記事公開日:2018年7月19日
最終更新日:2025年12月11日
吾輩は一番最初の職場だと、“徹底的にしゃべらない側”の人間だった。特に同じ部署になった人たちとはそれが強く出ててね。
無言で黙々と仕事するのが一番楽だと思っていて、必要最低限の会話しかできなかったんだよな。雑談やコミュニケーションなどは最大が100だとすれば、実際は3程度みたいな。
でも一度転職を挟んだ後から振り返ってみると、「あの全く喋らないスタイルを貫き通したのは、すごく失礼だったし自分自身も損がたくさんあった」と気づいたんだよ。
今回は、かつて職場では喋らない人を演じ続けてしまった吾輩自身の例を踏まえて、“黙り続けるスタイルで仕事をする落とし穴”について話したい。無理する必要はないが…。
結論としては、沈黙って思ってるより自分に不利なバッドステータスになる。
黙るのは正義なんて限らない。
職場で一切喋らない人
まず前置きとして言いたいことがある。吾輩自身は人間関係を上手く作るのが苦手かつ、口下手なので元来よりコミュニケーションを取るのが不得意な人間である。
これのせいで子供のころから、人とのトラブルが多かったため、年齢を重ねるにつれて段々口を閉ざすことが多くなったタイプ。
そんなんだから、社会人になった後はこのコミュ障が最大限に爆発してしまった時期の一つ。これから色々話していくけど、今思うとあまりにも極端すぎたなぁ…。

ぶっちゃけ何が言いたいかというと、最初の職場で徹底的にしゃべらないスタンスはめちゃくちゃ損をしていたと思う。
別に当時は上司に対して反抗してるわけでもなく、同じ部署の誰かをあからさまに避けたいわけでもなんでもなかったのに。
ただ口には出されなかったが周囲からは、”何を考えているのかわからないし、どうしてほしいのかよく分からない扱いの難しい新人”と映っていただろう。

吾輩の中では「仕事って淡々とやるべきことだけやればいいでしょ?」くらいの感覚だった。でも実際はミスの共有が遅れたり、些細な情報や仕事上の学びが自分には入らない。
その結果として、己の成長やスキル上昇・仕事の効率は全然上がらない一方だったと感じるよ。ただ雑談を徹底的にそぎ落とした、沈黙状態で仕事をしていただけでこれよ。
しゃべらないことで自分を守ってるつもりが、実は吾輩自身を追い込むトラップにもなってしまうのだ。当時は気づかなかったけど、バカなことをしていた…。
愚かな社会人だった。
喋るのが怖いという事実
口は禍の元。これは人によってぐっさり突き刺さる事実タイプのことわざであり、まさにこれのせいで、過去に人とのトラブルを吾輩はよく起こしていた。
だからこそ、次第に「じゃあもう喋らなきゃよくね?」とエスカレートした思考に陥った状態のまま、就職活動~就職をしてしまったのだ。いや、そうじゃない。

あなたももしかしたら吾輩と似たようなものかもしれないけど、こういう人は生理的にコミュニケーションの瞬発力がない。
確かに話すときって、色々頭をフル回転させるので正直疲れるし、職場の人となると変なことが言えないため言い回し等に気を遣う。
人によって程度は異なるものの、吾輩はこれがものすごく顕著に出ていたから、当時はもはや「しゃべれないのは仕方ない」と割り切ってた。だからそうじゃない。

心理的な理由から言えば、会話を始めるタイミングって掴むのがかなり難しいじゃない。あるいはすでに会話が始まっている状態から入り込むのも同じだけど。
両方ともなんかシビアに感じちゃって、結局めんどくさくなっちゃう。大きな壁を感じちゃう。だから軽い雑談程度すら自分には無理だと切り捨てるのは日常茶飯事。
自意識過剰かもしれないけど、当時の吾輩にはそれがしんどくてさ。

