルム」の討伐が目的。
この作品では、裏ボス扱いのポジションに変更された。
戦闘フィールドが“溶岩峡谷”という場所に差し替えられている。
ここは地面に大量のマグマが流れるばかりでなく、周囲もマグマの海と化す非常に熱いところ。
まさしく極炎と化したフィールドに、覇の名前を冠するモンスターが座してハンターの挑戦を待つという、意味的にも熱い場所だ!
それに何とも言えぬ語感の良さが、すごくマッチして妙にかっこいい。
因みに似たようなポジションのクエストがもう一つあり、そちらはウカムルバスという対となったボスを狩るもの。
その名も「極氷に座す、崩せし者」というタイトル。
やはり語感の良さは中々のモノですな…。
舞うは嵐、奏でるは災禍の調べ
またまたモンスターハンターポータブル3rdからのクエスト。
この作品の、表向きのラストボスを務める「嵐龍 アマツマガツチ」を狩る内容。
同作一連のストーリーの元凶となった存在だね。
別名のところに“嵐”の感じが入るように、膨大な風と水のエネルギーを操るモンスター。
彼が暴れたおかげで、周辺の生態系や人間の村が壊滅的な被害を受けた。
そしてクエスト名にも、その暴れっぷりが”災禍”という字を持って表現されている。
こういう悪いものを意味する漢字って、中二心をくすぐるんだよね…。
そしてお気づきの方もいると思うが、クエスト名が俳句のリズムになっている。
聞き心地も、しゃべり心地も最も日本人の感性にベストマッチしたリズムに合わせて奏でられる言葉はまさに天才。
すげえよな、CAPCOMは…。
終焉を喰らう者
またまたモンスターハンターポータブル3rdのクエスト名。
一人専用のモードで発生する、一番最後のクエスト。
所謂”村最終クエスト”の中の一つに数えられる。
モンハンシリーズには、そのソロ用モードで一番最後に発生するクエストがとびぬけて難しく設定されているのが恒例。
このクエストも、モンスターの強さランクが他と違う上に狭い場所で複数相手にする必要がある、大変難易度の高いもの。
これらを制覇するのが、一つの区切りとされている。
文字通り、ソロ用モードの終わり=終焉+プレイヤーがクリアする=喰らうものといった構図。
プレイヤーの手で終わらせるといった、何とも感慨深い想像をさせられるクエストになっている。
一抹のさみしさすらも感じるかもしれない。
その非常に相手するのが大変な奴らを、ハンター(プレイヤー自身)が喰らうことで終焉を迎えてあげるのだ!
あえて”喰らう”という部分が”食らう”ではないところも、妙なカッコよさを引き立たせる。
黒く蝕み地を染めん
次はモンスターハンター4から。
パッケージモンスターの「黒蝕竜 ゴア・マガラ」を狩るクエストになる。
知らない方は画像を検索してもらえばわかるが、このモンスターの体色が黒と暗い青や紫で構成されている。
その異様な姿を放つ怪物が、ひとたび歩けば“黒く大地を蝕み続ける”存在となりうるのだ。
実際、ストーリー上ではかなり厄介な病原菌扱いされてもいるしね…。
少々不憫な感じはするけど、真っ黒に自分色に染め上げるその様はまさに邪神。
想像するだけで、かっこよさが掻き立てられる…。
因みに全く同じ内容で別のクエスト名として、「跳梁し、意思を用いず悪成さば」というものもある。
御覧の通り、難しい漢字+俳句のリズムといったどう見てもカッコよさしか感じない要素を詰め合わせたものもございます。
天を廻りて戻り来よ
またモンスターハンター4からのクエスト。
今度は「天廻龍 シャガルマガラ」の討伐となっている。
未プレイの方にはネタバレになってしまうが、先ほどのゴア・マガラの成長した姿がこのシャガルマガラになる。
このゴア・マガラは完全に成熟する直前に人目のつかないところで脱皮を行う生態を持つ。
その時に真っ黒だった姿から、真っ白な姿へ大きく変貌するのだ。
その後、生まれ故郷へ戻るのだがその時の様子がまさに、天界から舞い戻りし龍を表現している。
なので”天”を”廻って”そのまま”戻ってくる”といった感じ。
彼の生態をそのままクエスト名に持ってくる、非常に意味が深い演出を併せ持つ。
すげえかっこいい!
更に似たようなクエスト名として拡張版の、モンスターハンター4Gで新たに出たクエスト。
「時を廻りて戻り来よ」というものもある。
4の発売からしばらく経って、4Gで新たに再開したという意味合いを持っているのか、一番最初に”時”が使われている。
加えて作品のストーリーで訪れる村の一つに、このシャガルマガラの伝承が存在しており、2つのクエスト名がそのまま言葉として載せてある。
練られすぎて、鳥肌立ちまくりですね…。
千古不易を謳う王
まだまだモンスターハンター4から。
この作品の表向きのラストボスを務める「蛇王龍 ダラ・アマデュラ」の討伐クエスト。
しかも、隠しクエスト扱いなので本来のものよりステータスが2周りほど高い。
千古不易とは、簡単にいうととんでもなく長い時の間という意味。
アマデュラは、果てしない悠久の時を生きながらえるモンスターのため、星の核になるという扱いを受ける。
一つの惑星が生まれてから崩壊するまでの長い時間と、同等の時間を生きながらえる規格外の生命体として“千古不易”の字があてられているのだろう。
なんというか、不老不死と言ってもいいだろう。
こういう実際には考えられないものの存在も、また中二心をくすぐりやすいのよね…。
沈め掻き臥せ戦禍の沼に
今度はモンスターハンター4Gから。
同作の表向きのラストボスである、「巨戟龍 ゴグマジオス」を狩るクエスト。
かなり巨大なモンスターでありながら、ストーリー上では街を襲った過去があったにもかかわらず誰一人として姿を見なかったという…。
最初にそれを知った時は、どこぞの伝説の傭兵並みのステルス能力の持ち主だと思った。
姿は大量の重油と、人工物を身に着けまくった黒くて禍々しい龍。
背中には巨大な“戟”を意図せず背負っており、もはや武器を装備した気持ち悪いドラゴンにしか見えない。
実際にゲーム中ではそれを使って攻撃するわけではないが、とにかくぶっ飛んだ体力の持ち主で中々倒れない。
文字通り、膨大な体力を目の前にして重油(戦禍)の沼に沈み足掻くハンターの構図を想像させるクエスト名になっている。
戦ってみれば嫌でもその名前の通りになりやすくなるため、難しい感じやつかみやすいリズムも相まって、印象に残りやすいクエスト名だね…。
やっぱ考えた人のセンスは、半端じゃねえわ!
もちろんここに挙げた以外にも、ネタ溢れるものや純粋にかっこいいものまでかなり広く取り揃えてある。
モンスターハンターの数多い魅力の一つの中に、クエスト名が凝っているってのは間違いなくあるね!
どれもこれも意味を知ると
「あーなるほど!」
と腑に落ちるものばかりなので、考えているスタッフの方々はすごいハイセンスの持ち主なんだろう…。
人に刺さりやすいフレーズを考えるのって、ブログでもなんでも大事なんだけどOmochiはまだまだ修行が必要なレベルだと改めて思い知らされた…。
俺ももっと頑張らねばな!
今回はここまで。
記事執筆時点での最新作(モンスターハンターワールド)から、もう身を引いてしまったが…。
改めて思い返すと、懐かしい思い出とともにゲームスタッフのすごさを改めて感じたね!
ありがとう、CAPCOMさん!
やはりラスボスの力の入れようは、すさまじい!