もちろん、沈黙をするのもちゃんとしたメリットはあるものの、やりすぎると欠点のほうが目立ちがち。喋りすぎもどうかと言われればその通りだが。
この丁度いい塩梅は、多分人生をかけても吾輩には特に難易度が高いものの一つにしか思えないが、だからと言って100%逃げていいわけでもないのが…。
コミュニケーション皆無
最初の職場で、これまで話した通り仲の良い同期以外とは本当にしゃべることが少なかった。決して0でないものの、ほぼそれに近い状態で仕事をしてたよ。
特に同じ部署の方々や上司には、もう自分でびっくりするくらいしゃべりかけない。業務上必要な会話以外は、こちらから絶対にしない徹底的なレベルで。
酷い時には、上司と二人きりのオフィスに居たときで、朝と夜の「おはようございますorお疲れさまでした」しか、業務時間中に言わなかった日もあった。

当時の上司は嫌いではなく、むしろいろいろ教えてくれる先生的な感じですごく信頼していたにも関わらずこのありさまである。吾輩、失礼極まりない。
もちろん同部署の先輩たちにもそんな感じだったから、みなさん相当吾輩の扱いに困っていたと思うよ。だって話しても腹を割って喋らないからね。
それでもあきらめずに度々話しかけてくれていたので、見捨てられていなかったものの…。普通だったら、とうに諦められて仕事を振られなかったと思う。

そして異動を挟み、別部署に行った時も正直あまり変わらなかった。もうこのスタンスは、最初の会社を退職するまでずっとこのままだったんだよね。
だから仕事を通して得られる知識も正直乏しかったし、吸収力が高い貴重な20代中盤を沈黙によって、自らの価値を潰してしまったのは後の祭り。それ以外の何物でもない。
転職直後もやっぱりコミュ障を爆発させていたものの、何故かはわからんが気づいたら周りとの雑談量が少しは増えたんだよ。
そこは一番偉い上司が嫌いすぎて、別の上司やその先と仲が良かった別部署の先輩と色々愚痴っているうちに、意気投合をした部分も大きいかも。
動機は少々不純だが、それからある程度は相手を選ぶものの割かし積極的に雑談が出来るようになったかな。
少しは評価された
すると不思議なことに、仕事に対してもイヤイヤながら最初の会社にいたころより自ら関りに行くことが増えたのも事実。
実は転職した会社を辞める直前に、嫌っていた一番偉い上司と面談もしたんだけど、その時に最近の仕事ぶりを少し褒めてもらえたんだよね。こんなこと今までになかった。
「ここ半年のOmochi君は、色々自分で考えて動いてくれるようになったから安心した」って。まぁその人とは本当に喋りたくなかったから、別に雑談なんてしなかったが。

吾輩自身も、社内のいろんな人とある程度雑談とかでコミュニケーションを頑張って取るようにしたから、気づかぬうちにちょっとは変わったのかもと思った。
正直いまだに人との雑談に関しては、公私ともに苦手な印象は払いきれていない。けど、あの時の上司の言葉は確かに吾輩の頭にしっかり残ったのも事実。
だからやっぱり、喋りすぎはダメだけど喋らなさすぎも本当に良くないなって感じた。新卒の頃の吾輩を今思い出すと、マジで何であんなことしてたのかと…。
喋らなさすぎは損だよ
「なんで職場にあんなに喋らない人いるんだ?」、その正体が過去の吾輩だったことを、素直に認めざるを得ない。
沈黙には沈黙の理由があるし、どうしても喋るのが苦手だっていう人がいるのは当然。別にそれを無理に克服しろとは言わないよ。
ただ職場という環境だと、あまりにも極端に黙り続けるたまま業務にあたるスタンスって、それはそれで様々な弊害が生まれてしまうのも事実なのだ。
沈黙しすぎは毒になる。

もしかつての吾輩と同じような感じで仕事をする人。特に初めて会社で働く20代の諸君には、「少しずつでいいから雑談なりで、周りと喋る努力はしてみよう」と伝えたい。
沈黙は絶対悪じゃないけど、やりすぎると自分の可能性を自ら失わせる可能性も含めているので、自分ができるバランスを保てるおしゃべりの量を探ってみるべき。
今回はここまで。今であれば、一番最初の上司には面と向かって謝りたくなるほど沈黙という失礼な態度を取ってしまった。そのことは地味に人生の後悔ポイントの一つ。
U部長、この場を借りて当時は目を掛けてもらったにもかかわらず、その期待に応えることができずに本当に申し訳ございません。